7年半ぶりF1公式セッション出走のクビサ「楽しめなかったけど満足」
ロバート・クビサは、ウイリアムズのマシンは「楽しくない」と認めるも、久々のセッション出走に満足していると語る。












ウイリアムズのリザーブドライバーを務めるロバート・クビサが、スペインGPのフリー走行1回目に出走した。クビサは今季、3回のフリー走行に出走することになっているが、今回はその1回目ということになる。
しかもクビサにとっては、2010年アブダビGP以来のF1公式セッション出走でもあった。彼は2011年開幕前に出走したラリーで事故に遭い、大怪我を負った。一時は再起は難しいとみられていたが、奇跡の復活を果たし、今回の出走に漕ぎ着けた。
クビサはこのセッションで19番手。首位だったバルテリ・ボッタス(メルセデス)からは3.362秒遅れだった。ただ、ウイリアムズのレギュラードライバーであるランス・ストロールは、クラッシュした影響もあり、最下位の20番手に終わっている。
「楽しかったと言うのは難しい。マシンのバランスは非常に悪かったし、ドライブするのも難しかった。楽しむのは難しいことだった」
そうクビサは語った。
「でもその一方で、セッションを走ることや、困難な状況やバランスに対応したことについては、満足している」
「19番手で満足できるなんてことは、不思議なことかもしれない。でも実際に、僕は満足している」
「楽しむためには、ドライビングスタイルに合ったマシンがあり、ドライブする余裕を持っていなければならない」
「多くの場合、残念ながら僕らは、コースを回るだけのポジションにいる。そして僕はマシンをドライブしていない。これは楽しいモノじゃない。厳しい仕事だ」
「奇妙に聞こえるかもしれないというのは分かっている。しかし4秒も遅れるのも厳しい仕事だけど、0.1秒や0.2秒を争うのも難しい仕事だ」
「僕らが置かれている立場はそれ以上だ。起きていることに合わせてマシンをドライブするんだ。何かが起こるまで、どうなるかは分からない。そして、その後マシンに反応するんだ。それは難しい仕事だ」
クビサ曰く、ウイリアムズは何が問題か、その原因を正確に理解しているという。そして、それをより理解し、改善し、完全に解決するために必要なプロジェクトも、すでに始まっているようだ。しかしながらそれは、数日や1カ月で完了するようなものではないと、クビサは語る。
「奇跡が起きることはないだろう。しかしバクーのように、我々のマシンにとっては良いコースもあるはずだ」
そうクビサは語る。
「バルセロナでは、困難な状況に陥ると予想していた。実際、FP1は予想していたよりもさらに困難だった」
「だから今は、バランスをよりドライブしやすいようにし、レギュラードライバーを助けることを目指している。しかし、パフォーマンスはまた別の話だ」
クビサは、久しぶりのセッションについて「もっと感動すると考えていた」と認めた。
「長い間に、このスポーツの外にいるのが、普通になってきていた」
クビサは、昨年久々にF1をテストした時の方が、感動的だったようだ。
一方でストロールよりも速いタイムを記録できたことに励まされたかと尋ねられたクビサは、次のように語った。
「いや。僕は自分の価値を知っている。ラップタイムを見る必要はないよ」
Additional reporting by Roberto Chinchero