ピットレーン入口&出口のラインは「タイヤ1本完全にはみ出さなければOK」。バクー戦を前にF1側が明示
F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒは、アゼルバイジャンGPにおいてピットレーン入口及び出口のラインを横切ることが許可されると正式に認めた。
写真:: Alfa Romeo
先日行なわれたF1モナコGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がピットレーン出口の線を踏んだことについて論争となった。F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒはアゼルバイジャンGPを前に改めて、この行為がレギュレーション上認められることを明らかにした。
この一件が論争となったのには理由がある。昨年までは、ピットレーンのラインに少しでも触れるとペナルティの対象となっていたのだ。そのためフェラーリはモナコGPの後、フェルスタッペンのラインカットに関してFIAに抗議した。
しかしFIAは、今年から国際モータースポーツ競技規則が変更されたことを指摘。訴えを取り下げた。ピットレーン出口のラインは「ピットを出る車両のいずれの部分も越えてはならない」とされていたものが、今年から「タイヤがピットレーン出口の線を越えてはならない(タイヤが完全にラインの外に出てはならない)」という条文になっている。つまり、フェルスタッペンのようにタイヤがラインを“踏む”だけでは違反とみなされなくなったのだ。
ただし、各レース前に発行されるレースディレクターズノートの文言はその変更に対応できておらず、昨年の文言をコピー&ペーストした形で「ピット出口のイエローラインの右側に留まらなくてはいけない」とだけ記されていた。それがモナコでの混乱の一因となっていたため、アゼルバイジャンGP向けのディレクターズノートではこれが修正された。
今回のイベントノートでは、ピットレーン入口、そして出口に関するセクションでこう記されている。
「ISC(国際モータースポーツ競技規則)の付則L第4章の第4条、第5条に則り、ドライバーはピットエントリーとピットアウト時の手順に従わないといけない」
つまり、ドライバーはタイヤが完全にラインの外に出ない限りは、ラインをまたいでも問題にはならないということだ。
なお、以下が国際モータースポーツ競技規則の付則L・第4章の抜粋である。
4. ピットレーンへの進入
a) 最初のセーフティーカーライン(SC1)からピットレーンまでの区間を“ピット入口”とする。
b) 競技中は、ピットレーンへのアクセスはピットエントリーからのみ許可される。
c) コースを離れる、またはピットレーンに入るドライバーは、その安全性を確認すること。
d) 不可抗力(スチュワードが認めたもの)の場合を除き、ピットレーンに入る車両のタイヤは、ピットレーンに入る車両とコース上の車両を分離する目的でコース上に描かれたラインを、いかなる方向にも越えてはならない。
5. ピットレーンからの退出
a) ピットレーンの端から第2セーフティーカーライン(SC2)までのコース上の区間を「ピット出口」とする。
b) ピットレーン出口には、青信号と赤信号(または同様のサイン)が設置される。車両は、青信号が点灯(または標識が表示)しているときのみピットレーンから出ることができる。
c) 不可抗力(スチュワードが認めたもの)の場合を除き、ピットレーンを出る車のタイヤは、ピットレーンを出る車とコース上の車を分離する目的でコース上に描かれたラインを越えてはならない。
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