F1技術分析|高地メキシコ、課題はマシンの冷却能力。各チームが持ち込んだアップデート
F1チームは、高地にあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットに対応するため、いくつかアップデートを持ち込んでいる。
写真:: Giorgio Piola
2022年シーズンも終わりに近づき、大半のチームが来年に向けた開発に集中しており、レースに多くの新しいパーツを持ち込むことは少ない。
しかしメキシコGPの舞台であるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは海抜2200メートルに位置し、シーズン中最も標高の高いサーキットでのレースとなる。次に標高が高いサーキットはブラジルのインテルラゴスとなるが、こちらは海抜700メートルにすぎないことからも、いかにメキシコが特殊なのかが分かるだろう。
メキシコでは空気の密度が小さいため、空気抵抗とダウンフォース発生量が減るという特徴もあるが、チームにとって悩みのタネとなるのは冷却だ。
空気が薄いため、マシンの冷却能力が不足しがちとなるため、リタイアやトラブルにつながるオーバーヒートを防ぐためにもシーズン最大レベルの冷却対策が施される。
FIAがテクニカルドキュメントで発表した10個のアップデートのうち、メキシコのコースに対応するための冷却改善に関していないものはわずか2個だった。
McLaren MCL36 rear suspension
Photo by: Giorgio Piola
そのうちのひとつが、マクラーレンMCL36のリヤブレーキダクトアセンブリ。ウイングレットが追加され、局所的な気流の改善とダウンフォースを向上させている。
もうひとつのパフォーマンスアップデートは、アストンマーチンがフロア後方への流れを改善することを目的に、リヤディフレクターの下縁のデザインを調整している。
レッドブルはエンジンカバーの後端中央のジオメトリーを変更。よりエンジンカバー内の気流を排出しやすくすることで、冷却能力の向上を目指している。
マクラーレンは、リヤブレーキダクトウイングレットの他に、3つの冷却アップグレードをFIAに通知した。エンジンカバーのスロットを増やし、冷却ルーバーをいくつか取り付け、マシン後部のガーニーフラップを調整して、マシン後部から排出されるエアフローを増加させている。
アルファタウリも、3つの冷却関連のアップグレードを実施。フロントブレーキダクトの出口側を拡大。ブレーキディスクとキャリパーへのエアフローを改善した。また、エンジンカバーのデザインも変更し、トップデッキをよりフラットでワイドなものにすることで、リヤのエアフローを改善している。
ウイリアムズもこのイベントのために新しい冷却ルーバーをいくつか用意しているが、空力性能に有害な影響を与えることから「必要な場合にのみ使用する」と述べた。
アルファロメオはフロントジオメトリーを変更し、カットアウトを変更したアップデートフロアを今大会に持ち込んだとFIAに報告している(ただし、これは前戦アメリカGPに最初に持ち込まれたもの)。
メルセデスもメキシコ用に新しいエッジのフロアを用意したと発表したが、これはFP1でニック・デ・フリーズが使用した古い仕様のフロアを活用し、テスト的に使用されたものに過ぎない。
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