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”ポーポイズ現象”の治療法は空力開発? 空力デザイナーのミジョー「悲劇的な結果になる可能性もある」

バルセロナのテストで多くのチームで苦しんだポーポイズ現象。各チームは風洞で改善方法を見つけるだろう。しかしもし素早く解決できなければ、FIAが対応を求められる可能性がある。

Lando Norris, McLaren MCL36, leads Lewis Hamilton, Mercedes W13

写真:: Carl Bingham / Motorsport Images

 2022年のレギュレーション変更により、F1マシンはグラウンド・エフェクトによりダウンフォースを得るようになった。だがバルセロナで行なわれた最初のプレシーズンテストでは、多くのクルマが”ポーポイズ現象”に悩まされた。

 グラウンド・エフェクトカーは、床下に設けられたヴェンチュリ・トンネル内を気流が通り抜けることにより、強力なダウンフォースを発生させる。速度が増せば増すほど、ダウンフォースが増えていき車高が下がっていくが、バンプや車両の姿勢変化、気流が阻害されるなどの要因でダウンフォースが抜けると、車高が上がる。ダウンフォースが復活するとまた車高が下がるの繰り返しで、マシンが大きく上下動してしまうのだ。

 ポーパシングとも呼ばれるこの現象は、以前F1マシンがグラウンド・エフェクトを活用していた1970年代後半から80年代前半にも見られた問題だ。また他のカテゴリーでは、1999年のル・マン24時間レースでメルセデス・ベンツ・CLRが宙を舞ったのも、この問題が一因だとされている。

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 ハイノーズを持つ革新的なティレル019の空力デザインを担当し、複数カテゴリーの空力開発に携わってきたジャン=クロード・ミジョーは、F1ではサスペンションによる問題解決の選択肢が限られているため、チームは空力開発によって解決策を見つけることに集中しなければならないと語っている。

「アクティブサスペンションが禁じ手であることが分かっているため、メカニカル面での”治療法”は、自由度や使えるパラメーターが非常に少なくなってしまう」

 ミジョーはmotorsport.comにそう話す。

「どんなコーナーを選んだとしても、マシンを最適なポジションにするための、スタティック・フォース(静的耐力)の最適化は無視できない。これは戦略的なことなんだ」

「サスペンションに関しては、何らかの発明をしない限りは……イナーターがあれば助けになったかもしれないが、それも禁止されている」

 イナーターダンパーは、マクラーレンが2005年にF1に持ち込んだ技術であり、サスペンションの振動を素早く抑制するコンポーネント。今や多くのレーシングカーで採用されている技術だが、2022年のレギュレーション変更によりF1では禁止となった。

「だから、解決策は風洞の中にあるんだ。そうした力を調べて、スタティック・フォースと合わせて最適化することなんだ」とミジョーは語る。

「私は解決に時間がかかるのではないかと恐れている。バルセロナで見たものは、氷山の一角に過ぎないのだから……」

 ミジョーは、ポーポイズ現象の原因は周期的な気流のストールというより、高速走行時にアンダーボディで生まれる力が、マシンの持つ固有振動数に近い動きを誘発することにあると考えている。

 またもしチームが解決策を見つけられなかった場合、FIAが対応しなければ、バンピーなサーキットを訪れた際に”悲劇的な結果を招きかねない”とミジョーは付け加えた。

「バンピーなサーキットでは悲劇的なことになるだろうし、レースでもそうだ。なぜなら、オーバーテイクのためにハードブレーキングすると、この現象が大いに刺激されるからだ」

「だから、もしかしたらとても悪いことが起こるかもしれない。その前にFIAが反応すると思う。誰も最善の解決策を見つける時間がなければ、FIAが反応せざるを得ないだろう」

「もちろん、それが間違いであることを望む」

「新しいクルマは、ダウンフォースの多くをアンダーボディに依存している。それが一気に失われてしまうんだ」

「それがすべての原因かもしれない。だがそれを変えるとダウンフォースが減り、すごく遅いクルマと向き合わなければならなくなる。良くないことだけど、現時点で、それは最悪ではないのかもしれない」

 
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