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F1、2023年のタイヤウォーマー温度引き下げを断念へ。来季は温度上限維持も2024年からの完全撤廃は変わらず

F1は2023年に向けてタイヤウォーマーの温度を70℃から50℃へ下げることを予定していたが、計画が再評価され、中止される可能性が浮上した。

Medium tyres

写真:: Erik Junius

 F1はシリーズの持続可能性推進の動きの中で、2024年に向けての変更の一部として「タイヤウォーマーの完全廃止」を長きに渡り計画してきた。2021年までは、マシンに装着する前のタイヤはフロントが100℃、リヤは80℃まで温めることが可能となっていたが、2022年は前後とも最高温度が70℃まで引き下げられた。

 2023年に向けてはさらに50℃まで引き下げることが予定されていたものの、その計画は断念されることとなりそうだ。

 ピレリの来季用プロトタイプタイヤテスト1回目が行なわれたアメリカGPでは、このタイヤウォーマーの温度引き下げについてF1ドライバーからは不満の声が上がった。

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、タイヤウォーマー廃止に向けた動きが「多くのクラッシュ」を誘発すると語り、ランド・ノリス(マクラーレン)は「全員がどこかしらのポイントで自分のマシンをクラッシュさせる」と指摘していた。

 これを受けタイヤテスト2回目が行なわれたメキシコシティGPでは、ピレリはタイヤウォーマーの温度を通常の3時間ではなく、2時間で70℃まで温める実験を行なった。その結果、ドライバーの不安が解消されるだけでなく、エネルギー消費量が少なくなることを発見したようだ。

 ピレリ・モータースポーツ責任者であるマリオ・イゾラは、2024年に向けた計画についてmotorsport.comに次のように語った。

「計画はまだウォーマーを使用しないこととなっているが、来年について我々の分析によると、3時間ではなく2時間で70℃まで温めると、50℃で3時間ウォーマーを使用するよりもエネルギーを節約できることが分かった」

「というのも、温めている間のウォーマーはより多くのエネルギーを使っているからだ。家庭用のオーブンみたいなモノだ」

「スイッチを入れると最初の段階で必要な温度まで上がり、その後一定になる訳だが、その温度を維持するためにはエネルギーを消費する必要がある。そこがポイントだ」

Tyre heating system, Ferrari F1-75 Charles Leclerc, Carlos Sainz

Tyre heating system, Ferrari F1-75 Charles Leclerc, Carlos Sainz

Photo by: Erik Junius

 イゾラはメキシコシティGPのフリー走行2回目終了後、定例ブリーフィングでピレリの調査結果をドライバーに説明した。その結果、ドライバーたちはより短時間でタイヤを一定の温度にまで温める方法の採用に賛成したという。

「私としても、理にかなった解決策なのだ」

 そうイゾラは言う。

「そして言った通り、エネルギーも節約できる。(メキシコでは)金曜日だけで分析する時間がなかったから、現時点では全データを分析する必要がある」

「(残りの)計画は、2023年に向けてホモロゲートしていくコンパウンド5つを見つけることだ。そしてシーズン終了後のアブダビテストに最終版のタイヤ5つを持ち込んで、ドライバーたちが最終的なコンパウンドの領域をテストできるようにする」

「そして2023年の戦略として、70℃で2時間加熱することを提案する。それが現時点での計画だ」

 ピレリは、タイヤウォーマー温度の引き下げではなく、加熱時間短縮という新しいアプローチをFIAとF1側に提示し、肯定的なフィードバックを得ていることが分かっている。

 またイゾラは、今年アメリカGPとメキシコシティGPで行なわれたシーズン中のプロトタイプタイヤテストが、来季も特定のイベントで実施される可能性を示唆した。

Lewis Hamilton, Mercedes W13

Lewis Hamilton, Mercedes W13

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 こうしたテストはピレリ側がプロトタイプタイヤとして持ち込んだコンパウンドの性能を把握するためのものであり、タイヤの構造を構築するために行なわれるものではない。実際のレースで正しく性能を発揮するためには、セットアップ調整を行なったマシンによる長時間のプライベートテストでデータを集める必要があるのだ。

「コンペティションテストと呼ばれるモノは、将来的な選択肢のひとつだ」

 そうイゾラは言う。

「特に来季は24戦もあるし、シーズン後半にはフライアウェイ戦も多い。我々は、転戦などによってチームやチーム関係者にかかるストレスの大きさを理解している。だからこそ、タイヤテストのために2~3日延泊することを要求しない選択肢を用意したのだ。そして我々としては、シーズン後半にその選択肢を使用できるのだ」

 2024年のタイヤウォーマー禁止の計画が生きている以上、ピレリが再来年に向けて新しい構造のタイヤを作るか、あるいはF1チーム側がスティント序盤でタイヤを十分に温めるためにマシン設計を見直すことになるというのは自然な流れだろう。あるエンジニアは、タイヤウォーマーの温度上限を50℃に抑えるという案は来季に向けたマシン開発が進んだ段階で明かされたと語っており、そうした点でも温度引き下げには反対意見が付きまとっていた。

 
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