WMSC、F1ポーパシング対策のフロア規則変更を承認。ロールフープも変更し、安全性のさらなる向上へ
FIAの世界モータースポーツ評議会は、ポーパシングの発生を防ぐために、F1マシンのフロアに関するレギュレーションを変更することを承認。また、マシンの安全性を高めるため、ロールフープの規則についても変更されることになった。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
2022年のF1マシンは、テクニカルレギュレーションの変更によりグラウンド・エフェクトカーとなったため、マシンのフロア下で発生するダウンフォース量の増減に伴いマシン全体が激しく上下動するポーパシングに見舞われてきた。
多くのチームがこの影響を受けたが、特にメルセデスは大いに苦しめられ、安全性の面でも変更を求める声が上がった。しかしその一方で、あまりポーパシングに悩まされていないチームからは、安全性の問題はないとして、レギュレーションを変更することには反対する意見も噴出した。
この件については長く議論が行なわれてきたが、8月16日に開催されたFIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)で、変更が承認されることになった。
今月末に開催される後半戦初戦となるベルギーGPからは、FIAはマシンの上下動を監視し、フロアの強化とスキッドプレートの剛性に関する変更が加えられる予定になっている。
また2023年からは、フロアの端の高さが15mm引き上げられ、さらにディフューザーが立ち上がる部分の高さも引き上げられる。さらにエッジ部分の強度も高められる。
FIAはまた、ポーパシングを監視するためセンサーを追加して実装することになるが、「チームのメカニカル・コンポーネントのデザインに対する影響を回避」する方法で実装することになると主張している。
The accident involving Zhou Guanyu, Alfa Romeo C42 at the start of the race
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
また、2023年からはロールフープにも変更が加えられることになった。これは、イギリスGPで起きた周冠宇(アルファロメオ)の事故に起因するものだ。
イギリスGPのスタート直後、周はメルセデスのジョージ・ラッセルらと接触し、マシンが上下逆さまにひっくり返る状況となってしまった。そして周のマシンはそのままコースを滑走し、グラベルを跳ねるように進み、タイヤバリヤを飛び越えてデブリキャッチフェンスに激突してしまった。
この事故に関する調査が進められてきたが、この結果として2023年からロールフープを変更することが承認されたわけだ。
新しいロールフープは、その上部の変更が必要になる。これは、周のようにマシンが上下逆さまになった場合にも、マシンがグラベルに食い込んでしまう可能性を減らすことを目的にしている。
これに伴い、ホモロゲーションテストが適用される最小高も変更される予定。さらに、負荷に対してロールフープをより適切に検査するため、新しい承認テストも導入される予定だ。
また2024年からはロールフープの認証検査が見直され、パーツの安全性をさらに向上させることが期待されている。
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