衝撃クラッシュのリプレイ映像、ドライバーから批判もF1側理解求める
F1バーレーンGPで発生したロマン・グロージャンの大クラッシュ。そのリプレイ映像が何度も繰り返し放送されたことにドライバー側から批判の声が出ているが、F1側は様々な基準を遵守していると理解を求めた。
バーレーン・インターナショナル・サーキットで行なわれたF1第15戦バーレーンGPでは、ハースのロマン・グロージャンがオープニングラップで大クラッシュを喫し、サーキットは騒然となった。
グロージャンのマシンはガードレールのバリアに衝突すると真っ二つに分断。コックピットを含むモノコックは炎に包まれた。しかしグロージャンはここから自力で脱出し、メディカルカーのクルーやマーシャルたちによって救護された。戦慄のシーンだったが、幸いなことに彼は命に関わる怪我を負うことはなかった。
グロージャン、そして当該エリアのマーシャル全員の無事が確認されるまで、クラッシュ時の映像がリプレイされることはなかった。しかしグロージャンらの無事が確認されるとリプレイが流され、その後破損したバリヤを修復するための長い時間赤旗中断中には、何度もそのクラッシュシーンが放映されることになった。
この繰り返されたリプレイ映像については、ドライバー側から批判の声が寄せられており、ダニエル・リカルド(ルノー)は「F1に対する嫌悪感や失望を表明したい。(事故を)エンターテイメントにされているようだ」というコメントしている。
F1側は確立されたプロトコルに従っていることを強調。重傷者が出ていないことが明らかになるまで、放送も行なわれなかったと理解を求めている。
「まず第一に、F1ではそのことがエンターテイメントとはなっておらず、リプレイ映像を流すどのような決定も、その前の手順やプロトコルが定められている」
F1の広報担当者はそう語った。
「事故後、全てのオンボード映像や空撮映像などは一時カットされる。放送センターとレースコントロールの間には、ダイレクトなコミュニケーションがあるんだ」
「ドライバーが無事なことが確認されるまで映像は映されない。今回はまず、ロマンがヘルメットを脱ぎ、助けを借りて歩いている姿を映した」
「ドライバー、マーシャル、医師等の全ての人物の無事がレースコントロールに確認され、承認を受けるまで、事故のリプレイは表示されない」
「視聴者が見たり聞いたりする中継での解説の話の前後関係は重要だ。彼らはロマンの無事や、頭部保護デバイスのハロの重要性、FIAの安全性向上への取り組みや、メディカルセンターからの最新情報などを語った」
「F1、FIAそしてレースコントロールの間では常に対話がなされており、視聴者や家族、影響を受けた人たちに対し、適切な判断が行なわれている」
またリカルドの批判について見解を問われたハースのギュンター・シュタイナー代表は、グロージャンの無事を広く知らせるためにはTV放送がベストな方法だったと語った。
「これに関してはふたつの態度を選ぶことができるが、私の意見は幸運にも何も最悪の事態は起こらずに終わったなら、なぜ人々に見させないんだということだ」
シュタイナー代表はそう語った。
「ああ、確かに良くない事態だった。だがみんな無事だった。あれがその対処法だったんだ。我々は『ロマンは大丈夫』という報せを出来るだけ早く家族や親しい人々、チームスタッフといった人々に伝えたかった。TVでこうしたメッセージを送ることができれば、それは非常に強力なんだ」
「彼が(マシンから)出てくるシーンは劇的だったろうと思う。だが最終的には大丈夫だったんだ。だから問題が無い限り、私としては(繰り返し放送されても)大丈夫だ」
「たしかに、何か悪い事態が発生していたなら、見せるべきではないだろう。私はTVの専門家ではないが、個人の意見としては、良い(結果だった)モノは見せてもいい」
「深刻なアクシデントだったが、幸運にも問題は無かった。素晴らしい結果で終わったわけではないから、良いことが起きたとはいえない。ただ”オーケー”だったということだ」
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