【F1】motorsport.comが選ぶ2016年のトップ10ドライバー:Part 2
今年のF1シーズンが終了し、motorsport.comのジャーナリスト/エディターが今年のトップ10ドライバーを選考した。
Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W07 Hybrid leads at the start of the race
XPB Images
2016年のF1は、メルセデスの2台が21戦19勝、20ポールポジションという圧倒的な強さを見せつけた。熾烈を極めたチームメイト同士のチャンピオン争いは、最終戦アブダビGPで決し、ニコ・ロズベルグが嬉しい初めての、そして最後となるチャンピオンに輝いた。
チャンピオンを獲得したロズベルグは、電撃的にF1からの引退を発表してしまったし、アブダビGPはルイス・ハミルトンがチャンピオン獲得を目指し、執念を見せたレースだった。彼の行動に賛否はあるだろうが、レースをしているドライバーも人間なのだと、改めて思い知ることになったレースと言えるだろう。
さて今回、シーズンを戦い抜いたドライバーたちの中から各国のmotorsport.comのジャーナリスト/エディターたちがトップ10を独自に選考した。その後半、トップ5をご紹介する。
前半:【F1】motorsport.comが選ぶ2016年のトップ10ドライバー:Part 1
5. カルロス・サインツJr.
トロロッソ, ランキング12位
「マックス・フェルスタッペンがトロロッソからレッドブルに昇格したため、カルロス・サインツJr.は昇格の道が絶たれてしまったが彼はシンプルに頑張っていた。モナコで表彰台に届きかけるなど、素晴らしいパフォーマンスを発揮していた。2017年は良いマシンを与えられるべきだ」ジョナサン・ノーブル:F1エディター
「先頭集団で戦っていないドライバーに注目するのは、常に難しいことだ。サインツは彼個人のパフォーマンスという点で、素晴らしいシーズンを過ごした。トロロッソは一年中各サーキットのストレートで苦しんでいたが、それが彼のパフォーマンスを引き立たせた。彼はマシンの能力以上の良い結果を得るに値するし、2017年は何か変化があることを望んでいる」パブロ・エリサルデ:ニュースエディター
「サインツが来季トップチームのシートに座れなかったことは、ドライバー市場が急速に閉まったことを考えれば驚くべきことではない。しかし、チームマネージャーたちは彼の価値を知っている。フェルスタッペンがレッドブルに昇格した後も、昇格へのしばらく道が閉ざされたにもかかわらず(ダニール)クビアトとは違って打ち負かされたように見えなかった。彼はグリッド中団の、非常に安全なベンチマークだ」ギョーム・ナバーロ:エディター, フランス
4. ニコ・ロズベルグ
メルセデス, チャンピオン(9勝)
「彼の最後の4レースはそれほど印象的ではなかったが、もしルイスがシーズン中に抱えていたすべての問題がなかったらどうなっていたか、という議論は意味がない。ロズベルグは結局、タイトルを獲得するために必要なことを全てやった。今年の彼は間違いなく今まででベストだった。疑いの余地なく、価値のあるチャンピオンだ」オレグ・カルポフ:F1レポーター, ロシア
「ハミルトンがシーズンの中盤でタイトル争いに復帰してきた時、ロズベルグは重要な部分で崩壊しなかった。ベルギーから日本までの流れは印象的だったが、アブダビではタイトルを獲得するというプレッシャーもあった。ハミルトンは2016年少々アンラッキーだったかもしれないが、ロズベルグがワールドチャンピオンに値しないと言っているわけではない。単に、今年がロズベルグの年だったということだ」アンドリュー・レーウェン:エディター, オーストラリア
「シーズンを通してベストを尽くすために必要なことは全てやったが、最終戦ではタイトル争いのプレッシャーで、”本当のロズベルグ”ではなかったと彼も認めていた。結局のところ、それが彼を引退に駆り立てたものだ」ノーブル
