F1、2021年の18インチタイヤ導入に合わせ、タイヤウォーマーも禁止へ
F1は次のタイヤ供給契約の入札を開始。2021年からは、ホイールリム径18インチのタイヤへの移行の他、タイヤウォーマーも禁止されるようだ。
FIAは、ホイールリム径18インチの低偏平タイヤへの移行が含まれる次の供給契約の入札を開始した。さらに、F1は2021年からタイヤウォーマーの使用禁止を試みるようだ。
次のタイヤ独占供給契約は、2020年から2023年までの4年間。そのうち、2020年だけは現行のタイヤサイズとタイヤウォーマーの使用が許される予定だ。
2017年からF1のタイヤはワイド化された。フロントタイヤの幅は245mmから305mmまで広がったが、2021年からは35mm幅が減り、270mmとなる。なお、リヤタイヤの幅は現行の405mmと変わらず。一方で、タイヤの直径は現在の670mmから”700~720mm”に変更される予定だ。
これらのことを考えると、現行のタイヤを供給しているピレリ以外のタイヤメーカーが入札した場合、2021年に予定されている大規模なレギュレーション変更前に、2020年のためだけにタイヤをゼロから開発する必要があるということだ。前回のタイヤ入札の際に、18インチへのインチアップを要求していたミシュランのようなメーカーにとっても、歓迎できる状況ではない。
またタイヤウォーマーの禁止も、入札を勝ち取ったメーカーにとっては技術的なチャレンジとなるだろう。タイヤウォーマーの禁止はこれまでも議論が行われ、導入が試みられてきたが、安全上の理由で行われてこなかった。しかしながらFIAは、今が導入を進めるべき時だと考えているようだ。
FIAの公式入札書類によると「ピットで加温されていない状態で置かれていたとしても、タイヤは安全な性能を発揮すべきである」とされている。
「絶対的なラップタイムに関しては、18インチのホイールに装着されたタイヤの性能は、作動温度領域において最低でも2019年のタイヤと同程度であるべきだ」
「大気温度、または路面温度が10℃を超える時、タイヤは決して”ガラス状態”(ゴムが弾性を失いグリップを失う)にならないようにガラス転移温度を選択しなければならない」
興味深いことに「冬のテストのために、低温用タイヤが必要となる」と、入札書類には書かれている。これは、利用できるレース用のコンパウンドが限られるため、ヨーロッパで行われる冬のテストでタイヤをチームに大量に供給するためだという。
一方で、ウエットタイヤとインターミディエイトタイヤはあらかじめ熱を加える必要なく、走行が可能でなければならないとされている。
FIAによればショーの改善が最優先事項であり、現行サイズのタイヤを使う最終年からそれをスタートすべきで、「タイヤの供給業者は、2020年シーズンの75%のサーキットでそれを達成することに取り組み、契約期間を通じてこの目標達成に向けてパフォーマンスを上げていく必要がある」とのことだ。
タイヤの内圧に関しては「ピークパフォーマンスを生む内圧でタイヤを安定させるため、タイヤが冷たい状態でも適切に内圧を安定させる能力が必要」だという。
タイヤ戦略の多様化
タイヤの呼び方についても各レースに持ち込まれる3つのコンパウンドで統一されハード、ミディアム、ソフトとされる。各タイヤについては、以下のように特徴付けられる。
ハード:レース距離の22%で、ベストラップタイムで2秒の性能劣化
ミディアム:レース距離の18%で2秒の性能劣化。ハードよりも1周1.2秒ラップタイムが速い
ソフト:レース距離の10%で2秒の性能劣化。ハードよりも1周2.2秒ラップタイムが速い
FIAは戦略の多様性が生まれることを望んでおり、「マルチストップ戦略によって有益な結果を出す可能性を十分に提供するような、多様な戦略でレースにスペクタクルを生む」としている。
タイヤの摩耗については、レース戦略への影響とタイヤウェアの限界を超えて走るのを防ぐため、ある段階で非直線的なパフォーマンス変化、いわゆる”崖”を作るためにトレッドの下に、性能の低い下地が作られるようだ。
さらにFIAは、タイヤのパフォーマンスが復活するようにするつもりであるようだ。攻撃的なドライビングや前を走るマシンについていくことでタイヤの性能劣化は激しくなるが、それを止めればすぐに性能劣化のレベルが回復するようになるという。
タイヤサプライヤーは8月31日までに入札しなければならない。その後、技術的および安全性に関する決定が9月14日までに行われ、次に入札を勝ち取ったメーカーの商業的な側面が考慮されるようだ。
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