ハイパーソフトタイヤ再投入に向け、カナダGPが重要なテストケースに?
今週末に行われるカナダGPは、今季新投入のハイパーソフトタイヤの後半戦での使用を検討する上で、重要なテストケースになるという。






ピンク色のマーカーが施されたハイパーソフトタイヤは、今季から新たに登場した”最も柔らかい”タイヤである。そして、先日行われたモナコGPで、初めて実戦投入された。このレースは、ハイパーソフトをうまく使った者、そして逆に全く使いこなせなかった者の二極に分かれた。
このハイパーソフトタイヤは、今週末のカナダGPにも投入されることになっている。カナダGPの舞台となるジル・ビルヌーブ・サーキット(モントリオール)は、コース特性はモナコとは大きく異なる部分が多いものの、路面のμ(摩擦係数)が低く、最も柔らかいタイヤが持ち込まれることが多い。
このカナダGPについてピレリは、ハイパーソフトタイヤの性能・特性をしっかり見極めるためにも、非常に重要だと考えているようだ。
「カナダでは、ハイパーソフトタイヤの挙動を理解することが重要だ」
ピレリのカーレーシング責任者であるマリオ・イゾラは、そうmotorsport.comに対して語った。
「それによって、シーズン後半のいくつかのレースに、ハイパーソフトタイヤを持ち込メルかどうかが分かるだろう」
「タイヤを走らせる度に、何かを学ぶことができる。今では、サーキットでのハイパーソフトタイヤに関する知識を手にしている。すでにテストをしたアブダビやバルセロナではない」
「しかし、モンテカルロはとても難しいコースだ。結論を出すのは間違いではないが、より多くの情報を集める必要がある」
「カナダはまた、異なる特性を持ったサーキットだ。例えば、トラクションはより重要になる。だからフロントよりもリヤのデグラデーション(性能劣化)について理解する必要があるんだ」
イゾラは、モナコでもハイパーソフトタイヤのパフォーマンスについて、驚くべきことはなかったと語る。予選でトップ10に入ることができなかったドライバーの多くは、スタート時にハイパーソフトタイヤを履くのを避けた。特にメルセデスはハイパーソフトに苦しみ、ルイス・ハミルトンに至っては、わずか12周でピットに入り、ハイパーソフトタイヤを”捨てる”決断を早々に下すほどだった。しかし一方で、40周近くをこのハイパーソフトタイヤで走破したピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)のようなドライバーもいた。
「グレイニングが発生したのは、意外なことではない。特に気温が涼しく、燃料を多く積んでいる時には、ハイパーソフトはグレイニングが発生する傾向にあった。正直に言って、その傾向は我々の予測とほぼ一致していたし、木曜日にはそういうデータも得ることができた」
「ハイパーソフトタイヤは、公道コース向けに設計されている。それはかなり極端だ。グリップのレベルとラップタイムから、それを見ることができる」
「11月に行われたアブダビでのテストや、シーズン開幕前のバルセロナのテストでは、ハイパーソフトタイヤのグリップがかなり高いことが分かった。ドライバーたちはグリップが変わったことを感じ、そしてデグラデーションが変わったことも感していた」
「シーズン前テストで最も多かったコメントは、『セクター1と2でのグリップは素晴らしい。でもセクター3ではデグラデーションを感じ始める』というものだった。(カタルニア・サーキットの)セクター3は、トラクションを必要とする区間だ。だからこれは、非常に柔らかいタイヤにとっては正常な挙動だと言える」
「モントリオールでは、より多くのデータを手にすることができるだろう。そのデータは、我々が今後どこのサーキットで、このハイパーソフトタイヤを使うことができるのか、それを理解する上で非常に重要となるだろう」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | カナダGP |
ロケーション | サーキット・ジル・ビルヌーブ |
執筆者 | Adam Cooper |