ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

新シーズンはホンダとタッグ。”成功”DNAを受け継ぐレッドブルRB14の進化

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新シーズンはホンダとタッグ。”成功”DNAを受け継ぐレッドブルRB14の進化
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協力: Matthew Somerfield
2019/01/16 8:34

レッドブルが2018年シーズンに走らせ4勝を挙げたRB14の開発を、写真とイラストで振り返る。

 2018年シーズン、特にシーズン後半に猛威を振るったのは、レッドブルRB14だった。信頼性の問題にも見舞われたこともあり、タイトルを争うところまではいかなかったものの、先の成功を収めたレッドブルのDNAを引き継いでいたとも言える。

 2014年以降、V6ターボエンジン+ハイブリッドシステムのいわゆる”パワーユニット”が導入された後は、メルセデスが圧倒的な強さを誇っていた。レッドブルは、一貫してルノーのパワーユニットを使い続けてきたが、パワーと信頼性の面で苦戦。レッドブルとルノーの関係は、次第に悪化していくこととなった。

 結局両者は2018年シーズン限りで袂を分かち、レッドブルは2019年シーズンからホンダ製のパワーユニットを搭載することになる。しかしそんな過渡期であった2018年シーズンも、レッドブルは4勝。かつて2010年から2013年まで4連覇した”優れたマシンを生み出す実力”を発揮した。

 レッドブルは2018年シーズン、どんな進歩を遂げてきたのか……一気に写真で振り返る。

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フロントサスペンションのレイアウトと空力処理

フロントサスペンションのレイアウトと空力処理
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

バージボードと、コクピット下のターニングベインのクローズアップ。剛性を確保するため、それぞれがどのように繋がれているかがよく分かる。

実にシンプル。ハロの空力処理

実にシンプル。ハロの空力処理
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

レッドブルは、ハロに小型のウイングなどを付けないことを選択した。同チームの伝統として、細かな空力パーツを極力嫌うという傾向もある。

コクピット横のボディワーク

コクピット横のボディワーク
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

この画像は、RB14のサイドポッドがどれだけ後退しているのかをよく示している。サイドポッド前方に巨大な翼状のパーツが張り出しているのは、サイドポッドの前端位置が後方だからだ。

リヤビューミラー

リヤビューミラー
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

レッドブルがシーズン中盤に投入したリヤビューミラー。フェラーリが投入しなモノに倣い、ミラー本体をケースが包み込み、その隙間を空気が流れるようになっている。

ヤビューミラー(後方から)

ヤビューミラー(後方から)
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

2本のステーによって支えられたケースは、よく見ると非常に複雑な3D構造になっている。

フロントサスペンションのディテール

フロントサスペンションのディテール
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写真:: Giorgio Piola

フロントサスペンションのプッシュロッドを交換するメカニック。非常に幅が広いアームになっており、マシン後方に向かう気流を整えるのに活用していると想像できる。皿バネ式の”ヒーブ”ダンパーを使用していた。

フロントサスペンションのディテール

フロントサスペンションのディテール
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写真:: Sutton Images

シーズン初期には、油圧式のヒーブダンパーを使用していた。

リヤホイールのハブ

リヤホイールのハブ
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

リヤのブレーキドラムは、耐熱処理が施されている。これにより、リヤホイールのリムとの関係を、最適化することが目指されている。

バージボード

バージボード
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

バージボードとディフレクター。スリットが入れられていたり、フィンが立てられたり、接続されていたりと、実に複雑な処理がなされている。

エンジンエアインテークプレナム

エンジンエアインテークプレナム
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写真:: Giorgio Piola

左右のシリンダーバンクそれぞれに効果的に空気を供給するため、エアインテークのプレナムが左右独立したレイアウトになっている。

エアインテーク

エアインテーク
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写真:: Giorgio Piola

エアインテークの内部は3分割されている。下部は左右に分けられ、エンジンの空気をもたらすが、上部は補機類の冷却に用いられているようだ。

ある意味”シンプル”な美しさ。レッドブルの伝統

ある意味”シンプル”な美しさ。レッドブルの伝統
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空力面に優れたRB14。しかしその形状は実にシンプルであるとも言える。エンジンカウルも実に小さく絞り込まれている。

気流の確認? フロービスペイント

気流の確認? フロービスペイント
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写真:: Sutton Images

気流を確認するため、フロービズと呼ばれるペイントが塗られたRB14。

リヤエンドのディテール

リヤエンドのディテール
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写真:: Giorgio Piola

開幕前のテストでは、ディフューザーにフロービズを塗り、気流を確認していた。

アゼルバイジャンGPのリヤウイング

アゼルバイジャンGPのリヤウイング
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写真:: Giorgio Piola

長い全開区間が存在するアゼルバイジャンに、レッドブルは非常に薄いリヤウイングを採用し、トップスピードを重視した。メインプレーンは中央のピラー部分で少し上に持ち上げられ、逆にフラップの中心部は少し上端が切り取られたような格好になった。翼端板の前端には、2本のスリットが入れられている。

