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F1で存在感を強める仮想通貨。懐疑的な意見に、F1チーム首脳ら反論

現在のF1には、仮想通貨関連企業がスポンサーとして続々と参入しているが、この業界には問題も多く、懐疑的な見方をする人たちもいる。しかしレッドブルやメルセデスなどのチーム代表らは、この意見に反論する。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, leaves the garage

写真:: Carl Bingham / Motorsport Images

 F1では年々、仮想通貨に関連するスポンサーが増えている。現在では、グリッドの大半のチームが、何らかのデジタル通貨企業と契約を結んでいる状況だ。

 ただ仮想通貨にはハッキングの危険性や犯罪行為との関連性、詐欺事件など、多くの問題が依然として存在しており、懐疑的な見方があるというのも事実だ。さらにビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク(PoW)型の暗号資産は多量の電力を消費するため、環境に与える影響についても疑問視されている。

 しかしF1チームの代表たちは、この仮想通貨に対する懐疑的な見方に反論。未来に向けた効果に目を向けるべきだと主張する。

 レッドブルは今シーズンから、仮想通貨取引のプラットフォームを提供する『Buybit』と3年間1億5000万ドル(約173億円)という巨額のスポンサー契約を締結した。この契約は、F1界の中でも最大級の契約と言える。

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、仮想通貨の世界は魅力的であり、環境保護の面でも十分にメリットがあると考えているという。

「世界は進化し、変化しているんだと思う。そして仮想通貨の分野全体は、魅力的なひとつである。全てのスポーツにおいてそれはより多く目にするようになってきているし、もちろん我々も注目しているところだ」

「我々は持続可能性について真剣に取り組んでいるし、もちろん我々のパートナー企業も同様だ。つまり、持続可能性を向上させることができる技術を、確かに探している。もしも我々がそれを成し遂げるのをアシストすることができれば、それはエキサイティングな新しい領域ということになるだろう。大きく注目を集めているのは素晴らしいことだし、F1がさらに魅力的なモノになっていくだろう」

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、消費電力に関する疑問は妥当であるとしながらも、それについては業界も認識しており、現在懸命に取り組まれていると考えている。そのため世界は、暗号資産を敬遠するのではなく、これから起こり得る変化を受け入れ、理解していく必要があると語った。

「持続可能性に関する議論は非常に重要だが、マイニング(承認作業)や消費エネルギーの量だけではなく、そのエネルギーがどこからもたらされるのかということも重要だ」

 そうウルフ代表は語る。

「しかし現在の技術に向けて、行動を止めるわけにはいかない。間違いなく、今後伸びていく分野だ」

「この10年を振り返れば、支払いに2日もかかる状況だったり、平日の昼間以外には支払いの手続きが行なえないという状況は、過去の遺物となりつつあるだろう。それが仮想通貨が通ってきた道だ」

「だからこそ、仮想通貨は金融の世界でもメジャーな存在になった。そして明らかに、F1での露出を求めている」

「私にとっては、暗号資産の取引について理解するのは、魅力的なことだった。そして(メルセデスのスポンサーである)FTXでは、毎日何十億ドルもの取引を行なっている」

「それは止めることのできないモノであり、正しく行なわなければならない。そして我々は確かに、持続可能性の目標について、彼らの良いスパーリングパートナーだと言えるだろう」

Alpine A522 floor detail

Alpine A522 floor detail

Photo by: Giorgio Piola

 アルピーヌF1のCEOであるローレン・ロッシは、仮想通貨のエネルギー消費量が批判の的となるのは不公平だと語る。彼曰く、ソーシャルメディアやエンターテインメント業界でも、連日同じようにエネルギーを消費していると指摘する。

「我々の世界全体が、日に日にデジタル化されていっていることを無視するのは難しい」

 そうロッシCEOは語る。

「記者会見を世界に放送するだけでも、かなりのエネルギーを消費しているはずだ。おそらく、最もエネルギーを使っているのはメディアだろう」

「我々は仮想通貨を受け入れている。それは通貨であり、デジタルの世界であり、新しい可能性をもたらしてくれるモノだと思っている。私としては、仮想通貨はまた、社会に悪影響を及ぼす現実の通貨の影響も軽減することができるのではないかと思っている」

「例えばコップ半分の水がある場合、半分入っているとも言えるし、半分入っていないとも言える。両方の見方ができるんだ。個人的には全面的に賛成だ。正しい方向に進んでいると思うし、新しい時代を切り開き、F1が過去にとらわれず、現代的でファンにとって相応しいモノであると示すために役立つと思う」

 アルファタウリのチーム代表であるフランツ・トストは、全ての仮想通貨を同じように考えるべきではないと語る。

 前出のPoWは、ブロックチェーンを確保し検証するために世界中の参加者(マイナー)が計算を競い合って行ない、最も早く答えを導いた者がブロックチェーンを更新すると共に、所定の量の仮想通貨を手にすることができる。つまり、ライバルに打ち勝つためには、高い情報処理能力を使って計算を行なう必要があり、そのためには膨大なエネルギーを消費することになる。しかも、それが世界中で重複して行なわれるわけだ。

 一方でプルーフ・オブ・ステーク(PoS)と呼ばれる仕組みは、特定のひとりがブロックチェーンを承認する形になるため、計算の競争や重複が発生せず、膨大なエネルギーを必要としない。

 アルファタウリのスポンサーであるファントムは、このPoSを使っているため、持続可能性を求める世界の流れに逆行しないと、トスト代表は言うわけだ。

「仮想通貨はビジネスの世界で重要な柱になりつつあり、彼らが我々と関わりたいと言うことについて、目を背けることはできない」

 そうトスト代表は語る。

「持続可能性について言えば、同じような形でエネルギーを作りだすわけではない。そのため、注意しなければならないし、持続可能性には沿わないと言い切るわけにもいかない。場合によるんだ」

「通貨が違えばその方法も異なるし、それは我々にとっても未来へ向けた重要な一歩となる。もちろん我々も、それをサポートしていく」

 
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