
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
フェラーリ、スペインでの失速原因は新しいリヤサスペンションか?
フェラーリは、スペインGPで投入した新型のリヤサスペンションが、デグラデーションが大きかった原因だと考えている。

フェラーリは、スペインGPでメルセデスに太刀打ちできなかった原因を探ろうとしている。彼らの最大の関心事は、オフシーズンテストの時に比べて、タイヤの性能劣化が酷かったことにある。
その原因として示唆されているのが、リヤサスペンションだ。フェラーリはスペインGPに、アップデート版のリヤサスペンションを投入した。しかしこれが、タイヤマネジメントに悪影響を与えたのではないかと考えられていて、モナコでは旧型のサスペンションも用いて比較テストが行われるようだ。
フェラーリの新しいリヤサスペンションのアッパーアームは、より高い位置に設けられていて、アップライト側の付け根部分で大きく湾曲する形となっていた。これは、リヤへ抜ける気流への影響を減らし、マシン全体の空力特製を改善することが目指されたものと言えよう。一方、旧型のリヤサスペンションは、アッパーアームのアップライト側の取り付け位置の湾曲が小さい形状となっていた。
新しいサスペンションは、確かにダウンフォースの向上には貢献したかもしれない。しかしその一方で、タイヤのデグラデーションを悪化させた可能性がある。
セバスチャン・ベッテルはモナコGPに先立ち、フェラーリはスペインでの問題点を解決するために、努力を集中させてきたと語った。そして出てきた答えが、リヤサスペンションの形状であると考えられる。その理由は、ベッテルのマシンのリヤサスペンションが、旧式に戻されていたからだ。
ただ、このバージョンを今週末ずっと使い続けるのか、それとも予選と決勝に向けて新型に戻すのかは、現時点では不明である。
「バルセロナで僕らは力強いレースができなかった。これは正しい要約だと思う」
ベッテルはそう語った。
「土曜日はなかなか良い感じだったが、日曜日には少し後退してしまった」
「そういう意味では、火曜日と水曜日のインシーズンテストで、再びレースシミュレーションができたのは、ラップタイムと周回数をさらに理解するためにも、僕らにとっては良かった」
「レース中に弱点となった原因と思われることについて、いくつかのアイデアがある」
「ここモナコは全く異なるタイプのコースだから、関連性はない。しかし、良い方向性を見つけられたかどうかは、時間が教えてくれるだろう」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | モナコGP |
ロケーション | モンテカルロ |
チーム | フェラーリ |
執筆者 | Giorgio Piola |