F1 スペインGP
F1分析|初開催マドリンク、決勝では複数回ピットイン必須? それより気になるのは”トラックリミット違反”の多さ……FP1とFP2ではそれぞれ50回近くの違反も
F1スペインGPでは、タイヤのデグラデーションをマネジメントできるかが重要になりそうだ。またそれ以上に、トラックリミット違反を犯しやすいコースレイアウトも気になる。
田中 健一
公開日時: 2026/09/12 9:39
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Lewis Hamilton, Ferrari
写真:: Clive Mason/Getty Images
F1スペインGPの舞台は、今年から新設のマドリンクとなった。半公道サーキットであり、コース脇にはウォールが迫っており、ミスを許容してくれる余地はほとんどない。
そんなマドリンクでの最初のレース、鍵となりそうなのはタイヤのデグラデーション(性能劣化)である。メルセデスのジョージ・ラッセルによれば、FP1のデグラデーションレベルなら、6ストップ戦略が最速になった可能性もあるという。
まあそんなことはないかもしれないが、デグラデーションが激しいというのは間違いないようだ。
F1スペインGP FP2ロングラン分析(ミディアム)
写真: Motorsport.com Japan
上の折れ線グラフは、FP2でのミディアムタイヤでの各車のロングランペースの推移を示したものだ。軒並み右肩下がり……つまり走れば走るほど、ペースが落ちているということだ。しかもその度合いは他のグランプリより激しく、ここに示した10台のマシンのデグラデーション平均値は、0.37秒/周と実に大きい。
このレベルでは、さすがに1ストップで走り切るのを難しかろう。
ただ、その中でもフェラーリのルイス・ハミルトンとマクラーレンのオスカー・ピアストリのデグラデーション値は比較的小さく、これがメルセデス勢と戦う武器になるかもしれない。ちなみにフェラーリとマクラーレンのデグラデーション値は0.16秒/周程度、メルセデス勢は0.25秒/周程度であった。
しかし気になるデータもある。それは、ソフトタイヤのデグラデーションの方が、ミディアムタイヤよりも小さそうだということだ。
F1スペインGP FP2ロングラン分析(ソフト)
写真: Motorsport.com Japan
こちらがソフトタイヤでのラップタイム推移である。ミディアムタイヤと比べてサンプル数は少ないが、平均して0.14秒/周程度のデグラデーション値である。
マドリンクは前述の通り、今年が初開催。出来上がったばかりのサーキットである。そのため路面は新しくグリップしやすい面もあるが、スライドすることでグレイニングを引き起こした部分もあったようだ。
ピレリのシモーネ・ベッラはこう語っている。
「前後の左タイヤにグレイニングが見られ、場合によってはかなり顕著だった。スリップしやすいマシンほど、タイヤの摩耗を加速させる要因となった」
「グリップレベルは今シーズン最高レベルだった。高いグリップレベルと非常に滑らかな路面が相まって、グレイニングの発生を促した。路面状況が変化するに連れて、この状況は徐々に緩和される見込みだ」
つまり初日のコンディションでは、よりグリップ力が高く横滑りしにくかったソフトタイヤの方が、グレイニングの発生が抑制されたということなのだろう。
なお初日の段階で最も硬いハードタイヤを使ったのは、アウディ勢のみ。他の20台は、ハードタイヤ2セットを温存した。ピレリも、決勝ではそのハードタイヤが最も重要な選択肢になると指摘している。
初日の路面のままであれば、ハードタイヤはスライドしてしまい、それこそグレイニングが発生してしまうだろう。しかし路面が改善することで、最適なタイヤになるはずだと、各チームが見込んでいるようだ。
なおマドリンクは、オーバーテイクが大変難しそうだと見る向きが強い。それを考えれば、予選順位がとても重要になる。そこで気がかりになるのは”トラックリミット”だ。
実はスペインGPの初日、トラックリミット違反によるラップタイム抹消が非常に多かった。FP1では48件、FP2では46件のトラックリミットによるタイム抹消があった。
ここ最近のグランプリでは、1セッションでのトラックリミット違反によるタイム抹消は、ハンガリーGPのFP2で40件という事例はあるものの、多くても20件前後。それに比べれば、スペインGP金曜日のトラックリミット違反数はあまりにも多すぎる。
ちなみに、トラックリミット違反は、ターン5〜6、そしてターン17〜18で頻発している。
よって予選でいかにアタックラップをまとめられるかどうかが、大いに鍵となろう。
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