【F1】FIA、ルノーのリヤウイング支柱構造に警告。チームは再設計へ
ルノーは、FIAからリヤウイング支柱のコンセプトが規則に抵触していると警告を受け、このエリアの再設計をしなければならないようだ。

ルノーF1チームは、ニューマシンR.S.17のリヤウイングを支える支柱の構造がレギュレーションに抵触している可能性があると、FIAから警告を受けた。チームはこのエリアを再設計するようだ。
ルノーは先週ロンドンでニューマシンR.S.17の発表会を行ったが、そのマシンを見たライバルがすぐさま、リヤウイング支柱のデザインについてFIAに問い合わせを行った。
問題となっている支柱は、リヤウイングのメインプレーンを支えるのではなく、ウイングに取り付けられているDRSのアクチュエーター・ポッドにつながっている。
このリヤウイング支柱はF1技術規則第3条9.6で規定されており、第3条9.1が規定する、リヤウイングを含んだエリアに結合されなければならないとされている。
これまでいくつかのF1チームは空気力学的な改善を目的に、リヤウイングと支柱の結合ポイントを前に移動させてきた。
以前のレギュレーションでは、いくつかの手法が見られた。上図左のメルセデスが用いた手法のように、リヤウイング剛性を高めるために支柱をウイング下側にシンプルに結合する手法が最も一般的なモノだった。
しかし上図右のレッドブルや、フェラーリを含むいくつかのチームは、世界耐久選手権(WEC)のような他のシリーズのマシンで見られる、”スワンネック”スタイルの支柱を採用し、空力性能を改善しようとしていた。
しかし、今季のルノーのアイデアはさらにその先を行き、支柱はDRSを作動するアクチュエーターのポッドに直接結合された。
ルノーのウイング支柱が問題になっているのは、技術規則第3条17.1では『DRSの作動に関連する最小のパーツにのみ、支えを取り付けることができる』と規定されているからだ。
ライバルチームが、ルノーのマシンのDRSと支柱の結合部の膨らみは、規則で言及されている『最小のパーツ』から逸脱しているのではないかと考え、これをFIAが支持した形だ。
ルノーは、リヤウイングのメインプレーンと支柱が接するようにデザインを再設計するようにFIAから指示され、シーズンの開幕戦であるオーストラリアGPまでに変更が行われると考えられている。
ルノーのデザインが許可されていた場合、リヤウイングへの干渉を低減することができた可能性が高い。そうなれば、DRSの効果を引き上げることができただろう。
しかしライバルの中には、あまり効果が大きくないとして、ルノーのデザインを問題視していないチームもあったようだ。
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | ルノーF1チーム |
執筆者 | Jonathan Noble |