F1 イタリアGP

衝撃の18台抜きでF1イタリアGP優勝アントネッリ。しかし「僕のベストレースはまだまだこれからだよ」と発言する凄み

F1イタリアGPを圧倒的なパフォーマンスで制したアントネッリは、もっと良いレースを今後もできるはずと示唆した。

田中 健一

編集: 2026/09/07 3:16

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Andrea Kimi Antonelli, Mercedes

Andrea Kimi Antonelli, Mercedes

写真:: Clive Rose / Formula 1 via Getty Images

 メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが、F1イタリアGPを制した。1966年のルドヴィコ・スカルフィオッティ以来となる、イタリア人ドライバーによるF1イタリアGP制覇。モンツァに集まった大観衆も、フェラーリの優勝ではなかったものの大いに湧き立ち、表彰式でイタリア国歌が流れると、大合唱となった。

 しかしアントネッリのレースは素晴らしかった。パワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティを受け、19番手からのスタート。そこから優勝してしまったのだから恐れ入る。しかし当のアントネッリは、「最高のレースは、まだこれから」だとサラリと語った。

 アントネッリは19番グリッドからスタートし、1周目には14番手までジャンプアップ。12番手でシャルル・ルクレール(フェラーリ)のクラッシュによる赤旗中断を迎えると、6周目には8番手。そこからライバル勢を容赦なく蹴散らし、18周目にはチームメイトのジョージ・ラッセルも抜いて、ついに首位に浮上した。つまり1周につきひとつポジションを上げたという恐るべきペースだ。

 ただ先頭に立った後はラッセルが必死に喰らいつき、抜きつ抜かれつの大バトルが展開。これでペースが落ちてしまい、3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が近づいてきたため、チームはたまらず「バトルはやめよう」と指示が飛んだ。

 ただ28周目にアストンマーティン・ホンダのランス・ストロールがストップしたことで、バーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言。ラッセルはステイアウトしたが、アントネッリはここでピットインしてタイヤを履き替え、その後は超ハイペースで前を追い、残り4周というところでラッセルを捉え、首位でチェッカーを受けた。

 1983年のジョン・ワトソン(22番手)に次ぐ、後方からの大大逆転勝利だった。

「今シーズンで一番特別な表彰台だったと思う。ストレートがたくさんのファンで埋め尽くされていて、本当に信じられない気持ちだった。それに、もちろん地元のレースだったから、さらに特別なモノになった。本当に、本当に嬉しいよ」

 レース後に行なわれた記者会見で、そう語ったアントネッリ。レース前は表彰台くらいは可能かもしれないと考えていたが、赤旗中断の際にそれ以上の可能性も感じていたという。

「表彰台は可能だと思っていた。でも、赤旗が出た時点で既に12番手にいたから、もっとチャンスがあるかもしれないと思った」

「その後は首位に立ってバトルを繰り広げたが、抜け出すのはとても難しかった。ほとんど不可能だった。それで、難しいレースになると思った」

「VSCの時にピットインしたから、差を縮めなければいけなかった。そして最終的に勝利を手にすることができて、とても満足している」

 19番手からスタートして優勝……とんでもないパフォーマンスだ。これは自分にとって最高のレースだったのではないかと尋ねられたアントネッリは、こう語った。この回答にも、アントネッリの凄さが感じられる。

「最高のレースは、まだまだこれからだと思うよ」

「でも、これまでのレースの中では最高のレースのひとつだったと思うし、一生忘れられないレースになるだろう」

 この勝利の結果、アントネッリはラッセルに66ポイントという圧倒的な差をつけ、ランキングランキングの首位をひた走っている。しかし、現時点でチャンピオンのことを考えても仕方がないとアントネッリは語った。

「今シーズンは、状況があっという間に変わるのを目の当たりにしてきたから、あまり気にしないようにしているんだ」

「僕としては、1戦1戦に集中し、与えられたチャンスを最大限に活かして結果を出していくことに専念する。そして、年末にどうなるのかを見守りたい」

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