新型コロナで大幅収入減のF1……第三四半期に10レース開催し、回復の兆し
新型コロナウイルス感染拡大により、収入面に大きな影響を受けた2020年シーズンのF1。ここに来てその収入は回復傾向にあるものの、第三四半期には1億400万ドル(約107億円)の損失を記録したことが分かった。

新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大したことにより、開幕が大きく遅れることになった2020年シーズンのF1。その結果、財政面にも大きな影響が及んでいる。
今年7〜9月期のF1グループ全体の収益は5億9700万ドル(約617億円)だったが、昨年同期の6億3300万ドル(約655億円)と比較すれば、大きく減収となっている。そのため、昨年は3200万ドル(約33億円)の利益だったのに対し、今年当該期間は1億400万ドル(約107億円)の損失となった。
レースの開催権料、テレビ放映権料、そしてスポンサーフィーなどは、期間中に開催されたレース数に応じて、四半期ごとに配分されることになる。つまり4〜6月期はレースがまったく開催されなかったため、前年の6億2000万ドル(約641億円)からわずか2400万ドル(約25億円)へと激減している。
なお、昨年の7〜9月期に開催されたレースは、全21戦中7レースだった。今年の場合は、年間のレース開催数は17戦に減らされたにもかかわらず、10ものレースを開催することとなった。
つまり、年間の開催数における当該期のレース数の割合は増したものの、実際の収入は減少……これはつまり、F1のレース開催権料が引き下げられたか、あるいはレースを開催するために、F1側がサーキットに対して支払いを行なったのではということが想像できる。
リバティメディアは、今回の収支結果に関して、次のようにコメントしている。
「2020年第三四半期の収支は、観戦客の不在、レース開催地、改訂されたレースカレンダーのタイミング、および特定の収益源などの影響を受けることになった」
テレビの放映権料およびスポンサー売り上げに与えた影響について、リバティメディアは次のように説明する。
「当初予定されていたF1の収益は、主に第三四半期のレースにおけるファンの入場が、1レースを除いて禁止されたため、受け取ることのできたレース開催権料が限られ、減少することになった」
「しかし同期間中のレース開催数が3戦増えたこと、そして2020年のレース開催総数が少なくなったことによる放映権料およびスポンサーシップ収入の分配率が増えたことにより、部分的に相殺されることになった」
「しかし、放映権料とスポンサーシップ収入は、当初の契約額よりも減額されている」
「開催スケジュールの変更に伴い、契約の条件に従って、放映権料が引き下げられることになった。また、特定の放映権料が今年に関しては再交渉されたため、一時的な変更にも繋がった」
また、いくつかのレース開催がキャンセルされたこと、ホスピタリティエリアの営業活動が制限されたことなどを受け、当初予定されていたスポンサー契約に対する要素を全て提供することができなかったとも明かした。
「その他のF1の収益で言えば、パドッククラブを運営できなかったことにより、第三四半期の売り上げが減少することになった」
さらにリバティメディアは、こうも付け加えている。
「今季残りのレースで、観客を入場させることを期待していない」
なおこの7〜9月期に、現在F1に参戦中の10チームは、合計4億4000万ドル(約455億円)の支払いを受けた。これは、新たなコンコルド協定に署名した際、1回限り支払われるボーナスのような金額であるため、昨年同時期の3億3500万ドル(約346億円)を大幅に上回っている。
キャリーCEOは今年限りで現職を退き、元フェラーリF1チーム代表のステファノ・ドメニカリに職を引き継ぐことになっている。そのキャリーCEOは、F1の新型コロナウイルスに対する取り組みについて自信を持っている。
「F1コミュニティが集結して課題に取り組み、安全な形でレースを再開した方法について、非常に誇りに思っている。コース上でも、そしてサーキット外でも、興奮するようなシーンを見ることができた」
「成功の鍵を握ってくれたF1、FIA、チーム、プロモーター、そしてその他のパートナーの皆さんに感謝したいと思う」
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