新規則下の2022年F1マシン、2020年中の開発を凍結へ。コスト削減が目的か
世界モータースポーツ評議会の決定を受けて、F1チームは2020年中に2022年マシンを開発することを禁止されることとなった。
写真:: Formula 1
新型コロナウイルスの影響を受けて開幕が遅れている2020年シーズンのF1だが、世界モータースポーツ評議会(WMSC)は3月31日(水)に声明を発表し、レギュレーションに関するいくつかの変更を承認したことを認めた。
その中には、レギュレーションが大幅に改定される2022年シーズンに向けたマシンの空力開発が2020年中は禁止される、というものが含まれている。
オーバーテイク増進などを目指した新規則だが、当初は2021年からの導入を予定していた。しかし新型コロナウイルスのパンデミックの影響で各チームの開発に支障が出ることから、導入は1年後ろ倒しされた。
2020年シーズンのF1は未だ1レースも実施することができておらず、今年中に何レース開催できるかも不透明な状況だ。そのため開催権料がF1に支払われず、各チームは分配金を受け取ることができない。多くのチームが財政的に厳しい状況に陥ることが予想されており、徹底的なコスト削減が目指されていることが、今回の決定に繋がったと言える。
なおF1のCEOであるチェイス・キャリーは、2020年シーズンでは15〜18レースを開催する構想があると語っていた。
WMSCは“FIAとF1がこの危機に対応し、F1世界選手権の商業的価値をできる限り損なわないようなレースカレンダーを編成するために”スポーティングレギュレーションの変更が行なわれることを認めた。
FIAとF1は現在、チームの承認なしでカレンダーを変更できる権限を持っているが、レギュレーションの変更に関しては、過半数のチームの賛成が必要となっている。
またFIA会長のジャン・トッドには「緊急性のある場合には、2020年の国際大会の開催についてあらゆる決断を下せる」というかなり大きな権限が与えられている。
現在各チームは、4月末までの間に21日間連続でファクトリーを閉鎖する必要がある。夏休みのファクトリー閉鎖期間が前倒しされたためだ。
加えて公衆衛生上の懸念がさらに続く場合、または政府による諸制限が続いた場合には、閉鎖期間を延長することができるとされた。これにより、各チームはさらにコストを抑えることができるだろう。
その他の変更として、仮に2020年シーズンのF1が14レース以下になった場合、各チームが1シーズンで使えるパワーユニットのエレメント数に変更が加えられることになった。
レース数が14以下になった場合、1台あたり内燃エンジン(ICE)、MGU-H、MGU-K、ターボチャージャー(TC)、エナジーストア(ES)、コントロール・エレクトロニクス(CE)がそれぞれ2基に制限されることが、更新されたレギュレーションでは明記されている。
またレース数が11以下になった場合には、ICE、MGU-H、MGU-K、TCが2基、ES、CEが1基に制限されるようだ。
シーズン最終戦後のヤングドライバーテストのレギュレーションにも変更があり、各チームは2台のマシンを走らせることが可能となった。このテストに参加するためには、F1レースへの出走回数が2回以内でなければいけない。
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