「ロズベルグがタイトルにふさわしいかどうかについて、議論する必要はない。彼はチャンピオンであり、チャンピオンにふさわしい。ロズベルグは彼に与えられたチャンスを全てつかんだし、ヨーロッパGPのように、いくつかのレースではハミルトンよりも強かった。そのことを言ったら少なくとも(レッドブルとフェラーリの)他の4人のドライバーがロズベルグのような状況だったら、タイトルを獲得しただろうかと考える衝動に駆られる」エリサルデ
3. ルイス・ハミルトン
メルセデス, ランキング2位(10勝)
「決して変わることがないこと、それはハミルトンがベストのときは、彼が破壊的に速いことだ。彼の陰謀説は見当違いかもしれないが、今シーズンのメカニカルな大失敗によって彼がタイトルを失ったことは間違いない。信頼性が重要な時代において、10勝したにもかかわらずタイトルを逃したことをアンラッキーだったと考えるのは当然だ」レーウェン
「今年ハミルトンがタイトルを失ったことについて、大きな不平はない。信頼性が低いことだけが彼がタイトルに届かなかった理由ではなく、彼はチームに対して苛立っていた。しかし彼は非常に速く、2016年のタイトルがあろうとなかろうと、F1史上の偉人としての彼のステータスが強化されたにすぎない」バレンティン・クロウンジー:ニュースエディター
「マレーシアのエンジン故障は最終的にチャンピオンシップに高くついたが、いくつかドライビングでもミスをしていた。レースのスタートやバクーの予選などだ。それらが、激しいタイトル争いにダメージを与えた」ノーブル
「ルイスは今年多くの不運を抱えていたが、最終戦までタイトル争いに踏みとどまっており、これはまさに彼のスピードと驚くべき精神力を証明するものだ。彼はタイトルを獲得できなかったが、2016年の最多勝と最多ポールポジションを記録し、史上最も偉大なF1ドライバーのひとりだという評価を維持している」アーウィン・イェギ:F1レポーター, オランダ
「ハミルトンはスピードと能力に自信を持っている。彼は来シーズンに向けて改善しなければならない点を知っており、リタイアや不運、スタート手順や予選でミスがあった場合に備えていくらかマージンを保たなければならない。今年、この点で彼はあまりにも頻繁にチームメイトに迫られたり敗れたりした。彼のマシンに起きた機械的なトラブルと同様、こういったクッションがなかったことが、チャンピオンシップの終わりに違いを生み出した」ナバーロ
2. マックス・フェルスタッペン
トロロッソ/レッドブル, ランキング5位(1勝)
「退屈で、明らかに印象が薄かったF1シーズンの中で、フェルスタッペンは良い意味でも、悪い意味でも最も素晴らしいエンターテイナーだった。彼の一貫性のなさにはイライラさせられるが、彼のスピードとスキルがそれを補っている。2013年にはカートに乗っていたドライバーが、今やF1のスーパースターだ。彼の大出世は神秘的だ」クロウンジー
「今年エキサイティングになったレースの大半は、マックスが原因だった。彼の見事なオーバーテイクや、激しい防御、彼がこのスポーツで名声を確立させていったという事実がその原因だ。スペインでの彼の初勝利と、ウェットコンディションのブラジルでの驚異的なドライブは私や多くのオランダ人にとって、間違いなくシーズンのハイライトだった」イェギ
「彼が他のカテゴリーでやっていたような、毎回同じような結果を残すという一貫性はF1ではまだないが、そうなる日は来るだろう。現時点でも、彼は最もエキサイティングなドライバーだ」ノーブル
「フェルスタッペンの台頭は、今年F1に起こった最も良いことであり、F1界最大のスターのひとりになるために彼は羽ばたいた。彼は何人かのライバルよりも多くの間違いを犯したかもしれないが、彼は今年、ファンの記憶に最も残る瞬間も生み出している。彼のブラジルGPでのドライブだけでも、私のリストの一番上に彼の名前が載るだろう」エリサルデ
「彼の生来の能力は否定できない。そして彼の政治に無関心な、”ここに友人を作りに来たのではない”といった態度は、清々しいものだ。バルセロナでの優勝だけでなく、自身のパフォーマンスで、彼はレッドブルでのチャンスをしっかりと掴みとった。そして彼より経験豊かな(ダニエル)リカルドが、もっと速くならざるを得なかった。印象的なシーズンだった」レーウェン
1. ダニエル・リカルド
レッドブル, ランキング3位(1勝)
