F1 バルセロナ・プレシーズンテスト

F1チーム”ポーポイズ現象”に苦しむ? フェラーリ代表「いくつかのチームは過小評価していたはず」

フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、多くのF1チームは、今季のF1マシンが”ポーポイズ現象”に苦しむ可能性を過小評価していたはずだと語る。

Charles Leclerc, Ferrari F1-75

 フェラーリF1のマッティア・ビノット代表は、多くのF1チームは2022年用マシンを開発するにあたって、ポーポイズ現象の影響を過小評価していた可能性があると語った。

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 スペインのカタルニア・サーキットで行なわれているF1プレシーズンテスト。最初の2日間が終わった段階で、各チームがある問題に悩まされていることが分かってきた。それが、ポーポイズ現象と呼ばれるものだ。

 このポーポイズ現象は、今季からF1に導入されるグラウンド・エフェクトカーでは、よく発生する現象。以前F1でグラウンド・エフェクトカーの使用が許されていた時には、当たり前のことだった。

 グラウンド・エフェクトカーは、床下に設けられたヴェンチュリ・トンネル内を気流が通り抜けることにより、強力なダウンフォースを発生させる。速度が増せば増すほど、気流のスピードが高まり、ダウンフォースが増えていくわけだ。しかし空気圧が変化したり、フロアが路面にぶつかってしまうと、気流が阻害され、突如ダウンフォースを失うことになってしまう。

 ダウンフォースが失われると、車体は路面に押し付けられることがなくなり、浮き上がるような格好となる。そして車体が浮き上がると気流が復活し、ダウンフォースが増加、再び車体が沈み込むと気流の阻害が生まれて車体が浮き上がる……それが繰り返されてしまうことがあるのだ。これがポーポイズ現象である。

 ポーポイズ現象に見舞われると、ドライバーにとって不快なだけでなく、高速コーナーで突如ダウンフォースを失ってしまった場合に、大きな問題になってしまう可能性がある。

 多くのマシンはこの問題に苦しんでおり、F1が公開した動画にも、メインストレートで激しく上下動するマシンが映し出されている。

 フェラーリのビノット代表は、いくつかのチームにとっては、CFDや風洞実験の後に予測していたことだと語った。

「我々のほとんどは、コース上で予想以上に跳ねてしまうという点で、少なくともこの問題を過小評価していると思う」

 ビノット代表はmotorsport.comに対してそう語った。

「グラウンド・エフェクト用のフロアをマシンに取り付ける場合は、これまでとは状況が異なる。これは学習のプロセスだ」

 ビノット曰く、車高を上げれば、簡単にこのポーポイズ現象を取り除くことができると語る。しかし各チームは、できるだけ車高を下げればパフォーマンスが向上するということを知っているため、状況は複雑である。

「解決するのは、非常に簡単なことだと思う」

 そうビノット代表は語った。

「パフォーマンスを最適化するためには、妥協すべきではない。マシンのパフォーマンスを最大限に活用して、跳ね回るのを回避しなければいけないのだ。しかしそれは、それほど簡単なことではないかもしれない」

「ある段階で、チームは解決策にたどり着くと確信している。ではそれにはどのくらい時間がかかるのだろうか? 早くそこに辿り着けば、シーズン序盤は有利になるだろう」

 アルファロメオは、初日にトラブルを抱え、走行距離が著しく制限された。これもポーポイズ現象が原因になっていると考えられている。

 アルファロメオのチーム代表であるフレデリック・バスールは、次のバーレーンでのテストまでに、解決策が見つかることを期待していると語った。

「いくつかの要素は、風洞やシミュレータでは評価するのが難しい。そして我々は皆、同じ問題に直面している」

「問題を解決することが最大の問題……というわけではない。しかし効率的であることは重要だ。チームがどれだけ迅速に対処できるかが、序盤戦の鍵となるだろう」

 
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