F1新車”雑感”解説2026「アウディR26」ついにF1にやってきた巨人……オーソドックスに見えるデザインの真価に注目
アウディが送り出す最初のF1マシンR26。オーソドックスなデザインに見えるが、そのパフォーマンスやいかに?
Gabriel Bortoleto, Audi
写真:: Audi
スペインのバルセロナ-カタルニア・サーキットで、2026年シーズンのF1開幕に向けたテスト走行が始まった。このバルセロナテストの日程は5日間で、各チームはそのうち最大3日間を走ることができる。
2日目は雨のため、フェラーリとレッドブルの2チームしか走行しなかった。しかし初日には、7チームが走行。その中には、今季からF1参戦する2チームも含まれていた。
本稿ではそのうち、アウディの初代F1マシンR26を見ていこうと思う。
耐久レースやフォーミュラEなど、世界の様々なモータースポーツ・カテゴリーに挑み、数々のタイトルを獲得してきたアウディ。しかし意外かもしれないが、F1に参戦するのはこの2026年が初めて。満を持しての参戦ということになる。1993年からF1に参戦してきたザウバーを買収しての参戦であり、長年培われてきたノウハウは、初参戦の巨大メーカーにとっては有益なモノとなろう。また、アウディが初めて開発したパワーユニット(PU)も、ついに日の目を見る。
Audi F1 Team R26
写真: Audi
そのアウディのR26は、実にオーソドックスなマシンに見える。最も印象的なのは、サイドポンツーンである。
他の”雑感解説”でも、昨年までトレンドとなっていたダウンウォッシュ……つまりサイドポンツーンの上面を流れる気流を下へ導き、ディフューザーの上へと流すスタイルは、今年も多くのマシンが踏襲していると紹介してきた。しかしアウディのR26は、サイドポンツーンの後端が比較的高く、ダウンウォッシュの度合いが比較的小さいように見える。
ただかといって、まったくダウンウォッシュを狙っていないかと言われるとそうでもない。後端は緩く下方に向かって落とし込まれていて、この部分で気流を低い位置に導こうとしているようだ。そしてその気流は、リヤサスペンションのプッシュロッドの下を通り、ディフューザー上に送り込まれている。
つまりダウンウォッシュをフロアを経由してディフューザーに導くか、あるいは直接ディフューザー上に流すか……その違いが現れただけとも言える。そしてサイドポンツーンの側面、フロア上を流れる気流も当然あるはずで、これとサイドポンツーン上面を流れてきた気流が、リヤサスペンション周辺で合流しているものと思われる。
他のチームと比べると、ある意味独特の解釈ともいえる。これがうまく機能するかどうかは、実際のパフォーマンスを見てチェックしたいところだ。
エンジンカウルには、段差が設けられている。ここには、ドライバーのヘルメットの後ろ、インダクションポッドの下のスペースで左右に分けられた空気が流れるはずだ。そしてそれをリヤウイングの下に導き、ダウンフォースを稼ごうという狙いであろう。こちらは近年のトレンドを踏襲した格好だ。
Audi F1 Team R26
写真: Audi
「ninjaOne」のロゴが貼られたバージボードは、コクピットから太いステーによって支えられている。これも多くのチームが使用しているトレンドである。ただ吊り下げるだけならば、細いワイヤー状のパーツでいいはず。しかし太いカーボンファイバー製と思われるステーを採用しているのは、何らかの空力的効果を狙ったものであるのは間違いない。
フロントウイングの翼端板は、今年はフットプレートが非常に幅広くなった。多くのチームはここに縦方向のフィンを立て、アウトウォッシュ(マシン左右の方向へ向かう気流)を生み出している。しかしアウディは、翼端板上部に、路面と水平後方のフィンを取り付けている。そしてそのフィンの形状を見る限り、どうも気流を上方に跳ね上げているようだ。これをアップウォッシュという。
この処理により、フロントタイヤに当たる気流を上方に回避させ、無駄な空気抵抗を削減しようとしているのだろう。
なおホイールの形状も独特。フロントこそ以前もよく見られたオーソドックスな形状だが、リヤは開口部の少ない、平面的な造形となっている。これは今季からさらに回生ブレーキを多用することになったため、ブレーキを冷却する必要が減ったからであろうか?
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