雨中の快進撃1:セナ、豪雨の中ひとり旅で初優勝:1985年ポルトガルGP
雨のレースでは、マシンの性能よりもドライバーの腕が試されると言われる。伝説的なF1ドライバーの中でも特にウエットレースを得意としていたアイルトン・セナだが、彼の初優勝レースも豪雨のエストリルだった。
写真:: LAT Images
歴代のF1ワールドチャンピオンの中でも、特に雨のレースを得意としていたのが、アイルトン・セナだ。彼の代表的なウエットレースと言えば1993年のドニントンで行なわれたヨーロッパGPを思い出す方も多いはずだが、今回は彼がF1初優勝を挙げた1985年のポルトガルGPを振り返る。
当時デビュー2年目の若手ドライバーだったセナだが、既にウエットレースでの速さは広く知れ渡っていた。ルーキー時代の1984年モナコGPで、非力なトールマンのマシンを駆ってマクラーレンのアラン・プロストを追い詰めたからだ。名門ロータスに移籍し2年目のシーズンを迎えたセナは、第2戦ポルトガルGPで初のポールポジションを獲得した。
雨が降り続く難しいコンディションの中で決勝レースは行なわれたが、セナはポールポジションから飛び出し、みるみると後続との差を広げていった。
レースは折り返しを迎えようという段階で、セナは2番手以下に37秒ものリードを築いていた。そんな中で雨脚はどんどんと強くなり、セナもレースを中止すべきだと合図を送っていた。しかしレースは続行され、“プロフェッサー”の異名を持つプロストでさえメインストレートでアクアプレーニングを起こしてスピンアウトするなど、波乱の展開となった。
「何より危険だったのは、常にコンディションが変化することだった」
セナはレースを振り返ってそう語っていた。
「ストレートですらマシンをコントロールするのは難しかったし、間違いなくレースは中断されるべきだった」
「昨年のモナコよりもずっと酷かった。僕のプロストのようにピット前でスピンしそうになった。コースにとどまれてラッキーだったよ」
最終的に完走したのは9台のみ。リタイアした17台の内、約半数がスピンやクラッシュによるリタイアだった。そんな中でセナは2位のミケーレ・アルボレートに1分差をつけ、3位のパトリック・タンベイ(ルノー)以下を周回遅れにする驚異的なパフォーマンスでF1初優勝を飾った。
なお、セナはこの年ベルギーGPでも優勝し、シーズン2勝目を挙げたが、このレースもウエット絡みの難しいコンディションだった。
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