【F1】コスワース、2021年からの”新ルール”F1復帰に前向き
2021年からパワーユニットのルールが変更されるのに伴い、コスワースがF1への復帰を検討していることが分かった。
写真:: XPB Images
F1カスタマーエンジンの代名詞として名を馳せたコスワースが、2021年以降のF1復帰に向け、検討を進めていることが分かった。同社のエンジンを積んだマシンは、これまでにF1で通算176勝。最近では2013年のマルシャにエンジンを供給していた。また、2021年以降のエンジンルールを検討するミーティングにも、積極的に参加している。
まだ正式な決定は行われていないものの、シンプルで安価なV6ターボ・ハイブリッドのパワーユニットは、コスワースがF1に復帰できるスペックになると思われる。
コスワースのCEOであるハル・ライシガーは、F1の新ルールの方向性についても概ね満足しており、さらにはF1チームとの交渉も積極的に行われていることからも、このプロジェクトにリソースを投入する価値があることを十分に納得しているようだ。
ライシガーはmotorsport.comの独占インタビューに対して、次のように語った。
「私は既存のチームから十分なサポートを受けている。また、このプロジェクトを進めていくと決心できる、いくつかの議論を行った」
「より多くのチームが長期的にコミットしてくれた方がいい。しかし我々は、持続可能なパートナーになることができる既存もしくは将来参戦を目指すチームとの、口頭での合意を得ている」
F1パワーユニットの”新”ルール
コスワースは、2021年以降のパワーユニットの規格を決めるために設立された、ワーキンググループの中で重要な役割を果たしている。そして、そこで提案されている内容は、コスワースのような会社にとっても実現可能だと考えている。
ライシガーは、F1は熱エネルギーの回生をやめるべきだと言う。実際にこの分野は、各メーカーにとっても非常に難しいモノとなっていた。
「エンジンの規則が変更されるなら、F1に戻るのは適した事だと考えている。切実に変化を願うのは、(ターボからの)熱エネルギー回生だ。それは最も高価で、しかも時間がかかる」
「F1が2021年に新しいエンジンサプライヤーを求めるならば、その前にいくつかの変更が行われなければならない。我々は作業委員会に参加するよう招待されており、それには満足している。そしてそのプロセスに従事し、今後を楽しみにしている」
コスワースがF1に復帰したとして、メルセデスやフェラーリのようなメーカーに太刀打ちできるエンジンを供給することができるかと尋ねられたライシガーは、次のように答えた。
「もちろん、それはチームにとって大事だというだけではなく、我々にとっても目的となるだろう。しかし、もし競争力がないのなら、我々のブランドのためには、それをすべきではない」
「我々は素晴らしい、歴史的なブランドを持っている。そして、人々がレースに勝つのを手助けしたいと思っているのと同じように、我々は我々のブランドを守っていきたいと考えている。しかし、我々にはそれができると思う」
レッドブルとの関係性
コスワースが提携するチームは、レッドブルになるのではないかとの見方が強い。エイドリアン・ニューウェイ設計したアストンマーチンのハイパーカーには、コスワースのエンジンが採用されていることも、この見通しを強化する一因となっている。
ライシガーは、来年まで決断を下す必要はないと語るが、もし2021年からF1に復帰するのであれば、12カ月後にはパワーユニットの設計を開始する必要があると考えている。
「2018年から始めるのが、概ね普通だろう。もちろん、それを1年前倒しするという議論があるのを知っている。それはつまり、今すぐ動き出すということを意味する」
「我々の特異な能力のひとつとして、LMP1エンジンの例が挙げられると思う。それは11カ月でコンセプトからテストベンチに移行することができた。そういう能力に関しては、我々は実に迅速だ。同様のスピードで物事を動かす企業がどれくらいあるのかは知らないが、少なくとも我々はその能力を持っている」
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