ダニエル・リカルド、ギヤを2速使えない状態でモナコGPを制す
モナコGPを制したダニエル・リカルドは、複数のギヤが使えないという困難な状況の中での走りだったことが明らかになった。

モナコGPをポール・トゥ・ウインで制したレッドブルのダニエル・リカルドは、8速のギヤのうちふたつを使えない状態でレースを走りきったこと明らかにした。
ポールポジションからスタートしたリカルドはレース序盤、2番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対しリードを築いていった。しかしレース中盤、リカルドは無線でパワー不足を訴え始めると、ベッテルに対するリードはみるみるうちに縮まっていった。
実際にストレートでのスピードは、ライバルより20km/hも劣っていたリカルド。しかしベッテルの脅威に耐え、勝利を手にすることになった。
リカルドは2年前のモナコGPもポールポジションからスタートした。しかし、ピットストップ時にタイヤの用意が間に合わないという信じられないような事態に見舞われ、ほぼ手にしていた勝利を手放すこととなった。
「2年かかって、ようやく手に入れた」
リカルドはレース後にそう語った。
「ついに取り戻したと感じるよ」
「僕らはレース中、対処すべき多くの問題を抱えていた。レースの折り返しを迎える前に、僕はパワー不足を感じた。その時、僕のレースは終わったと思った」
「僕は6つのギヤだけでレースを走りきった。チームのおかげで、僕は勝機を取り戻したんだ」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、レース終了後にリカルドを、シューマッハーの例を例えて称えた。シューマッハーは1994年のスペインGPで、5速にスタックしたベネトンのマシンを2位に導いたことがあったのだ。
「シューマッハーと同じことをやってのけた」
そうホーナーは語った。
「これは2016年に逃したモノを取り戻した」
なおホーナーはリカルドに起きた出力の問題は、MGU-Kに起因するモノだったと示唆しているようだ。
またレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、リカルドの勝利を「信じられない」とし、他のドライバーだったら、絶対に不可能だっただろうと語った。
「深刻な問題だったが、彼はそれをマネジメントしてみせた」
マルコはSkyスポーツにそう語った。
「信じられないことだ。他のドライバーだったら、それができたとは思えない」
「我々は緊張していた。なぜなら、最初はマシンはさらに減速するように見えたからだ」