F1
【F1メカ解説】アルファタウリAT04の進化を振り返る。最下位争いから入賞の常連へ……驚異的なジャンプアップ
2023年シーズン前半は、最下位チームの一角に過ぎなかったアルファタウリ。しかしシーズンを通じて積極的なアップデートを行ない、後半には大きくパフォーマンスを向上させた。そんなアルファタウリAT04の進化を振り返る。
Matt Somerfield Giorgio Piola
編集: 2024/01/05 9:55
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2023年シーズン、厳しいパフォーマンスで開幕を迎えたアルファタウリ。しかしシーズン終盤に投入したアップデートが大成功し、大きくパフォーマンスを引き上げることになり、入賞の常連となった。
そんなアルファタウリAT04の進化を、改めて振り返っていく。
Photo by: Giorgio Piola
AlphaTauri AT04 new side detail
アルファタウリは、オーストラリアGPが実質的なアップデート開始となり、その後グリッド上で最も集中的な開発サイクルを進めていった。主な部分はフロアの前方のセクションであり、周囲の気流変化を活用すべく、フェンスの全てに装飾が施されている。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 rear detail
アルファタウリは最高速を向上させるために、サウジアラビアGPの段階で既に、ダウンフォースと空気抵抗を削減した新しいリヤウイングを準備していた。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 detail
こちらもサウジアラビアGPでの写真。マシンのエンジンカウルとサイドポンツーンのカバーが取り外されている。パワーユニットの上部にはサドルクーラーが置かれ、エアボックスから取り入れた気流で冷却に活用している。またエアボックスが2層に分かれ、エンジンにも気流が送られているのがよくわかる。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
フロアのエッジウイング、前方部のクローズアップ。上部にフラップが立ち上げられ、下部には3本のストレーキが存在して、4つのトンネル状の気流の流路を形成している。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
サウジアラビアGPでの、AT04のリヤエンドを撮影した1枚。ビームウイングが2枚で構成されており、下の1枚は中央の衝撃吸収構造を挟んで、左右に1枚ずつ伸びるようなレイアウトになっている。上の1枚は、左右のリヤウイング翼端板を1枚で繋げるような形になっているが、中央部分はエキゾーストパイプを避けるようにレイアウトされている。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
AT04のディフューザーのサイドウォールには、前方部分に四角い切り欠きが存在している。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
AT04のサイドポンツーン内部。ラジエター、上部ディフレクターパネル、楔形のオイルタンクのレイアウトがよく分かる。
Photo by: Filip Cleeren
AlphaTauri AT04 technical detail
スペインGPでは、リヤウイングの翼端板下部にスウェッジライン(下から上に斜めに伸びる膨らみ)を追加。周囲の気流と結びつけた。
Photo by: Giorgio Piola
AlphaTauri AT04 technical detail
ブレーキディスクのアッセンブリー。フロントもリヤも、ブレーキディスクを全周にわたって覆うようなフェアリングが取り付けられている。これはブレーキディスクをホイールリムから隔離し、タイヤ内部の温度をコントロールするために役立てられているはずだ。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 rear detail
ベルギーGPに持ち込まれた、ローダウンフォース仕様のリヤウイング。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 rear detail
オランダGPでのAT04のリヤエンド。この写真は、ディフューザー内部をよく観察することができる。ボートテールと呼ばれるフロアが立ち上がる部分の形状が非常に複雑になっているのがよく分かる。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
リヤウイングのフラップと、翼端板の接続部。2022年シーズン、現行レギュレーションが施行された直後は、翼端板とリヤウイングが一体化するような形状のモノが常だった。しかし2023年にはフラップがあたかも単独で存在しているかのようなデザインが流行。アルファタウリもこれに倣った。このデザインにより、ウイング先端で形成される空気の渦を制御しているのだ。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
