ジャン・トッド「V8やV10エンジンは社会が受け入れない」
FIAのジャン・トッド会長は、”社会から受け入れられない”として、将来的にF1がV8やV10エンジンに回帰することはないと語った。
Start: Jarno Trulli takes the lead ahead of Michael Schumacher and Takuma Sato
LAT Images
F1の関係者の何人かは、現在採用しているV6ターボ&ハイブリッドコンセプトを廃止するべきだと考えており、2020年以降のエンジンコンセプトについて、今後数週間以内に協議を開始する予定だ。
提案のひとつは、より単純なV8エンジンに戻すという案だ。V8エンジンは現在のパワーユニットと同等の出力を発揮できる上、一部のファンが渇望している、”エンジンノイズ”を復活させることになる。
しかしFIAの会長であるジャン・トッドは、現在の方向性を転換することはできないと述べている。
トッドはV8エンジンやV10エンジンの復活の可能性について、FIAの雑誌『Auto』の最新号で「社会に受け入れられないだろう」と語った。
「我々は、国際社会によってチェックされている組織を運営しているという責任がある。国際社会はそれを受け入れないだろう」
「実際、もし『10年前のエンジンに戻ろう』といったところで、多くのマニュファクチャラーはそのような動きを支持しないと私は考えている。4メーカーのうち、少なくとも3メーカーはF1から離れると確信している」
「できるだけ多くの競争を保つために、そして投資を保護するためにも、我々には安定が不可欠であると分かっている。毎年新技術に投資することはできない。それは財政的に持続可能ではない。すでに我々はレースのコストについて不満がある。私から見れば、さらなるコストがかかるなんて馬鹿げている」
F1マシンの環境への影響は最小限に抑えられているが、トッドはそのような懸念には気を配らなければならず、環境に優しいF1を維持する必要があると考えている。
「気候変動や公害が重視される世の中で、我々にはそれに関与する責任があると感じている。パリからニューヨークに飛行機を飛ばすよりも、F1のレース1回の方が環境汚染が少ないのは事実だが、我々は模範でなければならない」
「模範となるために、イメージと違うからといって不必要な汚染を引き起こすことは許されない」
変化を続けるモータースポーツ
モーターレースがどこに向かうのかを語ったトッドは、水素エンジンがモータースポーツにとっての”未来”になる可能性があると語った。
「将来使われる技術は水素になると、私は確信している」とトッドは語った。
「5年後に無人のマシンでラリーをするようなことはおそらくないだろうが、モータースポーツは変化し続けている。しかし、我々は変化を続けるモータースポーツにとってベストな要素を保つようにしなければならない」
「それは我々の責任のひとつであり、我々が来年何をするのか決めるのではなく、F1が2021年や2030年に何をすべきか、ラリーや耐久レースが何をすべきかを決めるべきだ」
「スポーツの心髄は失われてはいないが、社会の”進化”は考慮しなければならない」
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