新レギュレーション導入2年目で、早くも接近戦増加の効果は激減! FIAは2025年に向け規則再調整を検討中

2022年のF1のテクニカルレギュレーションが一新され、接近戦がしやすいマシンになるよう調整が進められた。しかし既にその効果は失われつつあるため、FIAは2025年シーズンに向け、空力面での調整を行なう準備を進めているようだ。

George Russell, Mercedes F1 W14, Sergio Perez, Red Bull Racing RB19

 F1は2022年にテクニカルレギュレーションを大幅変更。グラウンド・エフェクトカーを復活させ、後方に乱流を発生しにくく、さらに乱流の影響を受けにくいマシンにすることを実現した。

 実際2022年シーズン当初はこの効果がはっきりと現れ、接近戦が以前よりも増える形となった。しかし、新レギュレーション導入2シーズン目の今季は、すでに前を行くマシンに接近しにくくなっていることが報告されている。

 2023年マシンの性能を分析したところ、前を行くマシンのすぐ後ろを走った時に失うダウンフォース量は、2022年初頭に達成したモノよりも50%も減ってしまっているという。

 これは先週末に行なわれたイタリアGP後のフェラーリのカルロス・サインツJr.のコメントを裏付けるモノである。

「2021年や2020年ように、前を行くマシンに近付くのが、難しい状況になり始めている」

 サインツJr.はそう証言している。

 来年は状況がさらに悪化する可能性も考えられるが、今から各チームに変更を通達するのは遅すぎるため、FIAは2025年に向けて調整することを検討している。

 FIAのシングルシーター部門のテクニカルディレクターであるニコラス・トンバジスはmotorsport.comイタリア版の独占インタビューについて、空力性能の低下がいかに重大であるかを語った。

「2021年のF1マシンを例に挙げると、前のマシンから2車身以内に近付くと、ダウンフォースの50%以上が失われていた」

 そうトンバジスは説明した。

「2022年のシングルシーターでは、20%しかダウンフォースは失われていなかった。しかし、現在は約35%だ。確かに悪化している。カルロスの言うことは正しい。我々はどんな行動をすべきかを特定した」

 トンバジスはこの問題に対処し、空力特性を改善するために、2025年まで十分な時間をかけて取り組むことになるだろうと語る。

「我々は2025年に向けた解決策を研究中である」

 そう彼は説明した。

「フロントウイングの翼端板、フロアの側面、ホイール内側のフィンなど、この問題に作用するマシンの部位を特定した。これらについては、もう少し制限的なルールを設けることもできる」

「2022年のアドバンテージがもうないのは明らかにであり、そのためにやるべきことがあるのは承知している」

 マシンが追従しにくくなったのは、各チームがアウトウォッシュ性能を増すべく開発に取り組んだ結果であり、この開発の結果マシンとタイヤから空気の流れが強制的に遠ざけられることになった。

 ダウンフォースをうまく発生するためには、乱れの少ない空気が必要。つまりダウンウォッシュの傾向が強まれば強まるほど、マシンが接近しにくくなる。

 トンバジスは、マシン開発が進むとレースに悪影響が及ぶ可能性があることを認めつつも、全てにFIAが介入できるわけではないとも語る。

「レギュレーションでは、マシンの気に入らないことに対して、我々が行動を起こすことは認められていない。空力のレギュレーションに関する解釈においては、気に入らない部分はいくつかある。しかし何かを変更するためには、手続きが必要になるだろう」

「特に物事を変えようとしたこともあったが、常に望んだ結果が得られたわけではない。レギュレーションの90%は、我々が望んだモノと一致している。後から考えると、別の方法でやっていればよかったと思うことが10%はあるのだ」

 

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