イタリアGPで投入された超低ダウンフォース仕様のリヤウイング。ビームウイングは、流行の1枚仕様ではなく、2枚が存在。上の1枚は、エキゾーストパイプのすぐ下に設けられ、非常に薄い。また下の1枚は、ディフューザーの直後に、非常に薄いエレメントとして存在している。
Photo by: Filip Cleeren
AlphaTauri AT04 technical detail
日本GPのビームウイングと比較すると、イタリアGPの特殊性がよく分かる。日本GPでは、2枚のビームウイングが近いところに存在しているのが一目瞭然だ。
Photo by: Filip Cleeren
AlphaTauri AT04 technical detail
アルファタウリAT04のリヤビューミラーは、本体の上下をフラップが包み込むような形状になっていた。その後方には、ヘイローの付け根部分に寄り付けられたL字型のフラップも見える。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 detail
カタールGPの際に使われた、フロアのエッジウイング。前端と後端は、若干ではあるものの捩れたような形状になっていた。その捩れ方向が前後で逆になっているのも興味深い。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 detail
そのカタールGPでは、フラップが単独で存在するようなレイアウトのリヤウイングが使われた。この角度から見ると、フラップが独立して存在するように見えても、かろうじて繋がっていることがよく分かる。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
リヤウイングを側面後方から見ると、その形状がさらによく分かるだろう。
Photo by: Uncredited
AlphaTauri AT04 technical detail
アメリカGPに登場したフロア。跳ね上げが以前に比べて大きくなり、その下面に取り付けられたストレーキの長さも延長されている。また、エッジウイングの形状も変わった。
Photo by: Giorgio Piola
AlphaTauri AT04 side detail
アメリカGPに投入されたアップデートパッケージは広範囲に及ぶもので、フロア全体、エッジウイング、フロアフェンス、エンジンカバー、リヤブレーキダクトのウイングレットなどに変更が加えられた。また、サスペンションフェアリングとの整合性をとるため、シャシー下部の形状にも変更が加えられた。
Photo by: Giorgio Piola
AlphaTauri AT04 sidepods detail
最終戦アブダビGPでは、古いデザインとアメリカGPで投入されたデザインのハイブリッド型フロアを投入した。
なお以下のリストは、アルファタウリが各グランプリで公表したアップデート項目のリストである。
-
サウジアラビアGP
- リヤウイング
-
オーストラリアGP
- フロア(下面)
- フロアフェンス
- フロアエッジ
- ディフューザー
-
アゼルバイジャンGP
- フロントウイング
- エンジンカバー(冷却)
- リヤウイング
- ビームウイング
- リヤブレーキダクト(フェンス&ウイングレット)
-
マイアミGP
- フロントウイング(アウトボード)
- ミラーアッセンブリー
-
モナコGP
- フロアフェンス
- フロア(フロント及びリヤタイヤ直前)
- フロアエッジ
- ディフューザー
- サイドポンツーンインレット
- エンジンカバー
- フロントサスペンション(ステアリングロック)
- リヤウイング
- リヤウイング翼端板
-
スペインGP
- リヤウイング
- リヤウイング翼端板スウェッジライン
-
カナダGP
- フロントウイング
-
オーストリアGP
- リヤウイング
- ビームウイング
- 冷却用ルーバー
-
イギリスGP
- フロア:アンダーフロア、フロアフェンス、フロアエッジ、ディフューザー
- エンジンカバー
- リヤブレーキダクトウイングレット
- リヤウイング
- ビームウイング
-
ハンガリーGP
- フロントウイング
- ノーズ
- フロア(リヤセクションの幅、下面)
- リヤウイング
-
ベルギーGP
- リヤウイング
-
オランダGP
- リヤウイング翼端板先端
-
イタリアGP
- フロントウイング
- ビームウイング
- リヤブレーキダクト(ウイングレットの取り外し)
- ミラーウイングレットの取り外し
-
シンガポールGP
- フロアボディ
- フロアエッジ
- ディフューザー
- サイドポンツーンインレット
- エンジンカバー
- リヤサスペンションフェアリング
- リヤブレーキダクト開口部および上部ウイングレットカスケード
- ミラー本体およびベイン
-
日本GP
- リヤウイング
- ミラー本体およびベイン
-
カタールGP
- フロアエッジ
-
アメリカGP
- フロアボディ、フェンス、エッジ
- エンジンカバー・ボディワーク
- リヤブレーキダクトウイングレット
- フロントサスペンションおよびシャシーの膨らみ
-
メキシコシティGP
- フロントブレーキダクトインレットの開口部
- エンジンカバーと排熱用開口部のサイズ
-
サンパウロGP
- なし
-
ラスベガスGP
- なし
-
アブダビGP
- フロアボディ、フェンス、エッジ
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