アストンマーティンが新車をテストに間に合わせた苦肉の策……なんと50年前の貨物機”アントノフAn-12”を投入
アストンマーティンF1は出来上がったばかりの新車AMR26をテストに送るため、50年前の貨物機アントノフAn-12を手配した。
Antonov An-12BP del 1972
写真:: Sammy Gould
バルセロナ-カタルニア・サーキットで5日間にわたって行なわれたF1の非公開シェイクダウンテスト。アストンマーティンはこのテストの4日目にようやくサーキットに現れたが、マシンの輸送スケジュールはまさにギリギリだった。しかもマシンの輸送には、50年前のプロペラ貨物機、アントノフAn-12BPが使われた。
アストンマーティンのAMR26は、1月29日(木)の夕方、ランス・ストロールの手によってようやくコースインした。この日はわずか5周のみの走行に留まったが、さすがエイドリアン・ニューウェイが率いたマシンだという感じで、マシンの各所には独特の処理が施されており、大いに注目を集めている。
ただこのAMR26には、マシンのデザインだけでなく、どうやってサーキットに辿り着いたのかというストーリーにも注目が集まっている。テスト4日目の午後、サーキットのパドックでは、アストンマーティンの最新式のレーシングカーが、50年前の飛行機を使って、予定通りサーキットに到着したという裏話が話題をさらったのだ。
La cassa dell'Aston Martin scaricata dall'Antonov all'aeroporto di Girona
Foto di: Sammy Gould
イギリス・シルバーストンにあるアストンマーティンのファクトリーでは、少なくとも1日は走行できるようにバルセロナにマシンを送るため、連日残業に追われた。
マシンが完成したのは、木曜日の早朝。そして走行に向けてゴーサインが出されたため、チームの輸送手配を担当するスタッフは、ファクトリー最寄りの国際空港であるバーミンガムから、サーキットに最も早く到着するのに最も便利なスペイン・ジローナ空港までの輸送手段を、急いで手配する必要があった。
それにはひとつ、大きな問題が立ちはだかった。それは、出来上がったばかりの最新F1マシンを収めた木箱を運ぶことができる航空機を見つけることだった。巨大な木箱を抱えることができる航空機を、その日のうちに手配しすぐに飛び立つのは、簡単なことではない。
そこに助け舟を出したのが、ウクライナの航空貨物会社であるカボック航空である。同社は、今回の任務にピッタリの航空機、アントノフAn-12BPを所有し、貨物輸送を担う会社である。
このアントノフAn-12BPは、1972年に製造されたターボプロップエンジンを備えた、開発から50年以上経過した大ベテラン機である。
エイドリアン・ニューウェイが設計した「宝石」は、この空のベテランに積み込まれ、無事スペインに到着。しっかりとミッションを完了した。伝えられるところによると、イギリスからスペインまでの飛行時間は3時間ほどであったという。通常のジェット旅客機ならば2時間ほどの距離であるため、1時間ほど余計に時間がかかった計算だ。しかしそれでも、木曜日早々にバルセロナに着くことができ、その日のうちに走行を始めることができた。
アストンマーティンのAMR26の初走行が遅れたのは、50年以上の前のアントノフ機を移動に使ったからではない。逆にアントノフを使えたことで、サーキットに最短の移動時間で到着できたと言うこともできる。
最新のものが全て正しいとは限らない。時には、昔ながらモノが最善ということもある。
記事をシェアもしくは保存
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。