中東レース復活の可能性も? F1は様々なシナリオを想定「残業を重ねながら、懸命に取り組んでいる」
リバティ・メディアは、中東情勢の悪化により中止となったレースの復活も含め、F1首脳陣が様々な選択肢を検討していると説明した。
Charles Leclerc, Ferrari, Lando Norris, McLaren, Oscar Piastri, McLaren, George Russell, Mercedes
写真:: Peter Fox
F1のオーナーであるリバティ・メディアCEOのデレク・チャンは、中東情勢の悪化で中止となったレースについて、F1の首脳陣が様々な選択肢を検討しながら、代替案を策定するために「残業」していると述べた。
アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで、中東情勢が悪化。これを受けてF1は、4月に予定されていたバーレーンGPとサウジアラビアGPを中止せざるを得なかった。
しかしF1は、紛争の終結時期や状況に応じて複数の代替プランを準備しているようだ。最も楽観的なシナリオでは、バーレーンGPかサウジアラビアGPのいずれかを復活させることだ。現在のところ、アゼルバイジャンGPとシンガポールGPGPの間の週末(10月2~4日)が、混乱を避けながら追加のレースを組み込める唯一現実的な選択肢とみられている。
また、シーズン最終戦を開催する契約を結んでいるアブダビGPの開催日(12月4~6日)を1週間後ろへずらし、カタールGPとアブダビGPの間にレースを追加することも可能だ。ただし、その場合はラスベガスGPを含めて史上例のない4連戦となり、すでに過酷な終盤戦のスケジュールがさらに厳しいものになる。
もっとも、これは中東情勢が最良の形で落ち着いた場合の話だ。現状では関係各国に明確な戦略が見られないため、紛争長期化によってカタールGPやアブダビGPの開催自体も危ぶまれる最悪のケースも想定しなければならない。
現実には、F1が各ステークホルダーや投資家、チームに対してあらゆるシナリオへ備えていることを示す責任がある一方で、中東情勢は依然として流動的であるため、現段階で個別のレース復活の可能性について語れる状況にはない。
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
リバティ・メディアのデレク・チャンCEOは、第1四半期の決算説明のためウォール街アナリスト向けに行なった会見で、F1のステファノ・ドメニカリCEOが「あらゆるシナリオ」を検討するため”残業続き”で対応しているとし、中東ラウンドのいずれかを再びカレンダーに盛り込む可能性を否定しなかった。
「我々は慎重に対応し、今年のカレンダーを継続的に評価していく。シーズン終盤に1レースを再設定できる可能性はある」とチャンは語った。
「様々な代替案を検討しており、変更や調整を行なう場合には、可能な限り十分な準備期間を確保できるよう、タイムリーな判断を下そうとしている。ただ、具体的な内容については、彼と彼のチームは残業を重ねながら、状況に追いつこうと懸命に取り組んでいるから、彼らに任せたいと思う」
ドメニカリも次のように付け加えた。
「憶測を避けるために言える唯一のことは、我々には計画があるということだ。ただ、それが実行されないことを願っている。レースだけでなく、世界情勢そのものが正常に戻ることを本当に願っている」
「もちろん計画はある。4月に開催できなかったレースを後から実施できる可能性と、11月末から12月初旬に何が起こるかによって、必要な準備期間や締切は異なる。チームやプロモーターとも連携していく。これは非常に大きな連鎖反応を伴う問題だからね。適切な時期に、皆さんへ情報を共有していく」
リバティ・メディアは、2026年第1四半期のF1収益が前年比53%増の6億1700万ドル(約966億円)に達したと発表した。前年同期は4億300万ドル(約674億円)だった。営業利益は1億700万ドル(約168億円)、コア営業利益(OIBDA)は1億7200万ドル(約269億円)となった。
2026年の第1四半期には、日本GPを含む3戦が開催され、2025年の2戦より1戦多かったため、数字にはその影響も含まれている。また、F1はスタンダードチャータードなどとの新規スポンサー契約締結によって収益を拡大。さらに、パドッククラブの拡張やその他ホスピタリティ事業からの収益増加にも強気な姿勢を示している。
一方、第2四半期の収益は、バーレーンGPとサウジアラビアGP中止の影響を受ける見込みだ。今年第2四半期は開催数が5戦のみで、昨年同期の9戦を大きく下回る。
「リバティ・メディアは2026年を好調にスタートした。F1は勢いを継続しており、MotoGPにおける長期戦略の実行も進んでいる」とチャンは述べた。
「F1は世界的プラットフォームとしての強さを示し続けている。ファン層の拡大とエンゲージメント向上が、あらゆる商業分野における強い需要を生み出している」
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