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角田裕毅、レッドブル適応はまだ道半ば? フェルスタッペンが持つアドバンテージとは

レッドブルでの3レースを終えて、角田裕毅はポイントを獲得するなどポジティブな兆しを見せているが、まだ適応は完了しておらず……マックス・フェルスタッペンとの違いはスピードだけではない。

Gianluca D'Alessandro

Gianluca D'Alessandro

公開日時: 2025/04/29 10:35

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Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

 開幕から5レースが終わり、レッドブルはコンストラクターズランキング3番手となっているが、日本GPではマックス・フェルスタッペンが優勝。マクラーレンの支配を打ち破っている。

 レッドブルの今季序盤は、それほど単純明快なものではなかった。

 チームは昨年のマシンRB20をよりシンプルにし、セットアップの選択肢やオペレーションウインドウを広げることを目標に、マシン開発を進めた。そうして生まれたRB21は、全体的には少しずつ改善されたものの、引き続き複雑で運転が難しいマシンであることが証明されてしまった。新加入のリアム・ローソンは大苦戦を強いられ、わずか2戦でチームはドライバー交代を決断。代わって角田裕毅がフェルスタッペンのチームメイトとなった。

 角田もRB21の挙動には手を焼いているが、レッドブルでの最初のレースとなった日本GPの走行開始直後からポジティブな兆候を示し、少なくともローソンとは違い、最下位から抜け出せることを証明した。

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Foto di: Sam Bloxham / Motorsport Images

 角田はRB21の特性やクセのようなモノを今のところ上手く消化できているが、まだ適応は道半ばだ。

 これはレッドブルが彼を称賛する理由のひとつでもあり、新たな環境とフェルスタッペンとの対戦で彼の肩にかかるプレッシャーを考慮したものでもある。レッドブルが定める目標は、角田がフェルスタッペンに勝つことではなく、フェルスタッペンから大きく離されることなくトップ10に食い込んでポイントを獲得することだ。サウジアラビアGPでは、1周目のアクシデントがなければそれを達成できていただろう。

 レッドブルRB21と比べると、レーシングブルズのVCARB 02は明らかにダウンフォースが少なく、パフォーマンスのピークも低い。しかし、オペレーションウィンドウが広いため、ドライバーとエンジニアはVCARB 02をより簡単に限界まで持っていくことができる。これは特にドライコンディションで顕著だ。

 これまでのところ、角田はRB21でバーレーンとサウジアラビア、2度の予選Q3進出を果たしている。レッドブルでの予選パフォーマンスに注目すると、フェルスタッペンとの比較においても、マシンから最大限の力を引き出すことにおいても、興味深い要素がいくつか浮かび上がってくる。

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Foto di: Steven Tee / Motorsport Images

RB21の理解不足から生じたミス

 角田はマシンの絶対的な限界に挑む予選Q3で全てのパズルを組み立てるのに苦労しており、2度のQ3でいずれもQ2のタイムを更新することができていない。

 バーレーンではターン10のヘアピンでミスを犯し、サウジアラビアではターン4の立ち上がりでのミスが重くのしかかった。

 このミスは、ローソンが経験した苦戦を彷彿とさせる。ローソンはRB21を駆って2回予選を走ったが、ミスをせずに最後のアタックを終えたことはなかった。

 角田もレッドブルに移籍してすぐ、RB21のフロントエンドがVCARB 02よりも極端に敏感なことに衝撃を受けたようだ。

「これまで4年間、(前身のトロロッソやアルファタウリ含め)VCARBでしか走ったことがなかったので、違うチームのマシンに乗るのは初めてです」

 角田は、サウジアラビアGPの週末にそう説明した。

「このチームではまだ新人のような気分なので、いろいろなセットアップを探っています。僕がやっている方法と比べて、マックスがどのように週末に自信に満ちた感覚を作り上げていくのかについては、もう分かっています。やり方は違いますし、マックスはすでにこのクルマに絶大な自信を持っていますから」

