V8やV10の復活にNO。F1、ベッテルが提唱する”シンプルかつ大迫力”エンジンの復活に懐疑的「それに投資するメーカーはひとつもいない」

F1は持続可能燃料を導入することで、V10エンジンを復活させるべきだというセバスチャン・ベッテルの提案を、F1側は却下した。

Sebastian Vettel, Williams FW14B Renault

 今季限りでF1を引退することが決まっているセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、持続可能燃料を採用することで、F1にV10エンジンを復活させるべきだと提案しているが、F1の首脳陣はこれに否定的な構えを見せている。

 ベッテルはイギリスGPの際に、ナイジェル・マンセルが1992年に圧倒的な強さを発揮してタイトルを獲得した時のマシン”ウイリアムズFW14B”を、持続可能燃料を使ってデモ走行させた。しかもこの車両は、ベッテルが個人的に所有しているものだ。

 その際、ルノーV10エンジンの圧倒的なサウンドが観客を魅力。ベッテルも、F1は現在のターボエンジン+ハイブリッドシステムのいわゆる”パワーユニット”を追求し続ける必要があるのかと疑問を呈した。

「僕はこの時代のマシンが大好きだ。V10の興奮を感じるのが大好きなんだ」

 ベッテルは走行後にそう語っていた。

「それが別の議論なのかどうかは分からないけど、今後紡がれていく歴史において、より良い選択肢は何なんだろうか?」

「F1をさらに安価にする方法はないのだろうか? 今のエンジンには大金がかかる。それらの開発には、かなりのコストがかかるんだ」

 シンプルで大音量のエンジンをF1で採用するというベッテルの案については、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーなど、多くの人たちから支持を集めた。

 しかしF1の首脳陣は、シンプルで安価なエンジンに戻ることが、F1の健全性を維持するための解決策だとは考えておらず、逆に旧式のエンジンに戻ることで、参戦中の自動車メーカーらを失望させることになるだろうと考えている。

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、ベッテルのコメントについてmotorsport.comに次のように語った。

「彼の言っていることは理解できる」

「しかし多くの参戦メーカーが、非常に効率的なハイブリッドの哲学を支持していることに、我々は強い関心を持っている。ここには、他の要因もあるのだ。燃料消費量、使用している燃料の種類、そしてエンジンの効率などだ」

「効率は依然として大きな要素だ。持続可能燃料を使用した場合でも、高い効率は必要不可欠だ。だから我々は、ハイブリッドのソリューションにこだわっている」

「メーカーにとってもそれは魅力的だ。メーカーはそれを推進し、研究に資金を投じている。現時点で、V10エンジンの開発に資金を投じるメーカーはひとつもないだとう。それは、別のフォーミュラだ。F1ではない」

 ブラウンはまた、新世代のファンが、実際に大音量のエンジンが復活することを切望しているということについても懐疑的だと語った。

「そういう人たちは少し奇妙だと思うという、新しい統計がある」

 V10やV8を”崇拝”するファンについて、ブラウンはそう語った。

「人々は様々なことを好む。マシンがサーキットを走り回っている間に、グランドスタンドで会話できるということをとても気に入っているというファンも多くいるはずだ。彼らにとっては、(エンジンの音が大きいことは)それほど重要ではない」

「我々はV12の轟音を聴くのを好んだ時代からやってきた。でも、それは耐えられないほどのモノだった。当時のエンジンがどれほど騒々しかったか、皆さん忘れてしまったのだろう」

 
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