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F1カナダGPはフェラーリの試金石? マイアミで不発だったアップデートの真価を測る場に

アップデートを持ち込んだマイアミGPが失望の結果に終わったフェラーリ。カナダGPはアップデートの真の成果を見る試金石的なレースとなるだろう。

Charles Leclerc, Ferrari

Charles Leclerc, Ferrari

写真:: Icon Sportswire via Getty Images

 フェラーリにとってF1カナダGPは、アップデートが機能するかどうかを確認するレースであり、シーズンの今後を占う上で試金石となるだろう。

 マイアミGPに大規模な空力・メカニカルアップデートパッケージを投入したフェラーリだったが、ルイス・ハミルトンが6位、シャルル・ルクレールが8位に終わった。

 フェラーリはレギュレーション変更も追い風に、アップデートで大幅な戦闘能力向上を見込んでいたにもかかわらず、実際には目立ったアップデートを持ち込まなかったメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが優勝。マクラーレンとレッドブルも明らかに勢いが増していた。

 そんなメルセデスはカナダGPにおよそ0.2~0.3秒の改善が見込まれるアップデートを持ち込む予定となっており、マクラーレンも先行投入したアップデートパッケージの残り40%分をカナダで完成させるという。

 そのためカナダGPは、今シーズンの重要な分岐点となるかもしれない。このレースで夏休み前までの勢力図がはっきりしてしまう可能性がある。

 フェラーリとしては少なくとも、メルセデスに次ぐ”2番手”の座を維持したいところだ。しかしシーズン序盤に出遅れたマクラーレンが挽回し、フェラーリと16ポイント差に詰め寄っていることから油断はできない。

 フェラーリはマイアミGPからの2週間で、立て直しを図ってきた。データ分析の結果、本来なら大量の新パーツによって発揮されるはずだったポテンシャルを活かし切れていなかったことは明白だった。正確に言えば、「失敗のパーツ」はなかったが、シミュレーションで期待されていたほどの効果は発揮されなかったということだ。

 したがってカナダGPは”追試”のような意味合いを持つ。ストップ&ゴーのレイアウトを持つジル・ビルヌーブ・サーキットで、フェラーリはマイアミでは断片的にしか見せられなかった性能を、しっかり引き出せることを証明しなければならない。

アンチダイブ効果を強化したフロントサスペンション

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写真: AG Galli

 フェラーリSF-26は、テクニカルセクションでは非常に好調で、特に加速時のトラクション性能は大きな武器として際立っている。一方でストレートでは、慢性的なエネルギー回生不足という問題を依然として抱えている。

 カナダGPでは、十分なダウンフォースが確保できれば低ドラッグ(空気抵抗)セッティングが可能となる。効率性と優秀なブレーキング性能は、ここでは非常に重要な要素になる。

 マイアミでは、フェラーリはタイヤが作動温度領域から外れてしまい、とりわけハードタイヤで苦しんだ。またセットアップ面でも問題があり、カナダに向けてはそれらが見直されたとみられている。

 カナダGPは、マイアミで投入された現パッケージの真価を測る場となる。フェラーリのエンジンは、最高出力でメルセデスに22~25馬力劣るだけでなく、エネルギー回生にも明確な弱点がある。その不足を埋めるためにも、カナダでは特に効果的だと見られているFTM(排気管の直後に設けたウイング)や回転するリヤウイング”マカレナウイング”と呼ばれる空力コンセプトが機能しているかどうかは極めて重要となる。

フェラーリの2026年型マシン「SF-26」に搭載されているFTMシステム。非常に複雑で、さらに渦流発生装置(ボルテックスジェネレーター)まで確認された

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写真: AG Photo

 シーズン開幕時、フェラーリのフレデリック・バスール代表は、「最初のレースで最強マシンであることは重要ではない。この選手権は開発競争で決まる」と語っていた。

 その意味でフェラーリは、今回のアップデートパッケージの真の効果を検証することになるのだ。しかもカナダGPでスプリントフォーマットが導入されるのは今季初めてであるため、新パーツ投入チームはたった1回のフリー走行でセットアップを決めなければならない。シミュレーションでの準備が万全なら、フェラーリにはそこがチャンスになりうる。

 各チームの競争力を見る上で、興味深い点がもう一つある。カナダGPは激しい加速を連続で行なうため、燃料消費が非常に大きいレースでもある。バッテリー回生のために積極的に燃料を使うPUが、レース終盤まで十分な”パワー”を維持できるとは限らない。

 これまでこのテーマはほとんど議論されてこなかったが、各メーカー間で”燃料そのもの”による性能差が存在するのかどうかも、非常に興味深いポイントになるだろう。

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