F1モナコGP、新世代F1マシンに2重の安全対策。アクティブエアロ禁止に、モーター出力にも制限
F1モナコGPではアクティブエアロが無効化されるだけでなく、新しいエンジンマッピングによってF1マシンの最高速度も制限される。
George Russell, Mercedes
写真:: Alastair Staley / LAT Images via Getty Images
歴史あるモナコGPは、F1カレンダーの中でも伝統あるレースとして、そして屈指の難コースとして挑戦の場であり続けてきた。しかし今年は新たな技術規則が導入され、安全性とマシンセッティングに大きな影響を与える重要な要素が導入されており、その挑戦の様相は一変するだろう。
金曜日に発表されたように、安全面でのリスクを最小限に抑えるため、今季初めてラップ全体を通してアクティブエアロダイナミクスが無効化される。
FIAは通常、車両がグリップ限界で走行していない区間、つまりタイヤに最大の横方向荷重やトラクション荷重がかかっていない区間を、ストレートラインモードのアクティベーションゾーンとして定義する。これにより、アクティベーションゾーンで前後ウイングが稼働し空気抵抗とダウンフォースが減っても、たとえ摩耗したタイヤでも安定性を損なうことがないようになっているのだ。
それだけでなく、アクティベーションゾーンは走行時間にして3秒以上の長さがなければならない。これは、実質的な性能や効率の向上をもたらすことなく、ドライバーの作業負荷を増やすだけの区間にならないようにするためだ。
昨シーズンのモナコGPでは、ドライバーはメインストレートでDRSを5秒強使用し、トップスピードは時速約290kmに達した。今シーズンのMGU-Kは350kWと、出力が大幅にパワーアップし、マシンがより速く高速域に到達できるようになった。
さらに路面の凹凸が激しいターン1のブレーキングゾーンへ、より高い速度で進入することにはリスクが伴う。ここではタイヤのロックアップを防ぐために最大限のダウンフォースが必要となるためだ。
その結果、アクティブエアロは実質的なメリットをもたらさないと判断され、ストレートラインモードのアクティベーションゾーンは設定されないことになった。
速度別MGU-Kの最大出力。Baseが通常時、Rev1がモナコなど一部のレースで使用される。(破線はそれぞれのオーバーテイクモード)
写真: FIA
しかし、これが唯一の安全対策ではない。モナコを含むいくつかのグランプリでは「Rev1」と呼ばれる専用のエンジンマッピングが使用される。この設定では、MGU-Kの出力カーブに別の制限が適用される。
目的は、ピットストレートやトンネル区間、そしてマセネーへ向かう上り坂などで速度が過度に上昇するのを防ぐことにある。
モナコではMGU-Kの最大出力自体は引き下げられないが、出力が減衰(ディレーティング)し始めるタイミングと出力曲線が変更される。
”Base”と呼ばれる通常の設定なら、時速290kmまでMGU-Kは最大出力350kWを発生でき、その後は徐々に出力が低下する。時速310kmではそれが250kWまで落ち、時速345kmでは0kWとなる。ただし、チームがエネルギーを節約するためにより早い段階で出力を絞ることも可能だ。
一方モナコでは、350kWを維持できるのは時速200kmまでとなり、その後すぐにディレーティング領域へ入る。
時速270kmでMGU-Kの出力は約100kWまで低下し、時速300kmに達すると電気モーターのアシストは完全にゼロになる。
モナコはエネルギーマネジメントの面では厳しいサーキットではない。ブレーキングポイントが多く、バッテリーへのエネルギー回生を効率よく行なえるからだ。
そのため、「オーバーテイクモード」についても制限が加えられる。”Base”なら時速335kmまでMGU-Kの最大出力が維持されるが、モナコで使われる”Rev1”では時速200kmでディレーティングが始まる。ただし、出力低下自体は通常モードほど急激ではない。
こうした制限によって、F1モナコGPは例年以上に特別な対応がチームに求められるレースとなりそうだ。
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