初めて開発したPUなのに驚きのパフォーマンス。レッドブル・パワートレインズのPUはエネルギーの使い方が他とは違う?
レッドブルが初めて開発したパワーユニット”DM01”は、他とは異なる特性を備えている模様。レーシングブルズは、この恩恵を最大限に享受しているようだ。
2026年のF1は、ここまで2戦が終了。次は鈴鹿サーキットでの日本GPである。
ここまでのレースを見ると、これまであまり注目されることはなかった傾向が明らかになってきた。それはレッドブル・パワートレインズ(RBPT)製パワーユニット(PU)の特性である。
オーストラリアGPと中国GPの2戦では、レーシングブルズのマシンは抜かれにくいという傾向が見られた。特にオーストラリアGPでは、ハースのオリバー・ベアマンがアービッド・リンドブラッドに長い周回にわたって抑え込まれるというシーンがあった。
この理由のひとつは、RBPTのPU特性にある。このPUは予選やレースでライバルと戦う時において、最高速を重要な武器へと変えることができているようだ。
中国GPの舞台である上海国際サーキットは、長いストレートが1本あるものの、比較的エネルギー回生がしやすいサーキットである。そのため、RBPT製PUの特性は有効打とはなりにくい。しかしオーストラリアGPの舞台であるアルバートパーク・サーキットのようにエネルギー回生ができる機会が限られ全開区間が多いコースでは、オーバーテイクする際にはバッテリーに蓄えたエネルギーを大量に消費せざるを得ず、次のセクションで不利な状況に陥る可能性がある……まさにそういう場面でこそ、RBPTの特性が大きな違いを生むようだ。
これは、RBPTのPU運用哲学に起因しているようだ。バーレーンテストの初日から、RBPTのPUを搭載するマシンは、非常に高い最高速を記録しており、これはライバルとはハイブリッドシステムの使い方が異なっていることを示している。RBPTのPUは、ストレート終盤まで最高速を維持することを優先する傾向にある。一方でライバルチームはそのポイントでは出力が低下するのが常だ。
全開区間が多いコースで、RBPTのPUを搭載するマシン、特にレーシングブルズが予選で中団グループの上位に顔を出すのは、当然のことと言える。実際、オーストラリアGPの予選では、レーシングブルズは2台揃ってQ3進出を果たした。レッドブルも同様で、マックス・フェルスタッペンはクラッシュしてしまったものの、アイザック・ハジャーはマクラーレンやフェラーリを抑えて3番グリッドにつけた。
一方でサーキット特性が変わった中国GPでは、RBPT勢は苦戦。フェルスタッペンをもってしても予選8番手がやっとで、レーシングブルズ勢もQ1突破が精一杯という状況であった。
当然、ライバル勢が開幕戦で得たPUの知見を活かし、前進したという側面もある。その際たる例がアルピーヌだ。開幕戦ではアルピーヌ勢は、Q1をギリギリ突破できたという状況であったが、中国GPでは一躍ベスト・オブ・ザ・レストをハース勢と争う位置に躍り出て、レッドブルをも抜き去った。
とはいえ、RBPTが優れたPUを開発してきたというのは事実。彼らはPU開発をするにあたって、有能な人材をかき集めてきたが、同社が初めて開発したPUであるということを考えれば、驚くべきことであろう。
レッドブルとレーシングブルズが現在ライバルに負けているのは、PUだけの問題ではない。もちろんPUに改善の余地はあるももの、差の大部分がPUというわけではなくシャシーの面にもあるはずだ。レッドブルのRB22は、今も最低重量を大きく上回っているという話もあり、ある情報筋によれば15〜20kgも重いという。
そういう意味では、今はレーシングブルズの方が、レッドブルよりもRBPTのPUを上手く使えていると言えるかもしれない。VCARB03の戦闘力が、RB22を上回っていると必ずしも言い切れるわけではないが……。
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