F1ベルギーGPの”茶番劇”を二度と起こさないために……FIA、F1、10チームが話し合いを予定
F1の首脳陣は、2021年のベルギーGPのような、セーフティカー先導わずか3周走っただけでレースが成立してしまうような”茶番劇”が再発するのを避けるために、チームやFIAと話し合いを行なうことを検討しているようだ。
2021年のF1ベルギーGPは、悪天候により長時間スタート時間が延期された後、セーフティカー先導でレースがスタートされたが、3周目走行時に赤旗中断となり、そのままレース終了という形となった。しかし規定された2周以上を走破したため、レースは成立。上位10人のドライバーは、通常の半分ながらポイントを持ち帰ることができた。
レース当時の天候はかなり悪く、しかも日没時刻も刻一刻と迫っていた。そんな状況でレースを継続することを強行しなかったFIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシの判断については、各方面から称賛の声が挙がっている。しかしその一方で、セーフティカー先導でのスタートからわずか3周でレースが終了し、しかも各ドライバーにポイントが与えられたことについては、批判の声が上がっている。
メルセデスのルイス・ハミルトンも批判の声を上げたひとり。F1が開催権料を手にするために強引にレースをスタートさせたこと、しかもサーキットに詰めかけたファンに観戦料の払い戻しがないことに憤慨しているのだ。
「今日は茶番劇だった。大損したのは、僕らのレースを見るために多額のお金を支払ったファンたちだけだ」
ハミルトンは自身のインスタグラムにそう語った。
F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、ベルギーGPの結果が宣言された方法は理想的ではなかったと認め、関係者とルール変更の可能性について話し合いを持つことを熱望しているようだ。
今回のようなことを繰り返さないためには、セーフティカー先導ではなくしっかりと”レース”を行なった際のみレース成立とみなすという文言をレギュレーションに加えるか、あるいは後日レースを改めて開催できるようにすることが求められるだろう。しかしこれを実現するためには、F1、FIA、そしてチームによる承認が必要となる。
とはいえ今回のベルギーで起きたことを繰り返すのを避ける提案に反対する人はいないだろう。
マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、セーフティカー先導でレース成立が宣言されるのは「正しくない」と語り、見直しが必要だと主張している。
「レギュレーションでは、数周もすればレースと呼ばれるようになっている。私はこれは、見直すことが必要だと思う」
「今回の天候で、安全にレースができると主張する人がいるとは思わない。しかし今回のような状況が生じた場合には、F1としてより良い解決策が必要だ。セーフティカー先導で3周走っただけで、レースの結果が決まるということがあってはならない」
「それはレギュレーションによって規定されていることだが、今日のことから学び、同じような状況になった場合、しっかりとレースをすることで”結果”とするために、我々は何か別のことをできるようにしなければいけない。その方法を理解するために、今我々全員が今回のことを見直す必要がある。翌日に延期するのか、それとも後日戻ってくるのかということを含めてね」
「今回をレースと呼んでいいと思う人はいないと思う。これに取り組み、こういうことが二度と起こらないことを願っている」
マシは、ベルギーで起きたことに注目し、FIAとチームが集まって、レギュレーションの内容を検討することを提案する」
「今週末を終えた後、そして来年に向けた次の会議で、誰もが求めるモノを見極めるために、たくさんのことを見直したいと思う」
そうマシは語った。
「ご存知のように、我々FIAがF1や10チームの全てと協力して、レギュレーションを作り上げている。そのために様々なシナリオの全てを調べ、誰がどう思うのかということを見ていく」
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