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唯一無二のデザイン。F1の歴史の中で生まれた”超”攻撃的マシン”5選”

F1の70年以上にもなる歴史の中では、独特な形状のマシンが多数生み出された。結果に繋がったモノも、繋がらなかったモノも……それらのマシンの中から、特に”独特な”マシンを紹介する。

The controversial fan on a Brabham BT46B Alfa Romeo

The controversial fan on a Brabham BT46B Alfa Romeo

Ercole Colombo

 まもなく各F1チームの2022年仕様ニューマシンが公開される。今季はテクニカルレギュレーションが大変更されるということもあり、一体どんなマシンが登場するのか……例年以上に大きな注目が集まっている。

 これまで各F1チームは、ライバルを少しでも出し抜こうと様々なアイデアを考え出し、マシンに実際に投入してきた。大きなレギュレーション変更が行なわれるタイミングならなおさら。前回のレギュレーション大変更が行なわれた2009年には、その隙間を突いてブラウンGPがマルチディフューザーを登場させ、圧倒的なパフォーマンスを発揮した。

 ただ圧倒的なパフォーマンスを発揮したモノもあるが、特異な見た目だったり、それまで見たこともない機構を備えたマシンも……。そのうちのいくつかをご紹介していこう。

■ブラバムBT46B

Niki Lauda, Brabham BT46B

Niki Lauda, Brabham BT46B

Photo by: Sutton Images

 ブラバムが1978年の第8戦スウェーデンGPに登場させたBT46Bは、まさに特異なマシンだった。

 同年のブラバムは、ニューマシンBT46を第3戦南アフリカGPから登場させた。しかしマリオ・アンドレッティとロニー・ピーターソンのコンビが”78”を走らせたロータスの前に苦戦。ニキ・ラウダとジョン・ワトソンを持ってしても、表彰台がやっとという状況だった。

 しかし第8戦スウェーデンGPに登場したアップデートバージョンのBT46Bは、予選こそポールポジションを獲ることはできなかったが、決勝レースではラウダが圧倒的なパフォーマンスを披露し、トップチェッカーを受けた。

 このBT46Bのリヤには、巨大なファンが取り付けられていた。このファンはエンジンを動力源にしていて、高速で回転。これによりマシンの床下の空気が後方に吸い出され、車体と路面の間の気圧が低くなり、ダウンフォースを生み出していたのだ。

 当時は、車体と路面の間に負圧を生じさせ、ダウンフォースとして活かす”グラウンド・エフェクト”が威力を発揮し始めた頃。前出のロータス78は、その最初の成功例とも言えた。しかしこのロータスのグラウンド・エフェクトは、走行することによって生じるモノであり、速度に応じてダウンフォース量が変化。低速域ではダウンフォース発生量が少なかった。

 一方でBT46Bは、巨大ファンにより能動的にダウンフォースを発揮。つまり、低速でも安定してダウンフォースを使うことができ、コースの全域でその効果を享受することができたわけだ。

 このBT46Bは”ファンカー”と呼ばれ、今でもファンの記憶に強烈に残っている。しかし実際のグランプリを走ったのはスウェーデンGPの1戦限り。ファンが小石などを後方に飛ばすため、危険だと他のドライバーから苦情が相次ぎ、さらにライバルチームも猛抗議……結局次戦以降は使用が禁止されることになった。

 BT46Bは1戦1勝……つまり勝率100%で、表舞台から退くことになった。

■ティレルP34

Jody Scheckter, Tyrrell P34-Ford

Jody Scheckter, Tyrrell P34-Ford

Photo by: Motorsport Images

 ティレルは1976年シーズンに、前代未聞のマシンを登場させた。車輪の数は合計6……あまりにも有名な6輪車である。

 当時のF1マシンは、直線スピードを伸ばすために、空気抵抗を減らそうと各チームが躍起になっていた。そしてマシン形状にも、様々な工夫が凝らされた。

 ただ最も大きな空気抵抗となるのが、タイヤである。そのため、タイヤのサイズを小さくしたいが、小さくしてしまえばその分タイヤには大きな負荷がかかるわけで、単純に小さくすればいいというわけではなかった(当時はタイヤのサイズに関するレギュレーションはなかった)。

 ティレルはここに目をつけ、フロントタイヤを小径化した上、左右に1本ずつ追加。前輪が4輪、後輪を2輪の合計6輪とすることにした。前輪のタイヤを増やすことで、空気抵抗を減らしつつも、タイヤへの負荷を分散させたのだ。

