コロナ禍”1年目”を何とか乗り切ったF1。ブラウン「不可能を可能にできたことが誇らしい」

F1マネージングディレクターのロス・ブラウンは、F1が新型コロナウイルスの影響を受けた1年目のシーズンを乗り切ったことを誇らしいと語った。

コロナ禍”1年目”を何とか乗り切ったF1。ブラウン「不可能を可能にできたことが誇らしい」

 新型コロナウイルスの影響で、世界中が影響を受けた2020年。F1もその例外ではなく、開幕が7月まで遅れた上、大幅にスケジュールを変更した。

 さらにF1とFIAは、シーズン開幕に向けて厳しい感染拡大防止プロトコルを導入した。全関係者が数日おきに検査を受ける体制も整えた。

 FIAの管轄下で行なわれた78000件以上の検査で、陽性反応が出たのはわずか78件だった。全20名のドライバーの中からは、セルジオ・ペレス、ランス・ストロール、ルイス・ハミルトンの3名がコロナ陽性反応を示し、レースを欠場せざるを得なかった。

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 FIAやF1、チーム、メディアなどを含め多くの人々が関わっていたことを考えると、ドライバーがコロナに感染した割合は高いとも言える。

 F1の競技面を統括するマネージングディレクターであるロス・ブラウンは、シーズンを通じて最もパンデミックの危険が高かったケースについて説明。これには通訳が関わっていたことを明かした。なお、ブラウンはこれがどのグランプリで起きたことなのか明言はしなかったが、9月のロシアGPで発生したと考えられている。

「(全体として、コロナの感染例は)検査1000回にひとりをわずかに超えるくらいだった」

 ブラウンはF1公式ポッドキャストでそう語った。

「一方で、20人のドライバー中3人が感染した。この割合は(全体と比べて)偏りがある」

「78件の陽性例のうち、かなりの数がサーキットで働く人々や地元の人たちだった」

「我々にとって最悪のクラスターが発生したのは、ある国の通訳者がコロナに感染したときだったと思う。彼はあるグループの人々のために通訳をしていたからだ」

「当然彼はそのグループに濃厚接触しており、いきなり小さなクラスターが発生した。しかし我々はすぐに対処した」

「だからアウトブレイクはほとんどなかった。メカニックやエンジニアなど、チーム内での感染数は非常に少なかった。データを分析するのは興味深い。F1の中でも最も入念に対処していた人のうち何人かが感染してしまったことも分かっている。感染経路は分からない」

 ブラウンはパンデミックに対処し、コロナ禍1年目のシーズンを乗り切ったF1を称賛した。

「危機的な状況の中でF1がいかにして完全なファミリーとして団結しているかを示す素晴らしい例だと思う」

「我々は大半の時間を、少なくとも私が(チームに在籍して)戦っていたときはお互いを潰そうと努力していた」

「だがこのような状況に直面した時、F1は団結するんだ。ほとんど不可能に思われていたことを今年みんなと共にできたことを本当に誇りに思う。この冒険が始まった時の状況を考えると、本当に誇らしい」

 ブラウンは新しいコロナ対策プロトコルを中心にシーズンを再編した段階では、多くのモノが未知だったことを認めた。

「もしアウトブレイクが発生し始めたら何が起こるのか、どのように対処するのか、コントロールできるのか、歯止めをかけることができるのか……誰も分かっていなかったと思う」

「この病気の病態や、どのように感染が広がるのか、十分に分かっている者はいなかった。初歩的なことは分かっていても、詳細までは把握していなかった。つまり感染者とどれだけ長く一緒にいたら危ないのか、感染者がどんなことをしたらリスクが高いか分かっていなかった」

「そうしたあらゆることが不確かだった。そして最初の陽性例が見つかった時は、我々が導入したシステムとプロトコルがアウトブレイクを抑制するのに十分なのかどうかを知る上で、不安な時間を過ごした。だが、それができたんだ」

「それでもシーズンが進むにつれてたやすく自己満足に陥り油断してしまうものなので、我々は用心深くなければならなかった。F1ではみんな、かなり入念だったと思う」

 コロナに対する理解も進んだが、ブラウンは2021年も引き続きコロナ対策プロトコルが適用されると認めた。

「スイッチを切り替えて来年に臨むつもりはない。今年学んだことを踏まえ、継続して取り組んでいかなければならない。ワクチンが効果を発揮するようになるのは、来年中になるだろう」

「だからこそ、我々は検査を続ける必要がある。検査の体制や方法論が変わるかもしれないが、間違いなくあと1年は入念に、プロトコルを続けなくてはいけない」

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シリーズ F1
執筆者 Adam Cooper