フロントウイング、翼端板の変更

フロントウイング、翼端板の変更
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写真:: Giorgio Piola

スペインGPでは、フロントウイングのカナードを変更。翼端板下の形状なども修正した。

サイドポッド前方エリアのディテール:スペインGP編

サイドポッド前方エリアのディテール:スペインGP編
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写真:: Giorgio Piola

(1)バージボードをの形状を変更。これに伴い、フットプレートの形も変わった。(2)ブーメラン形状のウイングレットを追加。(3)フロア前端のストレーキを追加し、6枚とした。(4)フロア端部に入れられたスリットの形状を変更。ディユーザーおよびリヤタイヤ前方へ向けて流れる気流を整えた。

サイドポッド前方のディテール:フランスGP

サイドポッド前方のディテール:フランスGP
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写真:: Giorgio Piola

レッドブルは、フランスGPに向けても、バージボードエリアに変更を加えた。この時には櫛歯状のフラップの形状と数を変更している。

フロントウイングの形状:イギリスGP

フロントウイングの形状:イギリスGP
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写真:: Giorgio Piola

イギリスGPでリカルドは、複数のフロントウイングフラップを試した。これにより、バランスの改善を目指したのだ。なおFP1ではフラップ後端にガーニーフラップを追加した。

フロア後端のスリット:ドイツGP

フロア後端のスリット:ドイツGP
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写真:: Giorgio Piola

この数年、フロアの端部にスリットを入れるのが流行。各チーム様々なアイデアを生み出してきた。ドイツGPのレッドブルは、周囲を完全に囲まれた長いスリット2本を設けてきた(黄色で塗られた部分)。左上サークル内の旧型を比較すると、その違いが分かる。

リヤウイングのモンキーシート

リヤウイングのモンキーシート
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写真:: Giorgio Piola

ハンガリーGPでのレッドブルは、ハイダウンフォースのパッケージを採用。リヤウイングのフラップを大きくしただけでなく、センターピラーにモンキーシートを取り付け、さらにTウイングも追加してきた。

リヤウイングのディテール

リヤウイングのディテール
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

レッドブルがハンガリーGPに投入したTウイングとモンキーシート。

フロア端部のディテール

フロア端部のディテール
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

長いスリットが入れられた、RB14のフロアパネル。

リヤウイング:ベルギーGP仕様

リヤウイング:ベルギーGP仕様
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写真:: Giorgio Piola

レッドブルがベルギーGPに投入したリヤウイング。シンプルで薄いフラップとメインプレーンの組み合わせとなった。

リヤウイング:イタリアGP仕様

リヤウイング:イタリアGP仕様
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写真:: Giorgio Piola

モンツァに投入されたリヤウイング。メインプレーンの前端両サイドは、ベルギーGP仕様とは異なり、複雑な曲線を形成。また翼端板の下端部分は、小さく絞り込まれている。

フロントウイング翼端板:ロシアGP仕様

フロントウイング翼端板:ロシアGP仕様
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写真:: Giorgio Piola

シーズン後半になるにつれ、フロントウイングの翼端板後端部分が複雑化していった。ロシアGP仕様は複雑な気流のチャンネルが設けられていた。

フロントウイング翼端板:旧型

フロントウイング翼端板:旧型
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

旧型のフロントウイング。翼端板後部は、気流チャンネルを残されているものの、形状自体はシンプルだ。

ディフューザー:ロシアGP仕様

ディフューザー:ロシアGP仕様
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

RB14のディフューザーはシーズン中に大きな進歩を遂げた。ロシアGPで使われたバージョンは、非常に複雑な3D形状を形成。左右中央部分に、緩やかなカーブを描いた。

ディフューザー:旧型

ディフューザー:旧型
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写真:: Sutton Images

RB14のディフューザーは、当初左右に四角を形成する形状であったが、シーズンを経るごとに前ページのような形状に進化した。

フロアパネル

フロアパネル
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

スリット状の穴が開けられた、RB14のフロアパネル

フロアパネル:メキシコGP仕様

フロアパネル:メキシコGP仕様
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写真:: Giorgio Piola

メキシコGPに投入されたフロアパネルは、さらに複雑な形状に。剛性強化と、スリットにタイヤかすが挟まるのを防ぐため、スリットの中腹2箇所にフィンが立てられた。

バージボードのフットプレート

バージボードのフットプレート
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

年々複雑さを増すF1マシンのバージボード。特にそのフットプレートは複雑さを増し、多くのフィンや櫛状のカナードがつけられている。

ディフレクター:ブラジルGP

ディフレクター:ブラジルGP
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

サイドポッドの横に並べられたディフレクター。最終仕様では、写真のように3分割され、その3枚が地面と水平方向のフィンによって接続されている。

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この記事について

シリーズ F1
チーム レッドブル・ホンダ 発売中
執筆者 Giorgio Piola