「マックス・フェルスタッペンがチームに加わってから、彼は素晴らしく腕前を上げ、実に素晴らしいシーズンを過ごした。スペインとモナコで勝利を逃したのは、彼のせいではない。フェルスタッペンが注目を集める中でも、リカルドは一年を通して一貫性を保った」ノーブル
「ハミルトンがエンジントラブルに見舞われた結果、リカルドは(偶然)1勝を挙げたが、スペインとモナコに加えて、シンガポールでも勝利にわずかに届かなかった。陽気な彼が、次代のチャンピオン候補であるということにもはや何の疑いもない」ジェイミー・クライン:エディター, UK
「フェルスタッペンとリカルドのペアは、リカルドがチームのエースであるということを我々に思い出させるのに必要だった。リカルドは勝利を懸けてバトルし、タイトル争いに加わるのに適切なマシンを手にするのを待っているだけなのだ。彼は自信をも持って現れた新人に対抗するだけでなく、その挑戦を歓迎した。ハイブリッド時代、支配的な強さを誇るメルセデスのドライバー二人の後ろ、”残りの中でベスト”なランキング3位を記録したのは2度目であり、彼はスーパースターであるということを再確認させられた」ナバーロ
「(ランキング3位を獲得した)2014年が、リカルドはF1エリートであるという強い根拠になるなら、2016年の結果は事実の裏付けになる。リカルドは予選アタックでも、決勝でも素晴らしい結果を積み上げ、プレッシャーがかかっても極めて冷静であった。彼は、長い間チャンピオンシップを戦えるマシンを手に入れられていないだけだ」クロウンジー
「リカルドは速く、信頼性があり素晴らしいレーサーであり、完全にトップクラスのドライバーだ。彼が最後に大きなミスをしたのは、いつだったか思い出すのが難しいほどで、彼に来年タイトルを狙えるチャンスがあるならば、彼は間違いなくそれを掴み取るだろう」カルポフ
採点詳細:
Driver | JN | PE | JK | VK | AL | OK | EJ | GN | RC | DM | Points |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ricciardo | 1st | 3rd | 1st | 2nd | 3rd | 3rd | 4th | 1st | 4th | 1st | 187 |
Verstappen | 3rd | 1st | 4th | 1st | 4th | 5th | 1st | 2nd | 2nd | 2nd | 178 |
Hamilton | 2nd | 2nd | 2nd | 3rd | 1st | 2nd | 2nd | 3rd | 3rd | 3rd | 175 |
Rosberg | 4th | 4th | 3rd | 4th | 2nd | 1st | 3rd | 4th | 1st | 4th | 158 |
Sainz | 5th | 5th | 8th | 7th | 8th | 8th | 10th | 6th | 6th | 6th | 63 |
Perez | 7th | 9th | 7th | 10th | 5th | 7th | 5th | 5th | 5th | 61 | |
Alonso | 8th | 6th | 5th | 5th | 9th | 4th | 8th | 9th | 10th | 8th | 57 |
Vettel | 9th | 7th | 6th | 8th | 7th | 9th | 7th | 8th | 7th | 5th | 54 |
Raikkonen | 6th | 8th | 9th | 6th | 6th | 9th | 7th | 7th | 44 | ||
Hulkenberg | 10th | 6th | 8th | 13 | |||||||
Grosjean | 10th | 6th | 10th | 10th | 11 | ||||||
Bottas | 10th | 10th | 9th | 10th | 9th | 9th | 9 |
Points awarded on a 25-18-15-12-10-8-6-4-2-1 basis
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