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ハミルトン委員会、多様性向上目指し黒人の雇用促進などを提言。F1側も「早急にアクションを起こす」と支持

F1の首脳陣たちは、ハミルトン委員会の報告書が発表されたことを受けて、スポーツ界における黒人の地位向上に向けて行動する準備ができていると語った。

Lewis Hamilton, Mercedes

写真:: Steve Etherington / Motorsport Images

 モータースポーツにおける多様性向上を目的として、F1王者ルイス・ハミルトン(メルセデス)によって設立されたハミルトン委員会が、約10ヵ月に及ぶ調査を経て報告書を発表した。イギリスの王立工学アカデミー主導で行なわれたこの調査の主題となっていたのは、F1で働く人たちの中で、黒人の割合がわずか1%しかないのは何故かについてだ。

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 調査の結果、それらの答えがいくつか挙げられた。例えば、黒人学生の学力への期待値が低いことから、STEM(科学、技術・工学・数学)教科の教育が行き届いていないこと。そして、黒人学生が不公平な行動管理をされていることなどだ。

 さらには、上記の社会的問題だけでなく、モータースポーツチームの活動に直接関連する要因も浮かび上がって来た。モータースポーツチームは一部の有名大学の学生を優先的に採用していることや、地理的な問題で黒人のコミュニティの多くが就業体験の機会を得られていないということもある。

 ハミルトン委員会は、モータースポーツにおける多様性向上を実現させるための10の提言をまとめた。その中には以下のようなものが含まれている。

  • あらゆる組織における多様性、包括性を向上させるために、F1やチームがモータースポーツにおける多様性、包括性に関する憲章づくりを率先して行なうよう要請する。
  • モータースポーツがもっと身近なものとなるように、高等教育や学位取得のための実習制度を充実させること、有料の職業紹介制度や職業体験制度を利用できるようにすることを、F1チームやモータースポーツに関わる企業に求める。
  • 新たに基金を設立し、黒人学生が学校から排除されてしまう要因に対処できるようなプログラムを発展させていく。
  • 工学の分野でのキャリア構築に繋がるSTEM教科において、黒人教師の数を増やせるような新たなアプローチの試行を支援する。
  • 工学やそれに関連する学位を所得した黒人学生が、卒業後にモータースポーツの世界で活躍できるような奨学金プログラムの設立を支援する。
  • イギリスの黒人コミュニティグループが主導する補習校にSTEM教育が行きわたるよう、追加の支援の要請する。

 また今回の報告書では、F1で予算制限が導入されたことにより、黒人学生に実習の機会を提供することが難しくなってしまったのではないかと指摘されている。

 報告書の作成に携わった英国王立工学アカデミーのディレクター、リース・モーガンは次のように語っている。

「我々は、コストキャップがチームの雇用を阻害していると考えている。なぜなら、実習生の給料はマシンパフォーマンス向上のための予算に含まれてしまうからだ」

「そんな状況で、チームは経験のない16歳の若者を採用するだろうか? それなら熟練の技術者やメカニックを採用して、マシンに関する作業を始めるだろう。我々は実習制度を奨励するためにも、予算制限についていくつかの例外を設ける方法を再検討すべきだと考えている」

 ハミルトン委員会の報告書は発表されたばかりだが、F1側は既にその提言に関して検討することを表明しており、早急に新たなアクションを起こすと約束している。

 F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは次のように語った。

「ハミルトン委員会は、包括的かつ印象的な報告書を提出してくれた。この報告書には、これらの問題に関するルイスの情熱が示されている」

「我々はしっかりと時間をかけて調査結果を全てを読み、振り返りをしていくが、このスポーツの多様性を高める必要があることには完全に同意している。我々はこの問題に対応するために行動を起こしており、近日中にはさらなるアクションについて発表するつもりだ」

「我々は、非常に多様なファン層を誇るスポーツの代表格となることを望んでいる。だからこそF1やFIA、各チームは、このスポーツにポジティブな変化をもたらすために懸命に取り組んでいる。やるべきことはまだまだあるが、この報告書はさらなる行動に向けての刺激になるだろう」

 またハミルトン自身も、ハミルトン委員会の調査結果を無駄にせず、行動に移すため、個人的に取り組みへ参加していくと語った。

「僕たちと共に旅をしているこの業界の皆と団結し、長期的かつ有意義な進歩を遂げることができればと思っている」とハミルトン。

「僕たちは既に、関係者から非常に多くのポジティブなフィードバックをもらっている。それには大変嬉しく思っている」

「そして、今回発表したレポートが忘れ去られないためにも、僕たちはこの提言を実行に移す上で最適な関係者や組織を精査していこうと思う」

「これこそが重要なことだと思う。何にしても発見するだけでなく、実際に行動に移すことが大事なんだ」

 

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