 レッドブルでの最初の2レースを分析すると、フェルスタッペンと角田は異なるセットアップでレースを戦った。角田はマシンの挙動に一貫性を持たせるために荷重を増やしたが、フェルスタッペンはこれまでと同様、リヤエンドにあまり荷重をかけないセットアップでレースを走った。

 特にRB21がストレートや中高速コーナーでラップタイムを稼ぐマシンであることを考えれば、この点は過小評価すべきではないし、フェルスタッペンが採ったセッティングの方向性がアドバンテージになっていると言える。

 だが、まだRB21でのレースが3戦目であることを考えれば、角田はマシンへの信頼度は十分なレベルに達していると考えている。

「自信という点では、まだ数レースしか走っていないし、これから成長していくことを考えれば、満足しています。今のところは、タイヤのウォームアップやセットアップの観点から、このクルマがどう動くのか、どうすればクルマが望むウインドウに入れるのかを理解しようとしています」

「まだ半分も理解できていないと思います。こういったことが、できるだけ早く理解するために取り組んでいる鍵なんです」

単なるスピードの問題じゃない。フェルスタッペンのアドバンテージ

 重要な場面でパフォーマンスを発揮できると語る角田が、一貫性の欠如を口にしたのは偶然ではない。RB21は予測不可能で運転が難しいクルマだということはたびたび証明されており、限界領域で一貫性を保つのは難しい。しかし、フェルスタッペンとの違いはそれだけではない。

 特にドライコンディションでは、タイヤの温度変化が敏感にパフォーマンスに影響するため、状況に対応できるよう可能な限りの手札を用意しておくことがマシンへの理解と同様に不可欠なのだ。その点で繊細なRB21は不利であり、フェルスタッペンだけがそれを克服し、乗りこなすことができているというわけだ。

「マックスは僕よりも多くのことを車内で感じ取っています」

 角田はそう語るとともに、まだレーシングブルズで味わったような自然さがないことを指摘した。

「例えばガレージを出るときのタイヤ温度などですね。Q1からQ3にかけて気温が下がったとき、マックスは順応します。気温が下がったら、ウォームアップラップをどう調整するか、各コーナーでどうタイヤを温めるか、ペースを上げるか、そういうことを知っているんです」

「自分では、これは感じませんでした。レーシングブルズで感じたものを感じることができなかったんです。このクルマではまだそれを感じることができないのは、たぶん完全にリラックスしてドライブできていないからでしょう」

「タイヤが非常に繊細になり、各コーナーでのコンマ1秒、あるいは数ミリ秒の違いが大きな違いを生むこのレギュレーションでは、こうしたディテールが本当に重要だと思います」

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Foto di: Sam Bloxham / Motorsport Images

新たな関係構築も必要

 クルマへの信頼だけでなく、担当エンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼとの関係性が生み出す効果も、フェルスタッペンにとっての強みのひとつでもある。遡ること数週間前、角田はバーレーンで、新しい担当トラックエンジニアであるリチャード・ウッドとのフィーリングを探っていることを説明していた。

「これは学習プロセスの一部なんです。タイヤのウォームアップ、(ステアリングホイールの)スイッチなど、すべての操作をよりスムーズにしなければいけません」

「全体的にかなりカオスです。今夜はウッディと一緒に出かけて、もう少し関係を強化する必要があるかもしれないですね」

 そうジョークを飛ばしていた角田は、2024年にもトラックエンジニアの変更を経験している。マッティア・スピーニからエルネスト・デジデリオに交代したのだ。しかし、デシデリオはすでにチームに長く在籍しており、角田との効果的なコミュニケーションの取り方を理解していた。

 レッドブルは旧型マシンテスト(TPC)を活用し、シルバーストンで角田をRB19で走らせた。さらに集中的なシミュレータ・セッションにより、角田がチームに馴染むのを早めようとしている。

 そうした取り組みを通してチームへの適応を進め、角田が”ウッディ”との信頼関係を強化することができれば、こうした課題は徐々に修正でき、フェルスタッペンへと近づいていけるはずだ。

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