 このP34はデビュー戦でダブル入賞。第3戦アメリカGPでは、パトリック・デュパイエが3位表彰台を手にした。そして第7戦スウェーデンGPでは、ジョディー・シェクターが優勝、デュパイエが2位に入り、1-2フィニッシュを手にした。

 結局このシーズンのティレルはコンストラクターズランキング3位。12回の表彰台を獲得した。

 P34は翌年も走り、優勝こそできなかったものの、4回の表彰台を獲得するなどした。

 現在はレギュレーションにより6輪車を登場させることはできないが、フェラーリやマーチ、ウイリアムズなども6輪車を開発。実戦投入することを目指していた時期もあった。

■メルセデスW196

Juan Manuel Fangio, Karl Kling, Mercedes-Benz W196.

Juan Manuel Fangio, Karl Kling, Mercedes-Benz W196.

Photo by: Motorsport Images

 F1マシン、そしてフォーミュラカーといえば、タイヤが剥き出し……そういうクルマのことを指すのが一般的だ。ただ、そうではないマシンも存在する。その代表例が、メルセデスが1954年に登場させたW196である。

 メルセデスは、1954年からF1にデビューした。その初戦フランスGPでは、予選で1-2を独占し、決勝も1-2フィニッシュ。結局この年は6戦を走り、ファン-マヌエル・ファンジオが4勝を挙げた。

 W196には複数のバリエーションがあった。フォーミュラカー然としたオープンホイールの仕様も存在したが、モンツァなど高速サーキットでは、ストリームラインと呼ばれる、タイヤまでをカウルで覆ったマシンを走らせた。

 W196は翌年も走り、ファンジオが4勝、スターリング・モスが1勝。やはり圧倒的な強さを誇った。

 このタイヤを覆う形状のマシンは、他のチームも追従しようとしたが、後に使用が禁止され、現在に至っている。

■ロータスE22

Romain Grosjean, Lotus E22

Romain Grosjean, Lotus E22

Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images

 2014年にロータスが登場させたE22も、特異な形状を持つマシンだった。ノーズの先端が二股……まるでクワガタムシか、フォークのような形状だったのだ。

 同年のF1は、レギュレーションによりノーズの先端が高さが大きく引き下げられ、高さ185mmの位置に存在しなければならないとされた。これは、Tボーンクラッシュが発生した時にドライバーを守ための、安全性を考えた規則であった。このレギュレーションを満たすため、各チームは様々な解決策を模索し、高く持ち上げたノーズから細い棒状の物体を前方に伸ばしたり、ノーズを2段形状にしたりと、色々な形をしたF1マシンが生み出された。

 ロータスはその中でも、独特の解決策を講じた。ノーズの先端を二股にし、一方だけを長く伸ばして、前述の高さに関するレギュレーションを満たしたのだ。中央部分に関しては、フロアに綺麗な気流を導くために、障害物を置きたくなかった。ノーズ先端を片一方だけに設けるということもできただろうが、それでは空力的なバランスという面では適当ではなかったのだろう。

 このマシンはロマン・グロージャンとパストール・マルドナドがドライブし、結局入賞3回という結果に終わっている。

■エンサインN179

Derek Daly, Ensign N179

Derek Daly, Ensign N179

写真:: David Phipps

Derek Daly, Ensign N179

Derek Daly, Ensign N179

写真:: David Phipps

2

 特異な外観と言えば、このマシンを外すことはできないだろう。エンサインN179である。

 通常ならばラジエターやオイルクーラーは、サイドポンツーンにレイアウトされる。しかしこのN179は、これらの冷却機器をノーズの先端に配置してきたのだ。

 傍目にも、空力性能に悪影響を及ぼしてしまうのではないかという風に見えるN179。ただこれは、グラウンドエフェクト効果を高めようとしたモノであった。

 しかし思ったような効果を発揮することはできなかった。冷却性能は低く、デビュー戦となった南アフリカGPではオーバーヒートに見舞われた。また、グラウンドエフェクト効果も、思ったほどではなかった。

 結局ラジエターはサイドポンツーンに移され、”通常のF1マシン”の形状となった。ただパフォーマンスは優れず、予選落ち多数。完走したのは第9戦イギリスGPのみで、13位(パトリック・ガイヤール)のみだった。

 
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