ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

ホンダとの1年目はランク9位。トロロッソSTR13開発の歩み

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ホンダとの1年目はランク9位。トロロッソSTR13開発の歩み
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協力: Matthew Somerfield
2018/12/22 7:31

ホンダとの1年目を過ごしたトロロッソ。そのマシンSTR13開発の歩みを、写真と共にプレイバック

 トロロッソは、パワーユニットのメーカーを度々変更してきた。しかし、そんな状況の中でも比較的成功させていると言えるだろう。

 現行のV6ツインターボエンジン+ハイブリッドシステムのいわゆる”パワーユニット”レギュレーションが導入された当初、トロロッソのパートナーはルノーだった。しかし、2016年からはフェラーリ製に変更し、2017年には再びルノー製に戻すこととなった。その後2017年のシンガポールGPの際に、2018年からホンダに切り替えることを発表。このホンダ製への切り替え決断のタイミングは、常識では考えられぬほど遅いものだった。

 パワーユニットメーカーを切り替えるのは、想像以上に難しいことだ。パワーユニットはそれぞれ、物理的にも、冷却面でも、さらには空力面でも、求められることが大きくことなっている。このことは、STR13に対する作業についても影響を与えたはずだ。

 2015年からF1に復帰したホンダは、メルセデスやフェラーリ、そしてルノー製のパワーユニットとのパフォーマンス差を縮めている。そのためには、トロロッソとの戦いは、走る実験室とする上でも必要不可欠だった。そして来季から、トロロッソの姉妹チームであるレッドブルも、ホンダ製パワーユニットを使うことになっている。

 トロロッソは、2018年シーズンをどう戦ってきたのか? そのマシンのディテール写真と共に見ていく。

スライダー
リスト

エンジンカウル内部

エンジンカウル内部
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写真:: Giorgio Piola

イギリスGPで撮影された、エンジンカウルが外されたSTR13。エアボックスの上にクーラーが載せられているかなど、チームがどのように冷却レイアウトを実現したかが分かる。

ハロの整流フィン

ハロの整流フィン
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写真:: Giorgio Piola

トロロッソは、ハロに取り付けるフィンを積極的に活用した。多くのチームはハロの上部にフィンを取り付けたが、トロロッソはその下部にも搭載。新車公開時には、センターピラーの後方に下向きのフィンを取り付け、気流を制御していた。

ステアリングホイール

ステアリングホイール
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写真:: Erik Junius

トロロッソSTR13のステアリングホイール

フロア後端

フロア後端
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写真:: Gorgio Piola

トロロッソはこの数年、革新的なアイデアを生み出すチームであると知られており、他のチームがそれをコピーしてくることがある。近年では特に、フロアの処理に注目が集まっている。2018年シーズン、その複雑さのレベルはさらに高まり、リヤタイヤ直前が独特の形状となり、多くのスリットが入れられている。

フロントウイング翼端板

フロントウイング翼端板
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写真:: Giorgio Piola

トロロッソはアメリカGPにアップデート版のフロントウイングを投入した。しかしフリー走行の時間が限られており、次の走行機会まで実戦投入が見送られることになった。この新しいフロントウイング翼端板のデザインは、他のチームが投入したものと同様、翼端板の本体部分が短くなり、その後方に追加のフラップ(矢印)が備えられたものだった。

バージボード

バージボード
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写真:: Giorgio Piola

アメリカGPに投入された空力アップデートはフロントウイングだけではない。バージボードは複数に分割され、背の高い前方のパーツは、その中央にスリット(赤い矢印)が入れられた。またサイドポッドに取り付けられたディフレクター(白い矢印)は3分割され、それぞれが地面と並行に設置されたフィンで繋げられていた。

バージボード(新車発表会時)

バージボード(新車発表会時)
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写真:: Mark Sutton

こちらは発表された当時にSTR13に取り付けられていたバージボード。アメリカGPのモノと比較すれば、その違いは一目瞭然。シーズンを通じて、最も進化したエリアだと言えるだろう。

フロービステスト&高速カメラ撮影

フロービステスト&高速カメラ撮影
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写真:: Sutton Images

トロロッソがバルセロナテストで走らせたSTR13。緑色のフロービズを塗り、その気流の動きを確認している。またウイング右側には高速撮影カメラが取り付けられ、そのたわみを確認していた。

