PU交換でペナルティ多発のシーズン終盤戦。各F1チーム代表は不満を理解も「良い代替案はない」
不満の声が挙がることも多いPU交換に伴うグリッド降格ペナルティについて、各チーム代表もすぐに適切な代替案が思いつかないようだ。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
全22戦で争われる2021年シーズンのF1も、すでに終盤戦。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス)によるタイトル争いは僅差のままだが、両車すでに4基目のパワーユニット(PU)コンポーネントを導入し、グリッド降格ペナルティを消化している。
残りの5レースで再びPU交換によるペナルティを受ければ、現在12ポイント差のタイトル争いに決定的な影響が及んでしまうだろう。今季はメルセデスがエンジン(ICE)の信頼性に懸念を抱えていることもあってか、すでに他にも多くのマシンがグリッド降格ペナルティを受けている。
そうした背景もあり、PU交換に対する現行のペナルティシステムを変更すべきではないかという声も出ているが、メルセデスのトト・ウルフ代表は、ドライバーではなくチームだけにペナルティを科すシステムの導入は難しいと主張している。
「PUのペナルティシステムはかなり健全なものだと思う」
グリッドペナルティの概念を見直す時期が来たと考えているかと質問を受け、ウルフはmotorsport.comにそう答えた。
「なぜなら我々が避けなければならないのは、数レースだけ最高のパフォーマンスを発揮するようPUを作るようなルールにしてしまうことだからだ」
「もしレギュレーションを変更して、ドライバーにはペナルティを科さず、コンストラクターズポイントだけにペナルティを与えるようにしたとしても、ドライバーズチャンピオンシップを争っているチームは、そのクルマにエンジンを投入するだろう」
「良い解決策が見つかれば、検討する価値はあると思う。新しくF1に入ってきたファンにとっては、ドライバーの責任でもないのにペナルティで最後尾になったり、5~10グリッド降格したりするのは混乱を招く。明らかに良くないことだが、私は代替案を持っていない」
ウルフと同様、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、制限を引き上げればそれだけ、PUマニュファクチャラーも限界を攻めることになるだろうと警告している。
「ペナルティがあるのは理想的ではないという指摘は、当然受けている」と、ザイドルは語った。
「しかし正直なところ、この問題に対する簡単な解決策は見当たらない。例えば、エンジンの数を3基から4基にしようとすると、その分エンジンを回してしまうので最終的には5基になってしまうだろう」
「結局のところ、全てのメーカー・チームがお互いに激しくプッシュし合っているため、使っている技術を限界まで、あるいはそれ以上にプッシュしてしまう。その結果、問題やトラブルが発生してしまうということなんだ。だから、今はそれを受け入れて、やっていくしかない」
2021年限りでホンダからPUを引き継ぎ、新たにマニュファクチャラーとなるレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、現在のPU使用制限基数は少なすぎると考えている。
「私は2基や3基のエンジンのファンではない。私から見て、1シーズンに4基のエンジンを使うことが多いと思う。だからこそ、今後に向けて気をつけなければならないことがある」
「つまり、(1シーズンに使える)エンジンを2基にするという話もあるが、それは間違いだと思う。だから、賢明なバランスが必要なのだ」
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