ラッセルに非情な試練……アントネッリが驚異の初優勝から4連勝! ハミルトンがフェラーリ加入後最高位の2位|F1カナダGP決勝
アンドレア・キミ・アントネッリがチームメイトとの激闘を制して4連勝。ルイス・ハミルトンが2位だった。
Andrea Kimi Antonelli, Mercedes, Lewis Hamilton, Ferrari
写真:: Jordan McKean - Motorsport Images
F1カナダGPの決勝レースが行なわれ、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが優勝。自身初優勝から4連勝を達成した。フェラーリのルイス・ハミルトンが2位。アストンマーティン勢は、フェルナンド・アロンソがリタイア、ランス・ストロールが15位だった。
今年のカナダGPは非常に難しいコンディションでスタートを迎えた。レコノサンスラップの段階では、路面にウエットパッチが残っている状態。しかしドライアップが進んでおり、結局は各車ともドライタイヤで周回し、スターティンググリッドにマシンを並べた。
なおアストンマーティンのランス・ストロールは、エナジーストアとコントロール・エレクトロニクスを交換したため、ピットレーンスタートとなった。
しかしスタート前のセレモニーが行なわれている間に雨が降り始めてしまう。これでタイヤの選択が分かれた。マクラーレン勢、アウディ勢、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.、キャデラックの7台がインターミディエイトタイヤを履いた。その他はドライタイヤを選んだが、ソフトとミディアムで選択が分かれた。近年稀に見る難しいスタートということになった。
気温13度、路面温度17度である。レース中の雨の確率は50%の表示である。
各車スターティンググリッドに並んだが、9番グリッドのアービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)にギヤが入らないというトラブルが発生し、フォーメーションラップやり直し。結局リンドブラッドのマシンは、ピットに押し戻されてしまった。リンドブラッドのマシン回収には時間がかかり、フォーメーションラップがさらにもう1回やり直しとなった。
ようやくスタートが切られると、先頭に立ったのはマクラーレンのランド・ノリス。インターミディエイトを履いたことで、蹴り出しがうまくいった格好だ。後方ではハミルトンがオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を抜いた。
しかしインターミディエイトのメリットも蹴り出しのみ。路面はドライタイヤで走れる状況であり、しかも雨脚も強まらない。結局ピアストリは1周目にピットインし、ノリスも2周を終えたところでピットに戻り、ドライタイヤに履き替えた。
これで首位に立ったのはアントネッリ。ただチームメイトのジョージ・ラッセル、ハミルトン、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが僅差で喰らい付いた。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソも10番手に上がった。
6周目、最終シケイン前のストレートでラッセルがアントネッリをオーバーテイク。アントネッリはなんとか抵抗しようとするも、タイヤをロックさせてしまい、コース外に飛び出してしまった。
ハミルトンのペースは徐々に上がらなくなり、フェルスタッペンが接近。9周目のターン1でズバリとオーバーテイクを成功させた。ハミルトンは「パワーがない……頼むぜ」と無線で訴えた。
メルセデスのふたりは激しいバトルを繰り広げながら周回を重ねていく。そんな中ピアストリとアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が接触。アルボンはリタイアし、ピアストリはピットストップしなければならなかった。
ノリスは15周を終えたところでピットイン。チームからは「信頼性の問題だ」という無線が入った。どうやらコース外を走行した時に、芝生をマシンに抱え込んでしまったらしい。
ラッセルはヘアピンのブレーキングでミスをすることが多く、その度にアントネッリにプレッシャーをかけられた。そのアントネッリが好機を掴んだのが22周目。一気ににラッセルを抜き、首位に立った。
ただ24周目のヘアピンで、今度はアントネッリがミス。最終シケインでは両者が接触しかけ、アントネッリがコースオフしてしまう。それでもアントネッリは首位をキープしたが、チームからはラッセルに順位を明け渡すように指示が飛んだ。
このふたりの激しいバトルは最後まで続くのではないかと思われた。しかし30周目、ラッセルのマシンはターン8に差し掛かったところで突如パワーを失い、コースオフ。そのままマシンを止めてしまった。その横を、無情にもアントネッリがすり抜けていった。
ラッセルは怒り心頭。ヘッドレストを投げつけ、グローブを投げ、怒りを露わにした。なおラッセルのマシンを回収するためにバーチャル・セーフティカーが宣言。各車がここでピットインした。
これでアントネッリが首位。5秒後方にフェルスタッペン、以下ハミルトン、アイザック・ハジャー(レッドブル)という序列になり、そのハジャーに対してシャルル・ルクレール(フェラーリ)が激しいプレッシャーをかけた。そして39周目にルクレールがオーバーテイクを完了した。
その直後、ノリスにもマシントラブルが発生し、リタイアすることになった。ギヤボックスにトラブルが発生したようだ。
レース終盤、一気にやる気に満ち溢れたのはハミルトンだ。一旦は先行されたフェルスタッペンとの差を再び縮め始めたのだ。「僕らはできるぜ! プッシュしてるよ」と無線でチームを鼓舞した。
53周目、コース上に落ちたデブリを回収するため、バーチャル・セーフティカーが再び宣言された。このタイミングで、複数回のレーンチェンジにより10秒加算ペナルティを科されていたハジャーと、アルボンにぶつけたことでやはり10秒ペナルティを科されていたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がピットイン。タイヤを交換しつつ、ペナルティを消化した。VSC中にペナルティを消化してしまえば、ロスタイムが少なくて済むからだ。
VSC解除後、ハミルトンはフェルスタッペンに執拗にプレッシャーをかけ続けた。そして62周目のターン1でアウト側からズバリとオーバーテイク。遂に2番手に浮上した。フェルスタッペンも諦めず、必死にくらいついていく。しかし攻め手を欠いた。
結局アントネッリは危なげなく逃げ切り、後続に10秒の差をつけてトップチェッカー。中国GPでの自身初優勝からの連勝記録を、なんと4連勝に伸ばしてしまった。ドライバーズランキングでのリードも43ポイントにまで拡大し、圧倒的首位を堅持している。
ハミルトンが2位フィニッシュ。フェラーリ加入後最高順位を手にした。フェルスタッペンはハミルトンに0.5秒及ばず3位。しかし今季初表彰台を手にした。フェラーリのもう1台、ルクレールが4位となった。
なお同一周回のマシンはこの4台のみ。5位ハジャー以下は全車が周回遅れとなった。
6位にはアルピーヌのフランコ・コラピント。チームメイトのピエール・ガスリーも8位に入り、アルピーヌとしてダブル入賞を果たした。
7位リアム・ローソン(レーシングブルズ)、9位サインツJr.、10位オリバー・ベアマン(ハース)という入賞者の顔ぶれだった。
ピアストリはペナルティもあり、結局11位フィニッシュとポイントには届かなかった。アウディ勢がその後方、12位と13位だった。
アストンマーティン・ホンダ勢は、アロンソはシートに問題が生じたため、23周を終えたところで自らリタイアを決断。チームメイトのランス・ストロールは、首位から4周遅れの15位だった。
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