
今年はレギュレーション変更によってマシンの幅が広がり、スピードは上がったものの、結果としてオーバーテイクの回数が減ってしまった。ドライバーは、前を走るマシンに近づくことにも苦戦し、まだブレーキングゾーンが短くなったことも、オーバーテイクを減らす要因となった。
オーストラリアGPと中国GPを分析したところ、今年はDRSゾーンを拡大する必要はないと考えられていた。しかし前回のロシアGPでは、オーバーテイクの回数が極端に少なかったことから、FIAは昨夜、スペインGPでメインストレートのDRSゾーンを100メートル延長することを決めた。
本来の計画では、最終コーナーから157m過ぎた地点にアクティベーションポイントを設置する予定だった。しかし土曜日の朝、最終コーナーから57m過ぎた所よりDRSゾーンとなることがチームに通達された。
DRSゾーンの拡大は、1コーナーでのオーバーテイクの機会を増やす手助けになる可能性がある。しかし、ドライバー全員がこの状況を打破するためにDRSを使うことに賛成しているわけではないという。
現在ドライバーズランキング首位のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、こう話した。
「僕はDRSゾーンを拡大することに賛成できない」
「数年前にDRSを導入した時、(オーバーテイクが)あまりにも簡単になった。前を走るマシンに近づいたら簡単に追い抜くことができるから、そういう場合はいいけど、これはオーバーテイクのアイデアではない」
「伝統的にここの最終コーナーでは、ストレートラインに向けて前のマシンに近づくことが難しい」
「個人的にはもちろん、前のマシンに近づいて、そのマシンを追い抜くために何かしたいと思う。でもオーバーテイクはチャレンジだし、サイド・バイ・サイドになれるような道具を使って前のマシンに追いついたり、追い抜く必要はない。オーバーテイクのためには違うラインを走ったり、違うことをするべきだ」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | スペインGP |
ロケーション | サーキット・デ・カタルニア |
執筆者 | Jonathan Noble |