F1、ルーキーのための”ワイルドカード”参戦のアイデア検討も……導入のハードルは高し
ルーキードライバーを特定のレースで走らせるF1ワイルドカード制度がF1委員会で議題に出たが、導入にはまだ課題が多そうだ。
Andrea Kimi Antonelli, Prema Racing with a member of the Mercedes-AMG F1 Team
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images
F1にワイルドカード制度を導入し、ルーキードライバーにレース出場機会を提供するというアイデアが、チームとシリーズ上層部によって話し合われたようだ。
motorsport.comの調べによると、7月23日(火)に行なわれたF1委員会の会議では、ワイルドカード制度を導入するメリットがあるかどうかが評価項目の1つに挙げられていたという。
若手ドライバーやルーキードライバーにF1でのレース経験を積ませる機会を提供することが導入のきっかけになると考えられており、ワイルドカードは例えばMotoGPのように、他のカテゴリーではうまく機能しているアイデアだ。
しかし、F1にワイルドカードを導入するのははるかに複雑。財政面や物流面を考慮すると、チームが3台目のマシンを投入する余地はゼロに等しい。
第一に、F1チームは予算上限が規制された中で運営されている。多くのチームがすでに予算の中で四苦八苦しながら戦っているため、サードカーを走らせる金銭的な余裕はない。
またロジスティクス的にも無理があるだろう。チームが準備するマシンが2台から3台に増えるだけでも果てしなく複雑となるはずだ。マシンを走らせるための人員や、すでに限られているピットレーンのガレージスペースを考慮すればなおさらだ。
ワイルドカードシステムがF1で機能する唯一の方法は、若手ドライバーがレギュラー1人の代役を務めることだろう。
F1委員会で提案された趣旨は、このドライバーを入れ替えるアイデアだと理解されているが、それはチームにとってもファンにとっても良い行動ではないという結論がすぐに出たようだ。
現状、マックス・フェルスタッペンやルイス・ハミルトン、ランド・ノリスといった人気ドライバーであっても、年に1回フリー走行をルーキーにマシンを譲り、セッションを欠席しなければならない。これを週末全体に拡大するのは行き過ぎだと考えられている。
ワイルドカードのアイデアはひとまず棚上げされたものの、F1とチームはルーキーにより多くの走行機会を与える方法を検討したいと考えている。これはフリー走行への参加回数を増やすことで可能になるかもしれない。
また、サウジアラビアGPでカルロス・サインツJr.の代役としてフェラーリからF1デビューしたオリバー・ベアマンのように、チームのベテランドライバーが体調不良のため若手にレースのチャンスを与えることもある。
MotoGPには以前からワイルドカード制度があり、メーカーが年間を通じて特定のイベントでマシンを追加しライダーを走らせてきた。
その主な目的は、地元のライダーがホームイベントで走れるようにすることだったが、最近ではテストライダーがワイルドカードで参戦し、レース環境でのデータを収集している。
現行制度では、前シーズンに獲得したポイント数に応じて各メーカーが格付けされるコンセッション(優遇措置)システムにワイルドカードを紐づけている。
2024年シーズンは、前年王者ドゥカティはワイルドカードでのエントリーができないが、KTM、アプリリア、ホンダ、ヤマハには6名分のワイルドカード枠が与えられている。
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