ルノーF1、カスタマーチーム獲得に消極的。”PUのデータが集まる”以外のメリットはない?
ルノーのCEOであるルカ・デメオは、近い将来F1でカスタマーチームと提携する可能性を軽視し、現在PUサプライヤーがカスタマーチームと結んでいる契約は「良いモノではない」と語った。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
ルノーは昨年夏にCEOに就任したルカ・デメオが主導する社内改革『ルノーリューション』を進めており、その一環としてF1ワークスチームがアルピーヌへとリブランドされた。
現在、ルノーはアルピーヌ以外のF1チームにパワーユニット(PU)を供給していない。昨年までルノーのカスタマーチームだったマクラーレンが、メルセデスPUへとスイッチすることを決めたためだ。
対してライバルのPUマニュファクチャラーであるメルセデスやフェラーリ、ホンダは、少なくとも2チーム以上にPUを供給している。メルセデスはワークスチーム含め計4チーム、フェラーリは3チーム、ホンダは2チームがPUを使用している。
つまりルノーは、他のマニュファクチャラーと比べて少ないデータ量で開発を進め、信頼性やパフォーマンスを上げていかなければならない。
デメオは将来的にカスタマーチームを獲得する可能性は否定していない。彼はカスタマーチームから得られるメリットもあると認めつつ、PUサプライヤーにとってカスタマーチームとの契約は財政的にあまり有益なものではないため、適切な契約が必要だと主張。現状についてリラックスしていると述べている。
「もちろん理論的には、自分たちのエンジンを他のチームに使ってもらった方が、データの交換や共有などができるので良いだろう」
デメオは、motorsport.comを含む一部メディアに対してそう語った。
「しかし現状は……はっきりと言うが、特に経済的な面や他チームへの技術移転など、あまり好ましい状況ではない」
「私の意見を言わせてもらえば、我々のように(PU開発に)初期投資を行なった者の技術を利用するために支払われる金額を考えると、良いビジネス・ケースとは言えないだろう」
「私は何度もそれについて言及してきた。数字は明かしたくないが、あまり良い契約だとは言えない」
「これはエンジンを製造する能力を持たない小規模チーム……それが大多数だが、彼らがゲームに参加できるようにするためにFIAに決められたことだ。しかし我々にとっては、経済的にあまり違いはない」
ウイリアムズは、将来的にルノーと提携する可能性があると言われているチームのひとつだが、彼らは「ルノーのBチームになるつもりはない」と明言しており、長期的にその独立性を維持していきたいと考えている。
アルピーヌCEOのローラン・ロッシは、カスタマーチームへとPUを供給しないことで、何か問題が起きた際のリスクも大幅に減ると語った。
「ルカが言ったように、他のチームにPUを供給することで、PUの信頼性と性能を向上させていくためのデータを得ることができるので、メリットはある」
「とはいえ最近までのやり方では、他チームのPUのパフォーマンスを管理したり対処したりする上で、トラブルが発生した際に危険なほどコストが高くなってしまう可能性がある」
「コース上で信頼性の問題が発生すると、突然危機的な状況に陥るんだ。自分たちのチームの一部が、それに対処しなければならない」
「そのための体制を整えなければならない。そのチームは何もせずに座っているだけ。我々はそのチームのサポートをするために準備しなければならないんだ」
「だから我々は、自分たちのチーム全員が、自分たちのシャシーとエンジンの設計に集中したいと思っている。我々にスペースや時間、エネルギーの面で余裕があれば、それを解決していきたいと考えている」
「しかし正直に言って、今のところこの方法でやっていくことに満足している」
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