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【F1】トリック・サスペンションの合法性、FIAが見解発表へ

トリック・サスペンションについてF1チーム間で議論が行われているが、FIAはテストの前までに、システムの合法性について見解を発表する予定だ。

Mercedes W07 front suspensions

Mercedes W07 front suspensions

Giorgio Piola

 メルセデスやレッドブルがすでに使用していると考えられている、”トリック・サスペンション”に関して、FIAはプレシーズンテストの前までにその合法性について見解を発表するようだ。

 このトリック・サスペンションは、フロントとリヤのサスペンションを油圧ラインを通して連動させ、マシンの姿勢制御を行っていた”FRIC”(Front & Rear InterConnected)のような効果を狙ったものだ。FRICは、すでに2014年の時点で禁止されている。

 トリック・サスペンションは、サスペンションのストロークによって生じたエネルギーを蓄えておき、マシンの姿勢を制御するためにそのエネルギーを利用するモノだと考えられている。

 フェラーリは、このサスペンションシステムの合法性について、FIAに問い合わせを行った。フェラーリのチーフデザイナーであるシモーネ・レスタは、F1のレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングに、このサスペンションシステムがマシンの車高や姿勢の制御を行うことで空力パフォーマンスを向上させるため、可動式空力パーツを禁止しているF1の規則に抵触する可能性があるのかどうか、確認を求めたのだ。

 レスタは、このサスペンションシステムについて次のように説明した。

「そのサスペンションシステムは、路面の凹凸や障害に対する緩衝装置として働き、タイヤを路面に接地させるというサスペンション本来の目的への貢献は小さい。一方で、車高の制御や空力パフォーマンスへの影響はかなり大きい。そのシステムを搭載することによる重量増や、設計が複雑であるというデメリットを正当化できるほどの、メリットがあると考えられている」

「したがって我々は、F1技術規則第3条15に基づいて、それらのシステムの合法性に疑問を抱いた。そのシステムが、”サスペンションの本来の目的に完全に付随しているもの”なのか、”マシンの空力性能に直接影響を与えるように考案されたもの”なのか、質問を行ったのだ」

 F1技術規則第3条15には、『ブレーキダクトは例外とし、車両の空気力学的性能に影響するいかなる特有な部分も、車両の完全な懸架部分に堅牢に固定して取り付けられていなければならない(堅牢に固定とは、一切の遊びがない状態をいう)』と記載されている。つまり空力的な性能に影響するパーツは、一切の可動が許されていないのだ。

 ホワイティングは、そのような機能のあるサスペンションシステムはルールに違反していると考え、明確に見解を示している。

「我々の見解では、マシンの反応を変えることができるようなサスペンションシステムは、F1技術規則第3条15に違反する可能性が高い」とホワイティングは語った。

 フェラーリの今回の明確化を求める”質問”は、これらのシステムの開発をしたいがために許可をもらうのが目的ではなく、ライバルたちが使用しているとされるシステムを使用禁止にすることを目的としていたと考えられる。特にメルセデスとレッドブルは、このサスペンション開発をさらに推し進めていたと考えられている。

 ホワイティングが見解を示したにもかかわらず、2017年シーズンの開幕を前にチーム間でこの問題は引き続き議論されている。

 先週、FIAの技術ディレクターとさらなる議論が行われたようだが、チーム間で何が許可され、何が許可されないのかについて、合意されなかったと見られる。

 従来のサスペンションへの回帰や、アクティブサスペンションへの切り替え、現在の油圧コンセプトに対する制限の撤廃など様々な提案がなされたが、チームの意見は分かれたようだ。

 現在の状況と、サスペンションの技術がマシン性能の鍵になるという事実を考慮して、今後2週間以内に新しい技術指令書という形で、ホワイティングの見解がチームに伝えられる見込みだ。

 しかしながらこの指令書によって開発が制限され、チームはシーズン開幕を前に大幅なマシンの見直しを迫られることになるのか、それとも複雑なシステムが”合法”とされるのかどうかは不明だ。

 2月末から行われるプレシーズンテストの前までに何が許可され、何が許可されないのかという指針が発表されることで、チームには少なくとも開幕戦オーストラリアGPまでにマシンを調整する時間が与えられることになる。

 チームにとってホワイティングの意見は事実上の”アドバイス”に過ぎず、規則の解釈について拘束力を持たせることができるのは、各レースのスチュワードやFIA国際控訴裁判所であることを、チームは理解している。

 つまり、開幕戦のオーストラリアGPを迎えてもライバルのやっていることに不満がある場合は抗議を行い、裁定をFIA国際控訴裁判所に持ち込むことも可能だということだ。

 F1の最初のプレシーズンテストは、2月27日からバルセロナのカタルニア・サーキットで行われる予定だ。

※本文中のF1技術規則は、日本自動車連盟(JAF)のホームページに掲載された日本語訳より抜粋

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