【F1】F1新経営陣、予算制限の導入を検討。マクラーレンは支持

F1の新しい経営陣は、F1の長期戦略の一環として、予算制限制度である”バジェットキャップ”の導入を検討しているようだ。

 F1では過去に数度、各チームの予算制限の導入が試みられてきた。テストの回数やレースに帯同できるチームスタッフ数の制限というような部分的なコスト削減は実施されたが、全体の予算に上限を設定する"バジェットキャップ"は毎回ビッグチームが反対するため、これまで導入されることはなかった。

 予算制限に反対しているビッグチームは、チームが使っている予算を完全に把握することは不可能だと主張している。一方で、当然のことながらビッグチーム、特にメーカー系のチームは豊富な資金を持っているため、チームが持っているアドバンテージを維持したいと考えているのだ。

 しかしながら、F1のマネージングディレクターに就任したロス・ブラウンは、大規模チームと小規模チーム間の戦力差を縮めるため、そして小規模チームを生き残らせるために、支出の削減は取り組むべき問題のうちのひとつだと明らかにした。

 また、ブラウンはチームとF1運営を結ぶコンコルド協定が失効する2020年以降に、F1の賞金分配方法の見直しができると予想している。

「小さなチームが自立できるようにすることは、間違いなく我々が目標としていることのひとつだ」とブラウンはBBCラジオ4に語った。

「チームに支払われる分配金は、チームがまともなマシンを作り、レースをするまでのコストを考える必要がある」

「チームに支払う賞金の分配については、現在の商業契約が切れ、見直されるまでの数年、大したことはできない」

「我々が予算制限を行い、良識のある小規模チームが組織をうまくまとめられれば、予算は”まとも”な額に収まるだろう」

「F1が成功の見込めるビジネスになり、継続してF1に参戦する意義が生まれる。現時点では、F1がそういうビジネスだと確信は持てない。我々はそれを重視していかなければならない」

マクラーレンは予算制限を受け入れる姿勢

 バジェットキャップ(予算制限)に対して、ビッグチームはこれまでも断固として反対してきたが、マクラーレンの新CEOのザク・ブラウンはカレンダーの拡大と合わせて、予算制限がF1の新しい財務構造の一部になることにマクラーレンは賛成していることを明らかにした。

「彼ら(リバティ・メディア)が一晩で(1シーズンに)25レースを行うようにするとは思わない」と、ザク・ブラウンはmotorsport.comに語った。

「今後のF1の方向性や、(コンコルド協定が切れた後の)2021年について話し合う中で、予算制限を導入するという案があり、予算の上限はいくらか、何を予算の中に含めるのか、どうやって予算を管理するのかといった議論が多く行われている」

「私はそれがさらに議論される必要があると思う。しかし、マクラーレンは予算に上限を設けるというアイディアを支持している。それは1年に何レースを行うのか、どこでどうレースをするのかにも関係してくる」

「予算上限の導入を実現するのは簡単ではないが、我々には新しいオーナーがいて、今やF1は彼らのスポーツだ。長い間注目されてきた話題だが、F1の賞金分配はバランスが取れていない」

「みんな同じであるべきだと思っているわけではないが、トップと最下位の格差が大きすぎると思う。それが下位チームが倒産、撤退する理由であり、レースで勝つチームが少ない理由だ」

 ザク・ブラウンは、他のトップチームは予算を制限するというアイデアにおそらく反対するだろうと認めている。

「間違いなく、議論は白熱するだろう」

「多くのお金を得ている人間は、変化に対して最も抵抗する人間になると想像できる。反対に、得ているお金が少ない人は、最も熱心に変化を求める」

「これはホットな話題になるだろうが、現在のF1は誰にとっても健全ではない。我々には健全なF1が必要だ」

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シリーズ F1
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