ガスリーがテストで走らせるSTR13

ガスリーがテストで走らせるSTR13
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写真:: Glenn Dunbar / LAT Images

バルセロナのテストでは、より広範囲にフロービズを塗っていた。

ディフューザー(バーレーンGP)

ディフューザー(バーレーンGP)
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写真:: Mark Sutton

STR13のバーレーンGPでのディフューザー

フロントブレーキアッセンブリー

フロントブレーキアッセンブリー
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写真:: Mark Sutton

車軸に穴が開けられ、気流を吹き出すブローアクスルを採用したトロロッソ。

ハロの上下整流フィン

ハロの上下整流フィン
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写真:: Giorgio Piola

ハロの上下に取り付けられたフィン。これでコクピット周辺の気流を制御している

フロントサスペンション、サードダンパー

フロントサスペンション、サードダンパー
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写真:: Mark Sutton

フロントサスペンションのサードダンパーを交換するトロロッソのメカニック(中国GP)

バージボード(アゼルバイジャン)

バージボード(アゼルバイジャン)
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写真:: Mark Sutton

アゼルバイジャンGPで使われたバージボード

フロア後端部

フロア後端部
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写真:: Giorgio Piola

アゼルバイジャンGPで使われたフロア。リヤタイヤの直前部分には、複雑にスリットが取り付けられ、後方へ向かう気流を整えている。

フロント部分のスタイル

フロント部分のスタイル
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写真:: Andrew Hone / LAT Images

STR13のフロント部分を、上方から確認(モナコGP)

バージボード(モナコGP)

バージボード(モナコGP)
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写真:: Giorgio Piola

モナコGPに投入されたバージボード。アゼルバイジャンGP時のそれとは、大きく形状が異なっている

ノーズ下のターニングベイン

ノーズ下のターニングベイン
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

ノーズ下に取り付けられたターニングベイン。3分割され、その下端フットプレート部分も、さらに3分割されている。

ノーズコーン内部

ノーズコーン内部
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写真:: Giorgio Piola

STR13のノーズコーン内部。Sダクトのチャンネルが2分割され、その後ひとつに合流されているのが分かる。

フェラーリ型リヤビューミラー

フェラーリ型リヤビューミラー
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写真:: Giorgio Piola

シルバーストンに投入された、フェラーリタイプのミラー。黒いカーボン地のままのミラー本体を、車体と同じ色でカラーリングされたカバーが覆っている。リヤウイングへ向かう気流を制御するのが目的だと考えられる。

小型Tウイング

小型Tウイング
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写真:: Mark Sutton

ハンガリーGPで使われた、波型になり中央にスリットが入れられたTウイング。リヤウイングのセンターピラーに取り付けられている。

バージボード(ハンガリーGP)

バージボード(ハンガリーGP)
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写真:: Manuel Goria / Sutton Images

ハンガリーGPで使われたバージボードはさらに進化

サードダンバーを調整するメカニック

サードダンバーを調整するメカニック
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

ベルギーGPでマシンを準備するトロロッソのメカニック。フロントサスペンションのサードダンパーの構成がよく分かる。また、アッパーアームを路面と並行に近づけるため、アップライトの上方にピボットが伸ばされている。

リヤサスペンション

リヤサスペンション
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

リヤサスペンションのアッセンブリー。アッパーアームはブレーキアッセンブリーの上端に取り付けられているが、ロワアームは中央部分に取り付けられ、マシン下部の空間を確保している。

ディフューザー(ロシアGP)

ディフューザー(ロシアGP)
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写真:: Mark Sutton

ロシアGPのディフューザー。バーレーンGP時とそれほど大きく変わらないが、縦に取り付けられたフィンやそのサイド部分にスリットが入れられている。

バージボード(ロシアGP)

バージボード(ロシアGP)
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写真:: Mark Sutton

ロシアGPのバージボード

エキゾーストパイプ

エキゾーストパイプ
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写真:: Giorgio Piola

ロシアGPでは、エキゾーストパイプの上部に、リヤウイングのピラーから吊り下げられたウイングレットを追加

データを収集

データを収集
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写真:: Mark Sutton / Sutton Images

マシン後部の気流データを計測するブレンドン・ハートレー(日本GP)

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シリーズ F1
チーム トロロッソ・ホンダ 発売中
執筆者 Giorgio Piola
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