メルセデス、新フロントウイングに合わせて最適化。レッドブルは問題解決のためデータ収集
F1カナダGPに大きなアップデートを持ち込んだチームは少ないが、メルセデスやレッドブルはウイングの調整を含め、マシンの改善を目指している。
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
F1カナダGPは、直線を低速コーナーやシケインで繋いだようなレイアウトをしており、空力効率の改善や空気抵抗の削減が重要となるサーキットだ。
ゆえにウイングを微調整して最適化する程度の変更に留まっているチームも多いが、メルセデスは前戦モナコGPで導入されたフロントウイングのエアフロー特性をより活かすために、トラックロッドとロワフロントサスペンションアームの位置を変更した。
メルセデスW15のフロントウイング比較(上が新型、下が旧型)
写真: Giorgio Piola
モナコではジョージ・ラッセルのみが使用していたフロントウイングは、コンセプトから全面的に見直されている。これまで一番上のフラップの内側は、紐のような形状(赤矢印)となっていたのが特徴的だったが、新ウイングは比較的オーソドックスなフラップとなっている。
フラップの構成は以前とは異なっており、角度調整できる部分もより幅広となっている。メインプレーンの形状も見直され、中央部の形状が修正(赤線)。メインプレーンの外側は小さな隆起部分があった以前の仕様とは異なり、ストレートな形状となっている。
また、エンドプレートとフラップの接合部の形状も修正され、アウトウォッシュの発生とダウンフォースの生成の比率が変更されている。フロントブレーキの冷却バランスを取るため、メルセデスはブレーキダクトのメインインレットを拡大している。
Red Bull Racing RB20 detail
Photo by: Giorgio Piola
レッドブルはFP1でフロントサスペンションのプルロッドとブレーキダクトにリファレンスステッカーを貼り、カメラとノーズ上のハウジングをその部分を撮影できるものに交換した。
これまでの数戦で路面のバンプや縁石に苦しんでいることが浮き彫りになったレッドブル。これによりチームは豊富な情報を収集し、今週末または今後のレースに向けて調整を行なうことができる。
Red Bull Racing RB20 rear detail
Photo by: Giorgio Piola
Red Bull Racing RB20 rear detail
Photo by: Giorgio Piola
レッドブルはジル・ビルヌーブ・サーキットに最適化するため、今週末もRB20に新しいリヤウイングを搭載する。チームはセッション中にアッセンブリーにフロービズ塗料を塗り、ウイングが期待通りに機能しているかどうかを視覚的に確認した。
注目すべきは、リヤの衝撃吸収構造とリヤウイングの間に搭載されたビームウイングだ。サーキットの特性に合わせ、低ダウンフォース仕様のふたつの細長いエレメントが搭載されている。
Kick Sauber C44 detail
Photo by: Giorgio Piola
ザウバーも、カナダに新しいリヤウイングとビームウイングを持ち込んだ。モナコで刷新されたウイングの低ダウンフォースバージョンだ。
最も顕著な仕様の違いは、ウイングの支柱が2本から1本に変更されたことだ。またフラップはグリッドで大流行しているセミ・デタッチ式と呼ばれるソリューションになっており、フラップの前端部がリヤウイングのエンドプレートから切り離され、露出している形状となっている。
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