メルセデス「パワーユニット開発の限界は、考え方次第だ」
メルセデスなど各パワーユニットメーカーは、現行のレギュレーション下での開発について、まだ限界には達していないと考えている。









メルセデスはパワーユニットのパフォーマンスについて、今季はフェラーリに接近を許しているものの、まだ現在のレギュレーション下での限界には達していないと考えている。
メルセデスは現行のV6ターボエンジン+ハイブリッドシステムの”パワーユニット”規則が導入されて以降、圧倒的な強さを誇ってきた。その結果、2014年以来すべてのドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを独占してきたのだ。
しかし昨年、フェラーリが急激な進歩を果たしてメルセデスの優位性を脅かした。そして今年はさらにその差を詰め、ここまでの5戦中3戦でフェラーリがポールポジションを獲得している。
メルセデスのハイパフォーマンス・パワートレインズを率いるアンディ・コーウェルは、フェラーリが予選で優位に立っているものの、レースではその優位性は少ないと信じている。そしてルノーとホンダも、非常に近いところにいると語った。
各パワーユニットメーカーが、現在のレギュレーションの限界に近づいているかとコーウェルに尋ねると、彼は次のように語った。
「それは、限界があると思うかどうかに帰着すると思う。私は個人的に、限界があるとは思わない。いつでも、進歩できる領域を探すことができると思う」
「毎週、パフォーマンスと革新に向けた会議に出席し、様々なシステムから少しずつ効率を上げる方法をエンジニアから聞くことに、喜びを感じている。その後、それらのアイデアを実証するのをファクトリーで楽しみ、そしてそれが十分な信頼性を持っていることを証明する」
「4つのパワーユニットメーカーすべては開発を続けている。限界というものはない」
フェラーリのテクニカルディレクターであるマティア・ビノットも、次のように語った。
「間違いなく、私はアンディの意見に同意する。エンジニアたちと共に仕事をすれば、常に革新性と創造性が生まれるんだ」
「エンジニアにとって限界はない。ここ数年、そして昨シーズン、我々がどれだけ進歩してきたかを見てきたと思う」
「この”製品”が限界に達したとは、私は思わない」
各メーカーは今シーズン、内燃エンジン(ICE)、MGU-H、ターボチャージャーは3基まで、MGU-K、エナジーストア、コントロールエレクトロニクスは2基まで、グリッド降格ペナルティを受けることなく投入することができる。これらパワーユニットのコンポーネント交換は、トラブルや事故によるダメージがない限り、アップグレードパーツを投入するタイミングとして使われるはずだ。
ルノーは、カナダGPで最初のパワーユニット交換を予定していると言われている。つまり、ここでアップデートが施されるというわけだ。しかしながらルノーのエンジン担当テクニカルディレクターであるレミ・タファンは、まだ最初のスペックのパワーユニットから、すべてを引き出せていないと語った。
「最大限に活用したと言うのは、どんな時でもとても難しいことだ」
そうタファンは語った。
「もしずっと同じスペックを使うとしても、いつでも少しずつでも改善できるように努力している」
「リソースをどう活用していくのかが重要だ。スペック1のモノを持っていたら、まずそれを開発する。そしてその後、スペック2、スペック3に移行していくんだ」
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Scott Mitchell |