【F1】F1分析:リバティ就任から半年。F1のファン層は広がったのか?

リバティ・メディアがF1の新オーナーに就任してから半年が経過。彼らの取り組みは成功したのか、motorsport.com記者らが分析した。

 リバティ・メディアがF1のオーナーになって以来、ソーシャルメディアの利用やファンイベント開催などを含め、彼らは様々な取り組みを行ってきた。その取り組みは成功だったのか? 目的は果たせたのか? motorsport.comの記者ケイト・ウォーカーと、専門家たちが分析を行った。

”コアなファン”以外からの意見も重要

 リバティ・メディアがオーナーになってからというもの、”マーケティングリサーチ”という言葉は、F1におけるひとつの流行語のようなものになっていた。彼らはF1の市場価値をあげようとするだけではなく、ロンドン中心街で開催した『F1ライブ』のようなイベントを通して、F1のファン層をもっと広げようと一丸となっている。

 ニールセン・スポーツは、消費者行動のリサーチ、メディア消費、それらに関係したデータ分析におけるグローバルリーダーである。motorsport.comでは、ニールセン・スポーツのヨーロッパのモータースポーツ代表であるサマンサ・ランベルティ、同社のグローバル・モータースポーツのSVP(副社長)であるナイジェル・ギーチに、F1グランプリをPRするための最適な方法について見解を尋ねた。

 2017年のF1シーズン開始時に、モータースポーツ・ネットワークでは世界中のファンに調査を行ったが、その際に調査結果を立証し、分析したのがこのニールセンである。2015年に行った調査では、ハードコアなファンはF1に満足していないということが分かったが、今年の調査では、F1が健全に改善しているということがあきらかになった。

 2017年のF1は、2年前にファンが考えていた以上に、”よりエキサイティングで、コンペティティブで、一流……つまりそれほど退屈ではなく、頽廃もしておらず、危機的でもない”と見受けられているという。今日我々が目にしているような成長が、その基礎になっているという。

 2017年の調査は包括的な調査であった。194の国々から20万人以上の回答を得て、F1はポジティブな転換を経験してきたと公では認識されていることがわかった。しかしギーチは、この調査の本質は、ある程度は自分の意志で選んだものであるということにあると説明した。

「この調査を受ける人は、少し気をつけなければならない」

 ギーチはそう話した。

「この調査で我々は、常にF1に注目している人々と対話していたのだ」

「注目しなければいけないのは、普通の消費者、社交的な消費者、何かの理由でファンではなくなった人々だ。そういう意味では、ソーシャルメディアはものすごい機会だと私は考えている」

多くの人に”価値あるF1”とは?

 シーズン開幕前のテストでリバティメディアは、ソーシャルメディアへのコンテンツ投稿に関する規制を緩和した。それまでは有料放送以外では、ビデオコンテンツをSNS上に投稿することが禁止されていた。参戦しているチームやドライバーであってもだ。しかし今年の2月からは、ファンがF1シーンの裏側を多少なりとも見ることができるようにと、チームやドライバーがスナップチャット、フェイスブックのライブフィード、インスタグラムのストーリーなどを製作することが奨励されてきた。

 F1のYouTubeの公式チャンネルやフェイスブックでは、トラック上もしくはトラック外でのレースウィークのハイライト映像が公開されており、見ることのできなかった瞬間を見ようとファンがアクセスするための好奇心を掻き立て、オンライン上での存在感を強化している。

 リバティの下でファン層を広げるつもりなら、こういった好奇心を持った個人を捉えることがF1には必要になる。

 またギーチは、「音楽やエンターテインメントに興味を持っている人、そしてライブやコンサートなどに行くことが好きな人々を集めることが重要だ」と語った。

「どうにかしてそういう人々とF1をリンクさせるのだ。ソーシャルメディアはそれを行うためのひとつの方法だ」

 ニールセン・スポーツの功績のひとつは、熱心なファンを対象をするわけではなく、より”自由な”ファンに対して、幅広く調査できることにある。

 ランベルティは、「年に2回、5月と11月に、我々はグローバルなスポーツの調査を行う」と説明した。

「30カ国以上を対象にして、各国1000人にインタビューもする」

「熱心ファンだけでなく、そうでない人々とも話す機会を与えてくれ、なぜファンではないのか、特定のスポーツやイベントへの興味を持つきっかけは何だったのか、ということを理解するのが調査というものだ」

「F1というブランドはとても強力で、象徴的なものだ。多くの人々がレースを見たいと熱望している。しかしこれは長いイベントであり、楽しむには実に高価で、しかも人生にとって必要不可欠なものではない」

「どうやって価値あるものにするのか? どうすればファンではない人々にとって価値のあるものになるのか?」

 ギーチは、その問いの答えはF1自体の活動にあると考えている。

「このコンテンツは、そういう人々や普通のファンを対象にしている。単にクルマに夢中な人たちを狙っているのではない。F1がどのように消費されていくのかを注視する必要がある」

ファン層を広げる最初のステップ

 イギリスGPの前にロンドンで行われた『F1ライブ』というイベントは成功に終わったが、これは普通のファンを対象にしたF1のマーケティング例だ。10万人以上の人々がロンドン中心部でF1マシンが駆け抜けるのを見届けた。またこのイベントは、ソーシャルメディアが活きる可能性に満ちている。ファンは存分に自撮り写真を撮り、すべてのチームもコンテンツを発信したのだ。

 このイベントは、広くメディアでも報道され、シルバーストンで行われたイギリスGPの露出を増やした。そしてサーキットへ観戦に行ったファンと同じくらいの人々を楽しませることになった。

 F1を普通のファンに届けるための最初のステップは、成功していると言えるだろう。

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シリーズ F1
記事タイプ 分析
タグ market research, nielsen