拡大続けるF1、2023年以降は開催カレンダーの“地域集約”進める方針。ドメニカリCEOがチーム側へ明かす
F1は年間のレース開催数を拡大させてきたが、今後は各地域ごとに開催時期をグループ化することを推し進め、人と物の移動を効率化し、持続可能性を高めていく方針を示している。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
F1世界選手権は近年、シーズン辺りのレース開催数を拡大させてきた。F1のステファノ・ドメニカリCEOは、今後各地域で開催計画をグループ化していく意向を示した。
2022年、F1は史上最多となる年間23レースを計画。実際には、ロシアによるウクライナ侵攻により同国でのグランプリとその代替戦開催が断念されたことで全22レースとなった。それでも1年間が52週であることを考えると、スケジュールはタイトにならざるをえない開催数だ。
世界を転戦するF1は、輸送の点で大きな二酸化炭素を排出する。2030年にカーボンニュートラルを達成することを目標に示しているF1側としても、カレンダーの合理化は重要な要素だ。
同時に、膨れ上がったカレンダーを効率化することは、F1と各チームに影響を与えている輸送費の高騰や、輸送キャパシティの不足といった問題に対する取り組みにも寄与できる。
F1はこれまでも地域ごとにカレンダーを集約する試みを話してきた。そして現在、彼らはレースプロモーターとの合意が前提になるが、カレンダー集約の動きを積極的に進めることを決定した。
ステファノ・ドメニカリCEOはチーム代表者との定例ミーティングで、この意向を明らかにした。
F1の開催カレンダーはヨーロッパやそれ以外と言った形で、ある程度グループ化はされてきた。しかしフライアウェイ戦などでは、開催時期に変則的なモノも存在する。
例えば今年初開催を迎え、大盛りあがりのうちに閉幕したマイアミGPがそうだ。北アメリカでわずか1週間を過ごした後、スペインGPに向けてヨーロッパへ戻ることになった。また連戦で行なわれるアゼルバイジャンGP-カナダGPも地理的には大きく離れている。
ドメニカリCEOはこのミーティングで何が話し合われたかは、詳しく言及しなかった。しかし前述のアゼルバイジャンGPを例に取ると、中国GPや日本GPと共にアジア圏でまとめて開催される可能性があるということが分かっている。
なお、この方針が複雑化する要因としては、中国での新型コロナウイルスの状況が不安定で見通せないことが挙げられる。
それ以外にも、マイアミGPとカナダGPを組み合わせるオプションも考えられている。伝統のモナコGPを5月末から動かさないとすれば、どちらかのグランプリが1月前倒しされるか、後ろ倒しされるかということになるだろう。
なお中東でのレースは、バーレーンとサウジアラビアがシーズン序盤、カタールとアブダビが年始に組み込まれる可能性もある。
拡大を続けてきたF1が今後、どういった開催形態に落ち着くことになるか、早ければ2023年カレンダーで明らかになってくるだろう。
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