セーフティカーをめぐる、”奇妙な指示”に周回遅れのドライバーたちも困惑。ベッテル「判断が遅すぎた」

タイトル争いに関与していないドライバーたちは、F1アブダビGP終盤のセーフティカー走行中に出された指示に戸惑ったと認めた。

セーフティカーをめぐる、”奇妙な指示”に周回遅れのドライバーたちも困惑。ベッテル「判断が遅すぎた」
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 2021年シーズンの最終戦アブダビGPは、レース終盤にセーフティカー(SC)が出動。レース展開だけでなく、タイトル争いにも大きな影響を与えた。敗色濃厚だったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に、ルイス・ハミルトン(メルセデス)をオーバーテイクするチャンスが訪れたのだ。

 ハミルトンとフェルスタッペンの間には、周回遅れのマシンが5台挟まっていた。7位から11位を走行していたランド・ノリス(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)だ。

 SC出動時には通常、事故処理が終了した後に周回遅れのマシンにSCを追い越す許可が出され、隊列が整理される。しかし今回、レースコントロールは当初、周回遅れの車両にSCを追い越す許可を出さなかった。

 ところがその後、レース再開直前になってハミルトンとフェルスタッペンの間にいた5台に対して、SCを追い越すよう指示が出された。これによって、フェルスタッペンはハミルトンのすぐ後ろでリスタートに臨むことができた。

 SCがファイナルラップを前に退出し、レースが再開されると、フェルスタッペンはタイヤのアドバンテージを活かしてハミルトンをオーバーテイク。レースの勝利と、タイトル獲得を決めた。

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 レースコントロールの異例の判断に対し、メルセデスはレース後に抗議を行なったが、周回遅れのドライバーたちにとっても、驚きの判断だったようだ。

「僕は(SC追い越しが許可されたのが)マックスまでの3~4台だけ(実際には5台)だとはしらなかったんだ」

「もちろんそれはファイトをさせるためであり、TVのためでもあるし、結果のためでもある。それが公平だったかどうかは、決められることじゃない」

「(SCを追い越して)行かせてもらえるときもあれば、そうじゃないときもある。半々なんだ。でも、彼ら(レースコントロール)は僕たちを通さないと言っていた。つまり、あれは『最後まで通すつもりはない』というメッセージだと僕は思っていた。でも最終ラップに突然、しかも1周だけの勝負のためにそれをやってしまったのだから、ちょっと驚いたよ」

 アロンソは「SCが出た時は、すぐにそれをオーバーテイクできると思っていた。通常はそうなるからね」と語った。

「SCのグリーンライトを見て、レースコントロールがSCを退けるまでに(SCを追い抜いて)アンラップするんだ」

「でもそのグリーンシグナルは出なかった。2周後にエンジニアから『アンラップはできない。ポジションはこのままだ』と言われてしまった」

「コーナーをひとつ通過した後、グリーンライトが点灯したから僕は『でも、グリーンライトが点いているよ?』と言ったんだ。すると『そうそう、今ならできるよ。ノリスについていくんだ』と言われた。だからちょっと混乱していたのかもしれないね」

 ベッテルは、レースコントロールがメッセージを出すのが遅かったと考えている。

「僕は遅すぎたと思う。他のタイミングですぐに僕たちを前に出すべきだった」と彼は語った。

「言うまでもなく、上位で戦っている人たちがいた。だからとにかく道を空けなければならなかった。何だったのか分からない。僕たちにとっては残念だった。なぜなら(他車との距離が)バラけてしまって、レースができなかったからだ」

 SCの前に出されたドライバーたちも混乱していたが、フェルスタッペンの後ろ、周回遅れの12番手を走っていたダニエル・リカルド(マクラーレン)も同じく混乱していた。

 リカルドはSCを追い越すことができず周回遅れのまま、後ろには同じく周回遅れのランス・ストロール(アストンマーチン)と、3番手のカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が続いていた。

「(SCを)オーバーテイクしないというメッセージが出ていたから、混乱した」

 そうリカルドは振り返った。

「僕は頭の中で『大丈夫そうだな』と思っていた。フェアだと感じていんだ。ルイスがあれだけリードしていたし、マックスは新しいタイヤを履いていたので、そのままリスタートするなら彼は何台か交わしていかなければならないと思っていた」

「その後、何台かのクルマが追い越していくのが見えたので、『どうしよう。追い越そうか』と考えていたら、トム(スタラード/レースエンジニア)が『いや、君はそこにいなくてはいけない』と言ったと思う」

「だから僕は、文字通り最終ラップ(のバトル)を最前列で見ることができるんだ。しかも、僕は新しいソフトタイヤを履いていたので『ふたりともパスしちゃうか?』って感じだった。いや、冗談だけどね」

「正直なところ、ちょっと言葉が出ないね。どういう経緯でそうなったのか見てみたいよ」

 なお、メルセデスはSC解除時の手順がF1スポーティングレギュレーションに違反していると主張し抗議していたが、スチュワードは抗議を棄却している。

 
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